Googleアナリティクスとは?使い方・見方を初心者向けにわかりやすく解説(GA4対応)

Googleアナリティクスとは?使い方・見方を初心者向けにわかりやすく解説(GA4対応)

「ホームページの活用方法を知りたい」「オンラインマーケティングを実現したい」とお考えであれば、Googleアナリティクスの導入がおすすめです。Googleアナリティクスによって、潜在的な顧客層に関する情報を把握し、マーケティング施策の効果測定と改善を行っていくことで、効率的にホームページの活用をしやすくなります。

ただし、Googleアナリティクスは導入自体は簡単なものの、初心者には難しいと感じられる部分もあるため、管理画面にある項目や機能を理解し、数字に基づいて適切なマーケティングをできるようにしていきましょう。

本記事では、Googleアナリティクスで具体的に何ができるのか、初期設定や導入方法とともに、使い方や最大限活用するときの注意点についてお話しします。

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目次

Googleアナリティクスはユーザー行動を可視化できる高性能な分析ツール

はじめにGoogleアナリティクス初心者の方のために、基本的なことから説明していきます。Googleアナリティクスはドメインごとに割り当てられた「タグ」をHTMLのヘッダーに記述することで、アクセスしてきたユーザーの情報を蓄積し、情報を整理した上でダッシュボードやレポートを表示してくれるツールです。

アクセス解析によって得られるユーザー情報は、パソコンやスマホのOSやデバイス情報、検索エンジン、広告やSNSなどアクセスした流入経路、サイト内でクリックした順番や滞在時間などのユーザー行動、そして問い合わせや商品の購入などユーザーのアクション(コンバージョン)などがあります。

本来であればユーザーのアクセス情報は単なるデータの羅列のため、初心者の方では情報の整理さえも難しいデータですが、Googleのアナリティクスであれば、適切に整理された状態で可視化することが実現し、データの見方を覚えることでマーケティングが効率化できるようになるのです。

  1. Googleアナリティクスでできること一覧とそれぞれの活用場面
  2. GoogleアナリティクスはGA4へ完全移行し計測方式が大きく変わった

それぞれ順に解説いたします。

Googleアナリティクスでできること一覧とそれぞれの活用場面

次にGoogleアナリティクスがアクセス解析によって得たデータを、具体的にどのように活用しやすくしてくれるのか、主要な機能や活用シーンについて見ていきましょう。

ユーザー数やページビュー数を確認してアクセス状況を数値で把握できる

Googleアナリティクスで初心者の方でも一番わかりやすい機能は、ユーザー数やページビュー数を時系列的に数字やグラフで確認できる機能です。ホームページに訪問したアクセス状況が可視化され、ホームページ内のコンテンツ制作における効果、GoogleやSNS広告、メルマガやSNSによる情報発信でリーチしている状況をまとめて把握できます。

Googleアナリティクスを設定した時点から、時系列的にデータが蓄積されていくため、基本的には右肩上がりであり、一定の期間で区切って前期との比較でアクセスの伸び率を把握しやすくなっているのも特徴です。

ユーザー数やページビュー数は「現時点での今までの結果」を把握し、アクセスアップに向けて行動すべきかどうかを検討するときに活用しやすい情報と言えるでしょう。

流入元(検索・SNS・広告)を分析して集客チャネルの効果を見極められる

検索エンジン、そしてSNSや広告など、ユーザーがホームページに訪問した際の流入元の情報は、集客における認知拡大のための集客チャネルの効果や、施策の効果測定を見極めたいときに活用できるデータです。ユーザー数やページビューの伸び率を見て、認知拡大、主なペルソナやターゲットへのリーチに関するマーケティング施策をしたい場合に役立ちます。

また、Google広告やSNS広告など、課金した広告効果をチェックし、コストパフォーマンスを把握したいときにも活用できるデータであるため、費用対効果が見合っているか確認したいときにも役立つでしょう。同時に、自社で認知拡大や興味関心のために行っている集客効果と広告効果を比較し、どちらに時間や費用のコストを注力すべきか判断する材料としても活用できます。

ページ遷移や離脱ポイントを可視化して導線やコンテンツの改善に活かせる

ユーザーがホームページに訪れて行動した履歴、例えばページ遷移や離脱ポイントの可視化は、離脱を防ぎ回遊率を高めるためにサイト内での導線を見直してみたり、コンテンツに没頭してもらうための質の向上を考えたりするときに活用できる情報です。

ユーザーが特定の経路から任意のコンテンツに訪問し、別のコンテンツにアクセスしないで離脱する場合、コンテンツを見終わった後に興味を引くリンクが設置されている可能性があります。読み終わった後の視野にレコメンドで関連性の高いコンテンツを表示したり、サイドバーやポップアップでおすすめコンテンツを提案したりすることで、離脱率を軽減するのに役立てられるでしょう。

また、Googleアナリティクスでは、URLごとにページビュー数が表示され、アクセスが多いページや滞留時間が長いページを上位からとして表示する機能もあるため、比較検討しながらコンテンツの質の向上を模索することにも役立ちます。

リアルタイムレポートで訪問状況を即時に確認して施策の効果を把握できる

Googleアナリティクスのリアルタイムレポートは、現時点で訪れているユーザー数と、見ているページが可視化される機能であり、コンテンツを公開したタイミング、SNSなどの情報発信による集客効果の確認に活用できます。

その他にもテレビCM、新聞や雑誌広告、またはチラシや実店舗でのイベントの開始時期に合わせて、リアルタイムなアクセスの増減を確認できるため、反響に応じてその先の計画を柔軟に変更したい場合にも役立つでしょう。

同時に、普段からこまめにチェックする癖をつけておくことで、マーケティングへのモチベーションが上がるのも利点です。また、リアルタイムのアクセスがないことがすぐに把握できるため、ホームページやサーバーに何らかの不具合が発生していることに気づけるようになります。

イベントやコンバージョン設定でお問い合わせや購入などの成果を測定できる

Googleアナリティクスでは、特定のボタンのクリック、動画の再生、商品の購入など、ユーザーがアクションできる項目をイベントとして個別に集計し、リードの獲得や売上に影響するようなアクションを「コンバージョン」として可視化できます。

コンバージョンはホームページの集客や広告効果、収益源としてのパフォーマンスの把握に活用しやすく、ビジネスでホームページを運営する上でのマーケティング施策のKPIやKGIとして把握するべき数字です。例えば、問い合わせや資料請求、メルマガ登録などのリード獲得をコンバージョンとした場合、イベントの数字が増えるほどに、将来的な顧客の母数が増えることになります。

その他にもマイクロコンバージョンなども追跡可能であり、ホームページのデザイン設計、画像や文章による提案、興味関心の育成など、注力した施策のどの部分が効果的だったかを細かく測定と比較がしやすく、改善すべき箇所の可視化にも役立つでしょう。

GoogleアナリティクスはGA4へ完全移行し計測方式が大きく変わった

Googleアナリティクスは、一昔前のUA(ユニバーサルアナリティクス)から、現在のGA4(Googleアナリティクス4プロパティ)への移行が完了しました。計測方式が大きく変わり、以前のUAを見たことあるものの、いつのまにかGA4に変更されており、戸惑っている方もいらっしゃるかもしれません。直感的なユーザーインターフェースとしては大幅な変更はないものの、具体的にどのような違いがあるのか見ておきましょう。

ユニバーサルアナリティクス(UA)はすでに終了

Googleアナリティクスの以前のバージョンであるUAは、2023年の7月1日をもって完全にサービスの提供が終了しました。そのため、「UA-」で始まる形式の旧タグによるユーザー情報の収集は行われなくなっており、GA4では「G-」から始まる新しいタグをホームページに設定して移行する必要があります。

直近1年以内にホームページを構築したばかりの方であれば、新しいタグに切り替わった状態で登録するか、これから登録できる状態ですが、1年半から2年以上前に登録し、設定した記憶はあるものの、その後に変更した覚えがない場合は確認して再設定しておきましょう。

もし、Googleアナリティクスに登録したものの、GA4に移行しているかわからない場合は、パソコンのブラウザなど自分のホームページのソースを表示して確認してみましょう。「UA-」と「G-」の両方で検索し、JavaScriptのタグで囲まれた「G-」で始まるタグがあればGA4に移行しており、「UA-」であれば移行していないことが判別する目安になりますので確認し、UAのままであればGA4への移行を進めてみてください。

GA4は「イベントベース」でユーザー行動を柔軟に測定可能

GA4の特徴として、ユーザーの行動やアクションを「イベント」という単位でデータの蓄積や計測をしていくイベントベースに移行したことが挙げられます。イベントは自動収集、推奨、カスタムなどの種類があり、ホームページや事業活動の方向性を合わせて使い分けることが可能です。

UAのようにページビューやセッション、ユーザーといった数字の可視化だけでなく、スクロール、クリック、ダウンロード、動画の視聴などもイベントとしてデータの蓄積と整理、そして見やすい形式で表示されるようになり、ユーザーエンゲージメントがさらに把握しやすくなっています。

そのため、現状に応じて認知拡大やリーチに注力すべきか、それでもチャネルを増やすべきか、ホームページのデザインや興味関心に注力すべきかなど、具体的な施策の立案と改善を効率的に行えるようになるでしょう。

機械学習による予測データやクロスデバイス計測にも対応

Googleアナリティクスは、機械学習による予測データの提供に対応しており、パソコン・スマートフォン・タブレットなど、クロスデバイス計測する機能も搭載されていることから、データの蓄積と効果測定に加えて、予測による企画立案に役立てることもできます。

ユーザーの過去の行動データパターンとクロスデバイス計測によって「購入予測」や「離脱予測」などのデータが提供される仕組みになっており、より精度の高い予測データに基づいた、効果的なマーケティング施策の実施を実現できるようになるでしょう。

ただし、ホームページを開設したばかりの場合、必ずしも精度の高いデータが提供されるとは限らないため、まずはGA4の設定を行い、データの蓄積区間を増やしていくことから始めるべきです。また、オンラインマーケティングを始める段階では、過去のデータがないためにアクセス解析による効果測定と改善が難しい可能性もあるため、コンテンツマーケティングやSNSによる情報発信を欠かさず、Googleアナリティクスをチェックしながら、アクセス解析や集客のやり方を模索していくと良いでしょう。

Googleアナリティクスの初期設定と導入方法を解説

次にホームページを活用するためにGoogleアナリティクスの初期設定をしたい、もしくは新しいGA4に登録したい方のために、Googleアナリティクスの導入方法について解説します。

  1. Googleアカウントでプロパティを作成し測定IDを取得する
  2. Webサイトに管理画面で取得したタグを設置して計測をスタート
  3. WordPressならプラグインやタグマネージャーでスムーズに導入可能

それぞれ順に解説いたします。

Googleアカウントでプロパティを作成し測定IDを取得する

Googleアナリティクスを導入するために、まずはGoogleアカウントを準備しましょう。個人のホームページの場合は個人アカウントでも問題ありませんが、企業や組織の公式ページの場合は、取得した独自ドメインと紐付いたGoogle Workspaceアカウントで登録した方が無難です。もしくは、企業や組織の責任者の方にGoogleアナリティクスに登録してもらい、管理者権限のユーザーの方にプロパティを作成してもらってから招待してもらうことも検討してみてください。

GoogleアカウントからGoogleアナリティクスにログインできるようになったら、「[GA4]アナリティクスで新しいウェブサイトまたはアプリのセットアップを行う」を参考に、プロパティを作成して測定IDの取得と設定を行います。プロパティを作成する過程で「データストリーム」の追加を行い、メインのウェブサイトのURLなどを入力していきましょう。データストリームの設定が完了すると、「G-XXXXXXXXXX」という専用の測定IDが発行され、設置用のGoogleタグ(gtag.js:JavaScriptコードスニペット)が出力されますので、ホームページに設置するためにメモしておいてください。

Webサイトに管理画面で取得したタグを設置して計測をスタート

Googleアナリティクスに登録し、計測タグが発行できたら、次はご自身のホームページや自社サイトに発行された計測タグを設置する段階です。計測タグはJavaScriptコードスニペットをそのまま、ホームページのHTMLソースのheadタグ内に記述する必要があります。

計測タグは発行だけでなく、設置することでデータの蓄積が始まることを忘れないようにしましょう。具体的な編集方法については、ホームページの構造ごとに編集する方法が様々ですので、ホームページの仕組みに合わせて、管理画面からの編集やFTPによるアップロードなどを行うようにしてください。

もし、Googleアナリティクスの計測タグは発行できたものの、HTMLの編集がわからない場合は、管理者に聞くか、専門家に相談することも検討してみましょう。特に初心者の方でよくわからないまま設置しようとしてしまうと、適切な位置に設置できなかったり、必要な文字列を削除してしまったりする可能性もあるので注意してください。

WordPressならプラグインやタグマネージャーでスムーズに導入可能

WordPressとは世界的に広く普及しているコンテンツマネジメントシステム(CMS)であり、HTMLやCSS、PHPやJavaScriptなどの知識がほとんどない初心者の方でも、ホームページの運営ができるオープンソースソフトウェア(OSS)です。

WordPressには機能を拡張できるプラグインという仕組みやGoogleタグマネージャーによって、Googleの計測タグを簡単に設置できます。まずはWordPressにログインし、Googleアナリティクスに関するプラグインがないかチェックしてみましょう。もし、該当するプラグインがなければインストールすることも検討してみてください。

WordPressのプラグインインストール画面

WordPressの管理画面の左側にあるサイドバーの項目の「プラグイン」をクリックし、次に「プラグインの追加」をクリック、そして検索欄に「Googleアナリティクス」と入力して検索すると、以上のように対応するプラグインが表示されます。

どのプラグインが良いか悩んだ場合は、総合的なSEO対策ができるプラグインの「All In One SEO」や「Jetpack」がおすすめです。導入を決めたプラグインに表示されている「今すぐインストール」をクリックし、有効化して設定を進めることで、簡単にGoogleアナリティクスの設定ができます。

Googleタグマネージャーに登録しており、「GTM-」で始まる測定IDを設定したい場合、同じくGoogleが提供している「Site Kit by Google」のプラグインの導入がおすすめです。「Site Kit by Google」はGoogleアナリティクスの「G-」で始まる測定IDにも対応しています。

また、WordPressは初心者の方でも扱いやすいCMSですが、企業や組織の公式サイトとして構築されている場合、安易に編集や設定変更をすると、思わぬトラブルになる可能性があるため、よくわからない場合は管理者や技術者の方に任せることが大切です。

ABLENETレンタルサーバーならWordPressがすぐ使える環境で設定も簡単

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まだホームページをお持ちでいない初心者の方で「WordPressの設置とGoogleアナリティクスの設定をスムーズに行いたい」という場合、「ABLENETレンタルサーバー」の利用をおすすめします。サーバーの管理画面にある「WordPressマネージャー」の機能によって、初心者の方でもWordPressを簡単に設置できます。

WordPressの設置が済んだら、Googleアナリティクスに関連するプラグインを比較検討し、インストールして有効化した上で、Googleアナリティクスの計測タグを設定すれば、ホームページのアクセス解析が開始されます。

ABLENETレンタルサーバーであれば、高性能なサーバーによって応答速度や表示速度が早く、安定性も高いことから、ホームページの評価に影響するSEOについても、ポジティブな評価を得ることが期待できるでしょう。

もし、「今のレンタルサーバーはWordPressが重い」「ホームページがすぐに表示されない」とお悩みであれば、サーバーの移行にも対応しておりますので、是非ともお気軽にご相談ください。

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Googleアナリティクスの使い方を初心者にもわかりやすく紹介

次に、Googleアナリティクスについての基本をある程度理解し、ホームページに計測タグを設置した方のために、管理画面や基本的なレポート画面の見方など、Googleアナリティクスの使い方についてわかりやすく解説します。

  1. 基本の使い方①|ホーム画面で全体傾向をざっくりつかむ
  2. 基本の使い方②|リアルタイムレポートで今の動きを瞬時に把握
  3. 基本の使い方③|集客レポートで「どこから来たのか」を分析する
  4. 基本の使い方④|エンゲージメントレポートで滞在時間や直帰率を見る
  5. 基本の使い方⑤|ページ別の閲覧状況を分析して人気コンテンツを把握
  6. 応用的な使い方①|イベント計測でフォーム送信・スクロールなどを分析
  7. 応用的な使い方②|コンバージョン(キーイベント)設定で成果を数字で測定する

それぞれ順に解説いたします。

基本の使い方①|ホーム画面で全体傾向をざっくりつかむ

Googleアナリティクスにログインすると、ホームページ全体の主要な情報が集約されたホーム画面が表示されます。アクティブユーザーやセッション、新規ユーザー数や表示回数など、「カード」と呼ばれる単位で表示される仕組みです。表示される項目はカスタマイズ設定できるので、必要な項目をチェックして設定しておきましょう。

設定した内容に応じて、表示回数やページタイトルの項目、セッションに関する主な指標、国別のアクティブユーザーの分布、などの統計情報なども表示されます。また、過去30分間のリアルタイムのアクティブユーザー数なども表示することが可能であり、軽くチェックしたいときはホーム画面を見るだけで、アクセスに関する重要なデータを把握できるのでおすすめです。

アクセスアップやマーケティング施策など、設定した任意のカードは、それぞれ詳細な情報が見られるリンクが設置されることもあるため、ざっと確認した後、時間があるときは詳しい情報をチェックする癖をつけておくと良いでしょう。

基本の使い方②|リアルタイムレポートで今の動きを瞬時に把握

リアルタイムレポートは、今現在のリアルタイムにホームページへアクセスしているユーザーの動きを把握できる項目です。表示方法はGoogleアナリティクスのホーム画面の左側にあるサイドバーを表示し「レポート」をクリックすると、「レポートのスナップショット」の画面に遷移します。

「リアルタイムの概要」ではアクティブユーザーに関する統計の詳細情報が表示され、「リアルタイムページ」ではアクティブユーザーが、まさに今見ているページの確認が可能です。ホームページ上でコンテンツを公開し、SNSにURLを載せて情報発信した際など、どのぐらいの反響があるかすぐに確認したいときに役立ちます。

ただし、Googleアナリティクスの予測に関するデータと同様に、ホームページ開設直後やサイトに関する評価が定まっていない状態、もしくはSNSのフォロワーなどが少ない場合はあまり反応がないこともあるので、最初の段階ではオンラインでの集客やマーケティング活動をしていても手応えを感じられないことがあるので、落ち込まず、中長期的にじっくりと取り組んでいきましょう。

基本の使い方③|集客レポートで「どこから来たのか」を分析する

集客のレポートは、集客の項目をクリックし、表示された「概要」をさらにクリックすると「集客サマリー」が表示されます。集客のレポートでは、ホームページを訪問したユーザーが、どのような経路をたどってきたかの一部を確認することが可能です。オーガニック検索やリファラル、広告のクリック、SNS経由などのチャネルごとのデータとともに、ユーザー数やセッション数、エンゲージメント率なども表示されるようになっており、ホームページによる集客の結果を把握しやすくなっています。

そのため、オンライン集客やマーケティングの施策をしているのに、売上につながらない場合は、集客のレポートをチェックし、どの施策に動きがあるのか、もしくは全く反応がない施策は何が原因かを分析していきましょう。課題や問題については、発見できることが重要であるため、施策が失敗したと考えるのではなく、改善する要素が見つかったと前向きに捉えて、効果測定と改善を繰り返すことが大切です。

その他にも「ユーザー獲得」「トラフィック獲得」「ユーザー獲得コホート」などの項目をクリックし、事業活動やマーケティング施策に必要な情報が表示されていないかチェックしておきましょう。

基本の使い方④|エンゲージメントレポートで滞在時間や直帰率を見る

エンゲージメントレポートは、エンゲージメントをクリックし、表示された概要をさらにクリックすると表示されます。平均エンゲージメント時間、表示回数、イベント数、ページタイトルごとの表示回数、アクティビティやロイヤリティの推移、直帰率などの情報が把握できるページです。

エンゲージメントはホームページを訪れたユーザーの行動が把握できるイベントや指標であるため、どのコンテンツが注目されているのか、滞在時間が長くなるコンテンツはどのような傾向にあるのかなどが把握しやすくなるでしょう。その他にもイベントがすぐにチェックできるようになっているため、ユーザーの行動とコンバージョンにつながるアクションの推移なども可視化されやすいページです。

直帰率が高く、コンテンツからすぐに離れている場合は品質の向上、コンテンツを見ているもののコンバージョンにつながらない場合は、リンクの配置やボタンなど導線とデザインの見直しを行うなど、エンゲージメントアップにつながる施策を講じていくと良いでしょう。

基本の使い方⑤|ページ別の閲覧状況を分析して人気コンテンツを把握

ホームページのサイトとしての評価を向上させるためにも、ページ(コンテンツ)別の閲覧状況を分析し、人気コンテンツの把握と傾向を理解し、コンテンツごとの品質向上とともに、サイト全体の価値を底上げすることが求められます。

SEOについては様々な手法がありますが、基本となるのは「ユーザーにとって有益であること」「品質が高く、必要な情報が網羅されていること」そして何よりも「SEOの評価をアップさせるためではなく、ユーザーのために情報発信すること」を重視していきましょう。

エンゲージメントの「ページとスクリーン」をクリックすると、サイト内で人気のあるページの「表示回数」「ユーザー数」「平均エンゲージメント時間」「イベント数」「コンバージョン数」などの情報が一覧で見やすく表示されます。

人気のあるページを把握して分析を行い、次の新規記事作成するタイミングで改善していくこと、上位に表示されるページが古い場合は、ブラッシュアップを行い、情報の鮮度を保つようにすることが大切です。

応用的な使い方①|イベント計測でフォーム送信・スクロールなどを分析

Googleアナリティクスでは、ユーザーの行動やアクションが「イベント」としてデフォルトでいくつか設定されていますが、さらに任意のボタンのクリックやフォーム送信の回数なども、「カスタムイベント」としてデータの蓄積が可能です。

エンゲージメントの項目のイベントをクリックすると、デフォルトで設定されているイベントと任意に設定できるカスタムイベントの情報が集約され確認しやすくなっています。コンバージョンに関係するボタンやフォームに対するアクションを、積極的にカスタムイベントに設定して可視化と把握を行いましょう。

イベントの重要性を意識し、ホームページ経由でのリード獲得や収益化に関する主軸となるデータであることを踏まえておいてください。アクセスが増えてもイベントの数字が増えない場合、イベントごとに原因の調査を行い改善することが大切です。

応用的な使い方②|コンバージョン(キーイベント)設定で成果を数字で測定する

新しいGoogleアナリティクスでは、コンバージョンのことを「キーイベント」として取り扱っています。キーイベントとして設定した項目は、従来のコンバージョンと同じように、データの蓄積と表示ができるため、イベントの中でも重要なものに設定しておくと良いでしょう。

キーイベントの設定方法は、Googleアナリティクスの左側のサイドバーの左下にある「管理」をクリックし、表示された項目の「イベント」をさらにクリックしてください。既存のイベントが一覧表示されたら、「キーイベントとしてマークをつける」を設定すれば設定は完了です。キーイベントをイベントに戻したいときも同じ画面ですので覚えておいてください。

新規にイベントを作成する場合は「イベントを作成」をクリックし、手順に沿って任意のイベントを登録しましょう。イベントの作成が終わったら、既存のイベントをキーイベントするのと同じ手順で、マークをすれば完了です。イベントでユーザーの細かな行動やアクションを把握しつつ、キーイベントでリードの獲得や売上に直結する情報の把握と改善を続けていくことで、さらにホームページの運営を効率的に行えるようになるでしょう。

Googleアナリティクスを最大限活用するためのポイントと注意点

次に、Googleアナリティクスは高機能だけれども、データを見ているだけで活用しきれていないとお悩みの方のために、アクセス解析した結果を最大限活用するための具体的なポイントと注意点について解説します。

  1. データは現状把握だけでなく改善アクションに活かそう
  2. 毎日のチェックで変化に気づきやすくなる運用習慣を作る
  3. 見るべき指標はユーザー数よりもエンゲージメントとCV(キーイベント)に関わる数値
  4. サイト全体の平均値ではなく個々のページレベルで数値を比較する
  5. コンバージョン(キーイベント)設定やイベント計測を活用して目標達成状況を可視化

それぞれ順に解説いたします。

データは現状把握だけでなく改善アクションに活かそう

Googleアナリティクスが自動で提供してくれるデータは、リアルタイムに収集されていき、必要な項目が瞬時に表示されるため、見るだけで効果測定や分析をした気持ちになってしまうことがあります。しかし、見ているだけでは分析ではなく、単純な現状把握になってしまうため、オンライン集客やマーケティングの施策がどのような結果を生んだのか、関連するデータを紐付けながら分析することを心掛けるべきです。

例えば、新規記事作成と公開を3日に1本のペース、そして1ヶ月で10本というサイクルでコンテンツマーケティングを行っているとして、記事の増加分に対してどれほどアクセスが増えているのかを分析するとします。もし、3ヶ月ほど続けて30本もの新しい記事の公開をしているのに、ほとんど伸びていなければコンテンツの質が低い可能性が高いと判断できます。

もしくは、キーワード選定の時点で読者が検索するテーマやジャンルを選びきれていない、またはキーワードに対するターゲットやペルソナがずれていることも考えられるでしょう。

漫然と新しい記事を公開し続けるだけでなく、自社の商品やサービスのターゲットやペルソナに合わせたキーワードを選び、質の高いコンテンツを作ることが重要だと判断することもできます。

単なるアクセスだけでもこのような分析ができるため、コンバージョンであるキーイベントやユーザーの行動を示すイベントを分析し、効果測定と改善アクションを繰り返すというサイクルを回し続けることが大切です。

毎日のチェックで変化に気づきやすくなる運用習慣を作る

Googleアナリティクスで表示される数字を、単に見ているだけではなく分析して行動アクションを起こすべきと理解できたら、次は毎日チェックする運用習慣を作ることを前向きに検討してみてください。細かな数字の変化に気づきやすくなるのが理由であり、急激なアクセスの増減によって、柔軟に対処できるようにするのが目的です。

例えば、アクセスが伸びたページが商品紹介ページであり、経路を追いかけてみるとSNSからの流入、今までとは異なるペルソナやターゲットに注目されていることなどにも気づきやすくなります。注目の度合いによっては商品の生産や発注を増やしたり、予約制にしたりと対応していくことで、さらなる売上アップや新規顧客獲得とリピーター獲得も期待できるようになるでしょう。

同様に今までアクセスが良かったページの表示回数が減った場合、間違った操作でパーマリンクを変更してしまった、もしくはサイト内の構造にエラーが起きたといったことが気づけるようになるため、すぐに修正することで取りこぼしを防げるようになるのです。

以上はあくまでも一例ですが、様々なデータを多角的に把握していくことで、眺めているだけでなく、リアルタイムに柔軟な対応ができることを覚えておきましょう。

見るべき指標はユーザー数よりもエンゲージメントとCV(キーイベント)に関わる数値

Googleアナリティクスを見ていると、潜在的な顧客層からの新しいアクセスである新規ユーザー、もしくは再訪問してくれたユーザー数の増減が気になりがちです。しかし、見るべき指標はセッションやページビュー、ユーザー数などの増減の数字ではなく、エンゲージメントであるKPI(重要業績評価指標)となるイベントやCV(キーイベント)の数字であることをまずは理解しましょう。

前述したように、どんなにアクセス数が伸びたとしても、新規顧客獲得や売上アップにつながるコンバージョン率が伸びなければ、ビジネスや事業活動にポジティブな影響はありません。せっかく何らかのキーワードで検索して認知してくれたのに、そのタイミングで興味関心が少しでもある潜在的な顧客を逃してしまうことになるのです。

逆に、アクセスの伸びは少なくても、コンバージョン率が高ければ、自社の商品やサービスに対するターゲットやペルソナへの認知拡大と興味関心が成功していることとなり、効率的に売上を伸ばし、安定的な売上確保が期待できるリピーターやファンの獲得ができるようになります。

単にアクセスが伸びている状態は、実店舗でお店の前を通り過ぎている人と同じであり、もっと興味関心を持ってもらい、初めて認知してもらったタイミングで顧客として、お客様として迎え入れられるように工夫する必要があると考えるようにしましょう。

サイト全体の平均値ではなく個々のページレベルで数値を比較する

ホームページの管理者や運営者として、Googleアナリティクスをチェックしていると、サイト全体のアクセスや様々な指標の平均値を伸ばすべきだと考えることがあります。もちろん、サイトやドメイン自体の評価を上げるためには大切な考え方ですが、1つのコンテンツのアクセスのみが伸びていて、その他のコンテンツのアクセスが伸びなくても平均値が上がることを忘れてはなりません。

むしろ、平均値よりも個々のページへのアクセスを増やすこと、公開したらそのまま放置するのではなく、効果測定と改善を繰り返しながら、コンテンツの質を上げることで、サイトやドメインに対する評価をあげていくという考え方を持ちましょう。

特に特定のコンテンツへのアクセスに依存し、そのページにおいてそれなりのコンバージョン率が高いとしても、その他のページのコンテンツとしての質が低い場合、将来的にはサイトやドメインへの評価も下がってしまうことが考えられます。

同じく、アクセスとコンバージョン率だけでなく、その他のエンゲージメントが高いコンテンツ、もしくはランディングページの効果検証と比較を行うなど、結果を出すページと出せていないページの、それぞれの良い部分と悪い部分も改善する要素としてナレッジを積み上げていくことが大切です。

コンバージョン(キーイベント)設定やイベント計測を活用して目標達成状況を可視化

Googleアナリティクスで蓄積できるユーザーのデータは、事業活動における指標として役立てることも非常に大切です。コンバージョン(キーイベント)の設定を絞り込み、KGI(重要目標達成指標)の一つとして目標設定にすること、キーイベントの増加に向けた中間目標となるイベントをKPI(重要業績評価指標)に設定するなど、目標に対する具体的な設定を行い、オンライン集客やマーケティング施策を効率的に行っていきましょう。

なぜ、コンバージョン率を上げるべきかといえば、その理由はどのような商品やサービスにおいても、ライバルとなるオンラインショップや実店舗、もしくは企業などが存在するためです。例えば、ネットショッピングで自分好みの商品を探している潜在的な顧客層が1人いたとします。もし、自社の商品の情報が認知され、興味関心を抱いてもらい、購買意欲を促進することができれば顧客になる可能性は高いです。

しかし、認知拡大、興味関心の育成、購買意欲の向上、購入への後押しのいずれかの段階で離脱されてしまった場合、競合のネットショップで購入にいたり、永久的に潜在的な顧客の一人を逃し続けること、機会損失と利益損失の両方を招くことになります。

アクセスアップも重要ですが、それ以上にコンバージョン率を上げることが重要です。その理由の一つは、数打てば当たるという漫然とした目標ではなく、明確にターゲットやペルソナに情報を届けて、自社の提供する商品を購入してもらおうという目標を持つことが重要だと覚えておきましょう。

Googleアナリティクスに関するよくある質問に回答

最後にGoogleアナリティクスで初心者の方がよく悩む項目についてまとめて、よくある質問とその回答について解説します。

Q
Googleアナリティクスのログイン方法がわからないときはどうすればいい?
A

Googleアナリティクスは、Googleのアカウントを利用して登録するため、ブラウザでGoogleにログインした状態でGoogleアナリティクスの公式サイト「analytics.google.com」にアクセスすれば、スムーズに登録やログインができます。

よくわからないときは、Googleの公式ヘルプページ「Google アナリティクス アカウントにアクセスする」を確認してみてください。

初心者の方の場合は「Googleを利用しているがアカウントを持っていない」「Googleのアカウントを持っているがログインしていない」「GoogleアカウントにログインしているがGoogleアナリティクスの登録やログインがわからない」のいずれかです。まずはGoogleアカウントがあるかを確認し、アカウントがなければ登録してログイン、そしてGoogleアナリティクスの公式ページにアクセスしましょう。

その他、Googleアカウントを持っているが、パスワードを忘れた、もしくはわからない場合は、「Google アカウントのパスワードを変更または再設定するにはどうすればよいですか?」を参考に、パスワードの変更や再設定を行うことで、新しいパスワードを登録し、ログインできるようになるので試してみてください。

Q
Googleアナリティクスを使うのに資格や特別なスキルは必要ですか?
A

Googleアナリティクスの利用は、Googleアカウントが必須のみで、資格や特別なスキルは必要ありません。Googleアナリティクスの設定手順通りにドメインを登録し、発行された測定IDを含む設置用のGoogleタグ(gtag.js:JavaScriptコードスニペット)をホームページ側に設定すればデータの蓄積とアクセス解析の機能が無料で利用できます。

Googleアナリティクスにログインし、データが表示されている状態であれば、デフォルトのままでも、初心者でもアクセス解析に必要なデータを閲覧し、分析に役立てることは可能です。イベントやキーイベントの設定、カードやデータ表示のカスタマイズなどもわかりやすくなっているため、難しい部分は調べながら使い続けることで、Googleアナリティクスの使い方を覚えることができます。

ただし、企業や組織の担当者として、より高度で詳細な分析をしたい場合は、Googleの提供する「スキルショップ」というオンライン学習プラットフォームに登録し、無料でトレーニングできる範囲でも学習素材として活用して学ぶと良いでしょう。

Q
計測タグを正しく設置できているかを確認するにはどうすればいい?
A

Googleアナリティクスから発行された専用のIDを記述したタグが正しく設置されているかどうか確認するには、Googleアナリティクスにログインし、ホーム画面にデータが表示されるかで判断できます。コンテンツの作成やSNSによる情報発信をしているのに、何のアクセスもない場合はいくつかの原因を疑ってみましょう。

  • Googleアナリティクスから発行されたタグを利用しているか
  • 古いUAのタグを設定していないか
  • HTMLのhead内に記述されているか
  • ID自体が間違っていないか
  • JavaScriptスニペットごと記述しているか
  • 別のサイトのタグを設定していないか

以上は一例ですが、いずれかが該当していないかチェックしてみてください。まずはブラウザでホームページを開き、右クリックで「ページのソースを表示」を行い、JavaScriptスニーペットの記述位置とIDが正確かを確認しましょう。確認できても設置する方法がわからない場合は、責任者や管理者、技術者の方に任せた方が無難です。

個人のホームページの場合は正しく計測できない期間があってもある程度は問題になりませんが、企業や組織のホームページの場合はデータの蓄積ができないのはかなりの問題です。オンライン集客やマーケティング活動の効果測定ができず、無駄な労力と時間を費やしてしまう可能性があるので、早めに専門家に相談して解決してもらうことをおすすめします。

Q
複数のドメインでアナリティクスを使うにはどうしたらいい?
A

複数のドメインでGoogleアナリティクスを利用する場合、そのドメインが「異なる独自ドメイン」なのか、あるいはルートドメインは同じであり、URLの先頭部分が異なる「サブドメイン」なのかによって、設定方法が異なるため、それぞれのケースについて見ていきましょう。

企業や組織で取得した複数の独自ドメイン、例えば公式ホームページ、オンラインショップ、イベントやキャンペーンのページ、ブログ専用のサイトなどのドメインが、それぞれが異なる独自ドメインである場合など、様々なドメインをまたがるユーザーの行動を総合的にデータの収集と蓄積を行い、分析したいのであれば、Googleアナリティクスの「クロスドメイン計測」の設定で実現できます。

適切にクロスドメイン計測の設定をしないと、それぞれのドメインでデータが蓄積されるのみになってしまうため、ユーザーの行動を追跡できないということに注意しておきましょう。特に公式サイトからオンラインショップ、SNSからブログ、ブログからオンラインショップなど、それぞれが独自ドメインなのに設定をしない場合は、オンライン集客やマーケティング施策の正確な効果測定ができず、改善しにくくなるということも覚えておいてください。

詳しくはGoogle公式のヘルプページ「複数のドメインをまたぐアクティビティを測定する」の項目を確認し、必要な項目の設定やタグの配置を行うことをおすすめします。

また、基本的にはサブドメインのデータの収集と蓄積、計測については親ドメインと同一のCookieを利用する仕組みになっているため、特別な設定は必要ありません。そのため、サブドメインを独自ドメインと勘違いしないように注意してください。

ただし、これは複数のドメインやサブドメインを一つのプロパティで統合的に分析する場合の話であり、運用方針によっては、サブドメインごとにプロパティを作成して、それぞれ個別に分析できることも知っておきましょう。

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Googleアナリティクスとは?使い方・見方を初心者向けにわかりやすく解説(GA4対応)

Googleアナリティクスとは?使い方・見方を初心者向けにわかりやすく解説(GA4対応)

「ホームページの活用方法を知りたい」「オンラインマーケティングを実現したい」とお考えであれば、Googleアナリティクスの導入がおすすめです。Googleアナリティクスによって、潜在的な顧客層に関する情報を把握し、マーケティング施策の効果測定と改善を行っていくことで、効率的にホームページの活用をしやすくなります。

ただし、Googleアナリティクスは導入自体は簡単なものの、初心者には難しいと感じられる部分もあるため、管理画面にある項目や機能を理解し、数字に基づいて適切なマーケティングをできるようにしていきましょう。

本記事では、Googleアナリティクスで具体的に何ができるのか、初期設定や導入方法とともに、使い方や最大限活用するときの注意点についてお話しします。

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目次

Googleアナリティクスはユーザー行動を可視化できる高性能な分析ツール

はじめにGoogleアナリティクス初心者の方のために、基本的なことから説明していきます。Googleアナリティクスはドメインごとに割り当てられた「タグ」をHTMLのヘッダーに記述することで、アクセスしてきたユーザーの情報を蓄積し、情報を整理した上でダッシュボードやレポートを表示してくれるツールです。

アクセス解析によって得られるユーザー情報は、パソコンやスマホのOSやデバイス情報、検索エンジン、広告やSNSなどアクセスした流入経路、サイト内でクリックした順番や滞在時間などのユーザー行動、そして問い合わせや商品の購入などユーザーのアクション(コンバージョン)などがあります。

本来であればユーザーのアクセス情報は単なるデータの羅列のため、初心者の方では情報の整理さえも難しいデータですが、Googleのアナリティクスであれば、適切に整理された状態で可視化することが実現し、データの見方を覚えることでマーケティングが効率化できるようになるのです。

  1. Googleアナリティクスでできること一覧とそれぞれの活用場面
  2. GoogleアナリティクスはGA4へ完全移行し計測方式が大きく変わった

それぞれ順に解説いたします。

Googleアナリティクスでできること一覧とそれぞれの活用場面

次にGoogleアナリティクスがアクセス解析によって得たデータを、具体的にどのように活用しやすくしてくれるのか、主要な機能や活用シーンについて見ていきましょう。

ユーザー数やページビュー数を確認してアクセス状況を数値で把握できる

Googleアナリティクスで初心者の方でも一番わかりやすい機能は、ユーザー数やページビュー数を時系列的に数字やグラフで確認できる機能です。ホームページに訪問したアクセス状況が可視化され、ホームページ内のコンテンツ制作における効果、GoogleやSNS広告、メルマガやSNSによる情報発信でリーチしている状況をまとめて把握できます。

Googleアナリティクスを設定した時点から、時系列的にデータが蓄積されていくため、基本的には右肩上がりであり、一定の期間で区切って前期との比較でアクセスの伸び率を把握しやすくなっているのも特徴です。

ユーザー数やページビュー数は「現時点での今までの結果」を把握し、アクセスアップに向けて行動すべきかどうかを検討するときに活用しやすい情報と言えるでしょう。

流入元(検索・SNS・広告)を分析して集客チャネルの効果を見極められる

検索エンジン、そしてSNSや広告など、ユーザーがホームページに訪問した際の流入元の情報は、集客における認知拡大のための集客チャネルの効果や、施策の効果測定を見極めたいときに活用できるデータです。ユーザー数やページビューの伸び率を見て、認知拡大、主なペルソナやターゲットへのリーチに関するマーケティング施策をしたい場合に役立ちます。

また、Google広告やSNS広告など、課金した広告効果をチェックし、コストパフォーマンスを把握したいときにも活用できるデータであるため、費用対効果が見合っているか確認したいときにも役立つでしょう。同時に、自社で認知拡大や興味関心のために行っている集客効果と広告効果を比較し、どちらに時間や費用のコストを注力すべきか判断する材料としても活用できます。

ページ遷移や離脱ポイントを可視化して導線やコンテンツの改善に活かせる

ユーザーがホームページに訪れて行動した履歴、例えばページ遷移や離脱ポイントの可視化は、離脱を防ぎ回遊率を高めるためにサイト内での導線を見直してみたり、コンテンツに没頭してもらうための質の向上を考えたりするときに活用できる情報です。

ユーザーが特定の経路から任意のコンテンツに訪問し、別のコンテンツにアクセスしないで離脱する場合、コンテンツを見終わった後に興味を引くリンクが設置されている可能性があります。読み終わった後の視野にレコメンドで関連性の高いコンテンツを表示したり、サイドバーやポップアップでおすすめコンテンツを提案したりすることで、離脱率を軽減するのに役立てられるでしょう。

また、Googleアナリティクスでは、URLごとにページビュー数が表示され、アクセスが多いページや滞留時間が長いページを上位からとして表示する機能もあるため、比較検討しながらコンテンツの質の向上を模索することにも役立ちます。

リアルタイムレポートで訪問状況を即時に確認して施策の効果を把握できる

Googleアナリティクスのリアルタイムレポートは、現時点で訪れているユーザー数と、見ているページが可視化される機能であり、コンテンツを公開したタイミング、SNSなどの情報発信による集客効果の確認に活用できます。

その他にもテレビCM、新聞や雑誌広告、またはチラシや実店舗でのイベントの開始時期に合わせて、リアルタイムなアクセスの増減を確認できるため、反響に応じてその先の計画を柔軟に変更したい場合にも役立つでしょう。

同時に、普段からこまめにチェックする癖をつけておくことで、マーケティングへのモチベーションが上がるのも利点です。また、リアルタイムのアクセスがないことがすぐに把握できるため、ホームページやサーバーに何らかの不具合が発生していることに気づけるようになります。

イベントやコンバージョン設定でお問い合わせや購入などの成果を測定できる

Googleアナリティクスでは、特定のボタンのクリック、動画の再生、商品の購入など、ユーザーがアクションできる項目をイベントとして個別に集計し、リードの獲得や売上に影響するようなアクションを「コンバージョン」として可視化できます。

コンバージョンはホームページの集客や広告効果、収益源としてのパフォーマンスの把握に活用しやすく、ビジネスでホームページを運営する上でのマーケティング施策のKPIやKGIとして把握するべき数字です。例えば、問い合わせや資料請求、メルマガ登録などのリード獲得をコンバージョンとした場合、イベントの数字が増えるほどに、将来的な顧客の母数が増えることになります。

その他にもマイクロコンバージョンなども追跡可能であり、ホームページのデザイン設計、画像や文章による提案、興味関心の育成など、注力した施策のどの部分が効果的だったかを細かく測定と比較がしやすく、改善すべき箇所の可視化にも役立つでしょう。

GoogleアナリティクスはGA4へ完全移行し計測方式が大きく変わった

Googleアナリティクスは、一昔前のUA(ユニバーサルアナリティクス)から、現在のGA4(Googleアナリティクス4プロパティ)への移行が完了しました。計測方式が大きく変わり、以前のUAを見たことあるものの、いつのまにかGA4に変更されており、戸惑っている方もいらっしゃるかもしれません。直感的なユーザーインターフェースとしては大幅な変更はないものの、具体的にどのような違いがあるのか見ておきましょう。

ユニバーサルアナリティクス(UA)はすでに終了

Googleアナリティクスの以前のバージョンであるUAは、2023年の7月1日をもって完全にサービスの提供が終了しました。そのため、「UA-」で始まる形式の旧タグによるユーザー情報の収集は行われなくなっており、GA4では「G-」から始まる新しいタグをホームページに設定して移行する必要があります。

直近1年以内にホームページを構築したばかりの方であれば、新しいタグに切り替わった状態で登録するか、これから登録できる状態ですが、1年半から2年以上前に登録し、設定した記憶はあるものの、その後に変更した覚えがない場合は確認して再設定しておきましょう。

もし、Googleアナリティクスに登録したものの、GA4に移行しているかわからない場合は、パソコンのブラウザなど自分のホームページのソースを表示して確認してみましょう。「UA-」と「G-」の両方で検索し、JavaScriptのタグで囲まれた「G-」で始まるタグがあればGA4に移行しており、「UA-」であれば移行していないことが判別する目安になりますので確認し、UAのままであればGA4への移行を進めてみてください。

GA4は「イベントベース」でユーザー行動を柔軟に測定可能

GA4の特徴として、ユーザーの行動やアクションを「イベント」という単位でデータの蓄積や計測をしていくイベントベースに移行したことが挙げられます。イベントは自動収集、推奨、カスタムなどの種類があり、ホームページや事業活動の方向性を合わせて使い分けることが可能です。

UAのようにページビューやセッション、ユーザーといった数字の可視化だけでなく、スクロール、クリック、ダウンロード、動画の視聴などもイベントとしてデータの蓄積と整理、そして見やすい形式で表示されるようになり、ユーザーエンゲージメントがさらに把握しやすくなっています。

そのため、現状に応じて認知拡大やリーチに注力すべきか、それでもチャネルを増やすべきか、ホームページのデザインや興味関心に注力すべきかなど、具体的な施策の立案と改善を効率的に行えるようになるでしょう。

機械学習による予測データやクロスデバイス計測にも対応

Googleアナリティクスは、機械学習による予測データの提供に対応しており、パソコン・スマートフォン・タブレットなど、クロスデバイス計測する機能も搭載されていることから、データの蓄積と効果測定に加えて、予測による企画立案に役立てることもできます。

ユーザーの過去の行動データパターンとクロスデバイス計測によって「購入予測」や「離脱予測」などのデータが提供される仕組みになっており、より精度の高い予測データに基づいた、効果的なマーケティング施策の実施を実現できるようになるでしょう。

ただし、ホームページを開設したばかりの場合、必ずしも精度の高いデータが提供されるとは限らないため、まずはGA4の設定を行い、データの蓄積区間を増やしていくことから始めるべきです。また、オンラインマーケティングを始める段階では、過去のデータがないためにアクセス解析による効果測定と改善が難しい可能性もあるため、コンテンツマーケティングやSNSによる情報発信を欠かさず、Googleアナリティクスをチェックしながら、アクセス解析や集客のやり方を模索していくと良いでしょう。

Googleアナリティクスの初期設定と導入方法を解説

次にホームページを活用するためにGoogleアナリティクスの初期設定をしたい、もしくは新しいGA4に登録したい方のために、Googleアナリティクスの導入方法について解説します。

  1. Googleアカウントでプロパティを作成し測定IDを取得する
  2. Webサイトに管理画面で取得したタグを設置して計測をスタート
  3. WordPressならプラグインやタグマネージャーでスムーズに導入可能

それぞれ順に解説いたします。

Googleアカウントでプロパティを作成し測定IDを取得する

Googleアナリティクスを導入するために、まずはGoogleアカウントを準備しましょう。個人のホームページの場合は個人アカウントでも問題ありませんが、企業や組織の公式ページの場合は、取得した独自ドメインと紐付いたGoogle Workspaceアカウントで登録した方が無難です。もしくは、企業や組織の責任者の方にGoogleアナリティクスに登録してもらい、管理者権限のユーザーの方にプロパティを作成してもらってから招待してもらうことも検討してみてください。

GoogleアカウントからGoogleアナリティクスにログインできるようになったら、「[GA4]アナリティクスで新しいウェブサイトまたはアプリのセットアップを行う」を参考に、プロパティを作成して測定IDの取得と設定を行います。プロパティを作成する過程で「データストリーム」の追加を行い、メインのウェブサイトのURLなどを入力していきましょう。データストリームの設定が完了すると、「G-XXXXXXXXXX」という専用の測定IDが発行され、設置用のGoogleタグ(gtag.js:JavaScriptコードスニペット)が出力されますので、ホームページに設置するためにメモしておいてください。

Webサイトに管理画面で取得したタグを設置して計測をスタート

Googleアナリティクスに登録し、計測タグが発行できたら、次はご自身のホームページや自社サイトに発行された計測タグを設置する段階です。計測タグはJavaScriptコードスニペットをそのまま、ホームページのHTMLソースのheadタグ内に記述する必要があります。

計測タグは発行だけでなく、設置することでデータの蓄積が始まることを忘れないようにしましょう。具体的な編集方法については、ホームページの構造ごとに編集する方法が様々ですので、ホームページの仕組みに合わせて、管理画面からの編集やFTPによるアップロードなどを行うようにしてください。

もし、Googleアナリティクスの計測タグは発行できたものの、HTMLの編集がわからない場合は、管理者に聞くか、専門家に相談することも検討してみましょう。特に初心者の方でよくわからないまま設置しようとしてしまうと、適切な位置に設置できなかったり、必要な文字列を削除してしまったりする可能性もあるので注意してください。

WordPressならプラグインやタグマネージャーでスムーズに導入可能

WordPressとは世界的に広く普及しているコンテンツマネジメントシステム(CMS)であり、HTMLやCSS、PHPやJavaScriptなどの知識がほとんどない初心者の方でも、ホームページの運営ができるオープンソースソフトウェア(OSS)です。

WordPressには機能を拡張できるプラグインという仕組みやGoogleタグマネージャーによって、Googleの計測タグを簡単に設置できます。まずはWordPressにログインし、Googleアナリティクスに関するプラグインがないかチェックしてみましょう。もし、該当するプラグインがなければインストールすることも検討してみてください。

WordPressのプラグインインストール画面

WordPressの管理画面の左側にあるサイドバーの項目の「プラグイン」をクリックし、次に「プラグインの追加」をクリック、そして検索欄に「Googleアナリティクス」と入力して検索すると、以上のように対応するプラグインが表示されます。

どのプラグインが良いか悩んだ場合は、総合的なSEO対策ができるプラグインの「All In One SEO」や「Jetpack」がおすすめです。導入を決めたプラグインに表示されている「今すぐインストール」をクリックし、有効化して設定を進めることで、簡単にGoogleアナリティクスの設定ができます。

Googleタグマネージャーに登録しており、「GTM-」で始まる測定IDを設定したい場合、同じくGoogleが提供している「Site Kit by Google」のプラグインの導入がおすすめです。「Site Kit by Google」はGoogleアナリティクスの「G-」で始まる測定IDにも対応しています。

また、WordPressは初心者の方でも扱いやすいCMSですが、企業や組織の公式サイトとして構築されている場合、安易に編集や設定変更をすると、思わぬトラブルになる可能性があるため、よくわからない場合は管理者や技術者の方に任せることが大切です。

ABLENETレンタルサーバーならWordPressがすぐ使える環境で設定も簡単

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まだホームページをお持ちでいない初心者の方で「WordPressの設置とGoogleアナリティクスの設定をスムーズに行いたい」という場合、「ABLENETレンタルサーバー」の利用をおすすめします。サーバーの管理画面にある「WordPressマネージャー」の機能によって、初心者の方でもWordPressを簡単に設置できます。

WordPressの設置が済んだら、Googleアナリティクスに関連するプラグインを比較検討し、インストールして有効化した上で、Googleアナリティクスの計測タグを設定すれば、ホームページのアクセス解析が開始されます。

ABLENETレンタルサーバーであれば、高性能なサーバーによって応答速度や表示速度が早く、安定性も高いことから、ホームページの評価に影響するSEOについても、ポジティブな評価を得ることが期待できるでしょう。

もし、「今のレンタルサーバーはWordPressが重い」「ホームページがすぐに表示されない」とお悩みであれば、サーバーの移行にも対応しておりますので、是非ともお気軽にご相談ください。

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Googleアナリティクスの使い方を初心者にもわかりやすく紹介

次に、Googleアナリティクスについての基本をある程度理解し、ホームページに計測タグを設置した方のために、管理画面や基本的なレポート画面の見方など、Googleアナリティクスの使い方についてわかりやすく解説します。

  1. 基本の使い方①|ホーム画面で全体傾向をざっくりつかむ
  2. 基本の使い方②|リアルタイムレポートで今の動きを瞬時に把握
  3. 基本の使い方③|集客レポートで「どこから来たのか」を分析する
  4. 基本の使い方④|エンゲージメントレポートで滞在時間や直帰率を見る
  5. 基本の使い方⑤|ページ別の閲覧状況を分析して人気コンテンツを把握
  6. 応用的な使い方①|イベント計測でフォーム送信・スクロールなどを分析
  7. 応用的な使い方②|コンバージョン(キーイベント)設定で成果を数字で測定する

それぞれ順に解説いたします。

基本の使い方①|ホーム画面で全体傾向をざっくりつかむ

Googleアナリティクスにログインすると、ホームページ全体の主要な情報が集約されたホーム画面が表示されます。アクティブユーザーやセッション、新規ユーザー数や表示回数など、「カード」と呼ばれる単位で表示される仕組みです。表示される項目はカスタマイズ設定できるので、必要な項目をチェックして設定しておきましょう。

設定した内容に応じて、表示回数やページタイトルの項目、セッションに関する主な指標、国別のアクティブユーザーの分布、などの統計情報なども表示されます。また、過去30分間のリアルタイムのアクティブユーザー数なども表示することが可能であり、軽くチェックしたいときはホーム画面を見るだけで、アクセスに関する重要なデータを把握できるのでおすすめです。

アクセスアップやマーケティング施策など、設定した任意のカードは、それぞれ詳細な情報が見られるリンクが設置されることもあるため、ざっと確認した後、時間があるときは詳しい情報をチェックする癖をつけておくと良いでしょう。

基本の使い方②|リアルタイムレポートで今の動きを瞬時に把握

リアルタイムレポートは、今現在のリアルタイムにホームページへアクセスしているユーザーの動きを把握できる項目です。表示方法はGoogleアナリティクスのホーム画面の左側にあるサイドバーを表示し「レポート」をクリックすると、「レポートのスナップショット」の画面に遷移します。

「リアルタイムの概要」ではアクティブユーザーに関する統計の詳細情報が表示され、「リアルタイムページ」ではアクティブユーザーが、まさに今見ているページの確認が可能です。ホームページ上でコンテンツを公開し、SNSにURLを載せて情報発信した際など、どのぐらいの反響があるかすぐに確認したいときに役立ちます。

ただし、Googleアナリティクスの予測に関するデータと同様に、ホームページ開設直後やサイトに関する評価が定まっていない状態、もしくはSNSのフォロワーなどが少ない場合はあまり反応がないこともあるので、最初の段階ではオンラインでの集客やマーケティング活動をしていても手応えを感じられないことがあるので、落ち込まず、中長期的にじっくりと取り組んでいきましょう。

基本の使い方③|集客レポートで「どこから来たのか」を分析する

集客のレポートは、集客の項目をクリックし、表示された「概要」をさらにクリックすると「集客サマリー」が表示されます。集客のレポートでは、ホームページを訪問したユーザーが、どのような経路をたどってきたかの一部を確認することが可能です。オーガニック検索やリファラル、広告のクリック、SNS経由などのチャネルごとのデータとともに、ユーザー数やセッション数、エンゲージメント率なども表示されるようになっており、ホームページによる集客の結果を把握しやすくなっています。

そのため、オンライン集客やマーケティングの施策をしているのに、売上につながらない場合は、集客のレポートをチェックし、どの施策に動きがあるのか、もしくは全く反応がない施策は何が原因かを分析していきましょう。課題や問題については、発見できることが重要であるため、施策が失敗したと考えるのではなく、改善する要素が見つかったと前向きに捉えて、効果測定と改善を繰り返すことが大切です。

その他にも「ユーザー獲得」「トラフィック獲得」「ユーザー獲得コホート」などの項目をクリックし、事業活動やマーケティング施策に必要な情報が表示されていないかチェックしておきましょう。

基本の使い方④|エンゲージメントレポートで滞在時間や直帰率を見る

エンゲージメントレポートは、エンゲージメントをクリックし、表示された概要をさらにクリックすると表示されます。平均エンゲージメント時間、表示回数、イベント数、ページタイトルごとの表示回数、アクティビティやロイヤリティの推移、直帰率などの情報が把握できるページです。

エンゲージメントはホームページを訪れたユーザーの行動が把握できるイベントや指標であるため、どのコンテンツが注目されているのか、滞在時間が長くなるコンテンツはどのような傾向にあるのかなどが把握しやすくなるでしょう。その他にもイベントがすぐにチェックできるようになっているため、ユーザーの行動とコンバージョンにつながるアクションの推移なども可視化されやすいページです。

直帰率が高く、コンテンツからすぐに離れている場合は品質の向上、コンテンツを見ているもののコンバージョンにつながらない場合は、リンクの配置やボタンなど導線とデザインの見直しを行うなど、エンゲージメントアップにつながる施策を講じていくと良いでしょう。

基本の使い方⑤|ページ別の閲覧状況を分析して人気コンテンツを把握

ホームページのサイトとしての評価を向上させるためにも、ページ(コンテンツ)別の閲覧状況を分析し、人気コンテンツの把握と傾向を理解し、コンテンツごとの品質向上とともに、サイト全体の価値を底上げすることが求められます。

SEOについては様々な手法がありますが、基本となるのは「ユーザーにとって有益であること」「品質が高く、必要な情報が網羅されていること」そして何よりも「SEOの評価をアップさせるためではなく、ユーザーのために情報発信すること」を重視していきましょう。

エンゲージメントの「ページとスクリーン」をクリックすると、サイト内で人気のあるページの「表示回数」「ユーザー数」「平均エンゲージメント時間」「イベント数」「コンバージョン数」などの情報が一覧で見やすく表示されます。

人気のあるページを把握して分析を行い、次の新規記事作成するタイミングで改善していくこと、上位に表示されるページが古い場合は、ブラッシュアップを行い、情報の鮮度を保つようにすることが大切です。

応用的な使い方①|イベント計測でフォーム送信・スクロールなどを分析

Googleアナリティクスでは、ユーザーの行動やアクションが「イベント」としてデフォルトでいくつか設定されていますが、さらに任意のボタンのクリックやフォーム送信の回数なども、「カスタムイベント」としてデータの蓄積が可能です。

エンゲージメントの項目のイベントをクリックすると、デフォルトで設定されているイベントと任意に設定できるカスタムイベントの情報が集約され確認しやすくなっています。コンバージョンに関係するボタンやフォームに対するアクションを、積極的にカスタムイベントに設定して可視化と把握を行いましょう。

イベントの重要性を意識し、ホームページ経由でのリード獲得や収益化に関する主軸となるデータであることを踏まえておいてください。アクセスが増えてもイベントの数字が増えない場合、イベントごとに原因の調査を行い改善することが大切です。

応用的な使い方②|コンバージョン(キーイベント)設定で成果を数字で測定する

新しいGoogleアナリティクスでは、コンバージョンのことを「キーイベント」として取り扱っています。キーイベントとして設定した項目は、従来のコンバージョンと同じように、データの蓄積と表示ができるため、イベントの中でも重要なものに設定しておくと良いでしょう。

キーイベントの設定方法は、Googleアナリティクスの左側のサイドバーの左下にある「管理」をクリックし、表示された項目の「イベント」をさらにクリックしてください。既存のイベントが一覧表示されたら、「キーイベントとしてマークをつける」を設定すれば設定は完了です。キーイベントをイベントに戻したいときも同じ画面ですので覚えておいてください。

新規にイベントを作成する場合は「イベントを作成」をクリックし、手順に沿って任意のイベントを登録しましょう。イベントの作成が終わったら、既存のイベントをキーイベントするのと同じ手順で、マークをすれば完了です。イベントでユーザーの細かな行動やアクションを把握しつつ、キーイベントでリードの獲得や売上に直結する情報の把握と改善を続けていくことで、さらにホームページの運営を効率的に行えるようになるでしょう。

Googleアナリティクスを最大限活用するためのポイントと注意点

次に、Googleアナリティクスは高機能だけれども、データを見ているだけで活用しきれていないとお悩みの方のために、アクセス解析した結果を最大限活用するための具体的なポイントと注意点について解説します。

  1. データは現状把握だけでなく改善アクションに活かそう
  2. 毎日のチェックで変化に気づきやすくなる運用習慣を作る
  3. 見るべき指標はユーザー数よりもエンゲージメントとCV(キーイベント)に関わる数値
  4. サイト全体の平均値ではなく個々のページレベルで数値を比較する
  5. コンバージョン(キーイベント)設定やイベント計測を活用して目標達成状況を可視化

それぞれ順に解説いたします。

データは現状把握だけでなく改善アクションに活かそう

Googleアナリティクスが自動で提供してくれるデータは、リアルタイムに収集されていき、必要な項目が瞬時に表示されるため、見るだけで効果測定や分析をした気持ちになってしまうことがあります。しかし、見ているだけでは分析ではなく、単純な現状把握になってしまうため、オンライン集客やマーケティングの施策がどのような結果を生んだのか、関連するデータを紐付けながら分析することを心掛けるべきです。

例えば、新規記事作成と公開を3日に1本のペース、そして1ヶ月で10本というサイクルでコンテンツマーケティングを行っているとして、記事の増加分に対してどれほどアクセスが増えているのかを分析するとします。もし、3ヶ月ほど続けて30本もの新しい記事の公開をしているのに、ほとんど伸びていなければコンテンツの質が低い可能性が高いと判断できます。

もしくは、キーワード選定の時点で読者が検索するテーマやジャンルを選びきれていない、またはキーワードに対するターゲットやペルソナがずれていることも考えられるでしょう。

漫然と新しい記事を公開し続けるだけでなく、自社の商品やサービスのターゲットやペルソナに合わせたキーワードを選び、質の高いコンテンツを作ることが重要だと判断することもできます。

単なるアクセスだけでもこのような分析ができるため、コンバージョンであるキーイベントやユーザーの行動を示すイベントを分析し、効果測定と改善アクションを繰り返すというサイクルを回し続けることが大切です。

毎日のチェックで変化に気づきやすくなる運用習慣を作る

Googleアナリティクスで表示される数字を、単に見ているだけではなく分析して行動アクションを起こすべきと理解できたら、次は毎日チェックする運用習慣を作ることを前向きに検討してみてください。細かな数字の変化に気づきやすくなるのが理由であり、急激なアクセスの増減によって、柔軟に対処できるようにするのが目的です。

例えば、アクセスが伸びたページが商品紹介ページであり、経路を追いかけてみるとSNSからの流入、今までとは異なるペルソナやターゲットに注目されていることなどにも気づきやすくなります。注目の度合いによっては商品の生産や発注を増やしたり、予約制にしたりと対応していくことで、さらなる売上アップや新規顧客獲得とリピーター獲得も期待できるようになるでしょう。

同様に今までアクセスが良かったページの表示回数が減った場合、間違った操作でパーマリンクを変更してしまった、もしくはサイト内の構造にエラーが起きたといったことが気づけるようになるため、すぐに修正することで取りこぼしを防げるようになるのです。

以上はあくまでも一例ですが、様々なデータを多角的に把握していくことで、眺めているだけでなく、リアルタイムに柔軟な対応ができることを覚えておきましょう。

見るべき指標はユーザー数よりもエンゲージメントとCV(キーイベント)に関わる数値

Googleアナリティクスを見ていると、潜在的な顧客層からの新しいアクセスである新規ユーザー、もしくは再訪問してくれたユーザー数の増減が気になりがちです。しかし、見るべき指標はセッションやページビュー、ユーザー数などの増減の数字ではなく、エンゲージメントであるKPI(重要業績評価指標)となるイベントやCV(キーイベント)の数字であることをまずは理解しましょう。

前述したように、どんなにアクセス数が伸びたとしても、新規顧客獲得や売上アップにつながるコンバージョン率が伸びなければ、ビジネスや事業活動にポジティブな影響はありません。せっかく何らかのキーワードで検索して認知してくれたのに、そのタイミングで興味関心が少しでもある潜在的な顧客を逃してしまうことになるのです。

逆に、アクセスの伸びは少なくても、コンバージョン率が高ければ、自社の商品やサービスに対するターゲットやペルソナへの認知拡大と興味関心が成功していることとなり、効率的に売上を伸ばし、安定的な売上確保が期待できるリピーターやファンの獲得ができるようになります。

単にアクセスが伸びている状態は、実店舗でお店の前を通り過ぎている人と同じであり、もっと興味関心を持ってもらい、初めて認知してもらったタイミングで顧客として、お客様として迎え入れられるように工夫する必要があると考えるようにしましょう。

サイト全体の平均値ではなく個々のページレベルで数値を比較する

ホームページの管理者や運営者として、Googleアナリティクスをチェックしていると、サイト全体のアクセスや様々な指標の平均値を伸ばすべきだと考えることがあります。もちろん、サイトやドメイン自体の評価を上げるためには大切な考え方ですが、1つのコンテンツのアクセスのみが伸びていて、その他のコンテンツのアクセスが伸びなくても平均値が上がることを忘れてはなりません。

むしろ、平均値よりも個々のページへのアクセスを増やすこと、公開したらそのまま放置するのではなく、効果測定と改善を繰り返しながら、コンテンツの質を上げることで、サイトやドメインに対する評価をあげていくという考え方を持ちましょう。

特に特定のコンテンツへのアクセスに依存し、そのページにおいてそれなりのコンバージョン率が高いとしても、その他のページのコンテンツとしての質が低い場合、将来的にはサイトやドメインへの評価も下がってしまうことが考えられます。

同じく、アクセスとコンバージョン率だけでなく、その他のエンゲージメントが高いコンテンツ、もしくはランディングページの効果検証と比較を行うなど、結果を出すページと出せていないページの、それぞれの良い部分と悪い部分も改善する要素としてナレッジを積み上げていくことが大切です。

コンバージョン(キーイベント)設定やイベント計測を活用して目標達成状況を可視化

Googleアナリティクスで蓄積できるユーザーのデータは、事業活動における指標として役立てることも非常に大切です。コンバージョン(キーイベント)の設定を絞り込み、KGI(重要目標達成指標)の一つとして目標設定にすること、キーイベントの増加に向けた中間目標となるイベントをKPI(重要業績評価指標)に設定するなど、目標に対する具体的な設定を行い、オンライン集客やマーケティング施策を効率的に行っていきましょう。

なぜ、コンバージョン率を上げるべきかといえば、その理由はどのような商品やサービスにおいても、ライバルとなるオンラインショップや実店舗、もしくは企業などが存在するためです。例えば、ネットショッピングで自分好みの商品を探している潜在的な顧客層が1人いたとします。もし、自社の商品の情報が認知され、興味関心を抱いてもらい、購買意欲を促進することができれば顧客になる可能性は高いです。

しかし、認知拡大、興味関心の育成、購買意欲の向上、購入への後押しのいずれかの段階で離脱されてしまった場合、競合のネットショップで購入にいたり、永久的に潜在的な顧客の一人を逃し続けること、機会損失と利益損失の両方を招くことになります。

アクセスアップも重要ですが、それ以上にコンバージョン率を上げることが重要です。その理由の一つは、数打てば当たるという漫然とした目標ではなく、明確にターゲットやペルソナに情報を届けて、自社の提供する商品を購入してもらおうという目標を持つことが重要だと覚えておきましょう。

Googleアナリティクスに関するよくある質問に回答

最後にGoogleアナリティクスで初心者の方がよく悩む項目についてまとめて、よくある質問とその回答について解説します。

Q
Googleアナリティクスのログイン方法がわからないときはどうすればいい?
A

Googleアナリティクスは、Googleのアカウントを利用して登録するため、ブラウザでGoogleにログインした状態でGoogleアナリティクスの公式サイト「analytics.google.com」にアクセスすれば、スムーズに登録やログインができます。

よくわからないときは、Googleの公式ヘルプページ「Google アナリティクス アカウントにアクセスする」を確認してみてください。

初心者の方の場合は「Googleを利用しているがアカウントを持っていない」「Googleのアカウントを持っているがログインしていない」「GoogleアカウントにログインしているがGoogleアナリティクスの登録やログインがわからない」のいずれかです。まずはGoogleアカウントがあるかを確認し、アカウントがなければ登録してログイン、そしてGoogleアナリティクスの公式ページにアクセスしましょう。

その他、Googleアカウントを持っているが、パスワードを忘れた、もしくはわからない場合は、「Google アカウントのパスワードを変更または再設定するにはどうすればよいですか?」を参考に、パスワードの変更や再設定を行うことで、新しいパスワードを登録し、ログインできるようになるので試してみてください。

Q
Googleアナリティクスを使うのに資格や特別なスキルは必要ですか?
A

Googleアナリティクスの利用は、Googleアカウントが必須のみで、資格や特別なスキルは必要ありません。Googleアナリティクスの設定手順通りにドメインを登録し、発行された測定IDを含む設置用のGoogleタグ(gtag.js:JavaScriptコードスニペット)をホームページ側に設定すればデータの蓄積とアクセス解析の機能が無料で利用できます。

Googleアナリティクスにログインし、データが表示されている状態であれば、デフォルトのままでも、初心者でもアクセス解析に必要なデータを閲覧し、分析に役立てることは可能です。イベントやキーイベントの設定、カードやデータ表示のカスタマイズなどもわかりやすくなっているため、難しい部分は調べながら使い続けることで、Googleアナリティクスの使い方を覚えることができます。

ただし、企業や組織の担当者として、より高度で詳細な分析をしたい場合は、Googleの提供する「スキルショップ」というオンライン学習プラットフォームに登録し、無料でトレーニングできる範囲でも学習素材として活用して学ぶと良いでしょう。

Q
計測タグを正しく設置できているかを確認するにはどうすればいい?
A

Googleアナリティクスから発行された専用のIDを記述したタグが正しく設置されているかどうか確認するには、Googleアナリティクスにログインし、ホーム画面にデータが表示されるかで判断できます。コンテンツの作成やSNSによる情報発信をしているのに、何のアクセスもない場合はいくつかの原因を疑ってみましょう。

  • Googleアナリティクスから発行されたタグを利用しているか
  • 古いUAのタグを設定していないか
  • HTMLのhead内に記述されているか
  • ID自体が間違っていないか
  • JavaScriptスニペットごと記述しているか
  • 別のサイトのタグを設定していないか

以上は一例ですが、いずれかが該当していないかチェックしてみてください。まずはブラウザでホームページを開き、右クリックで「ページのソースを表示」を行い、JavaScriptスニーペットの記述位置とIDが正確かを確認しましょう。確認できても設置する方法がわからない場合は、責任者や管理者、技術者の方に任せた方が無難です。

個人のホームページの場合は正しく計測できない期間があってもある程度は問題になりませんが、企業や組織のホームページの場合はデータの蓄積ができないのはかなりの問題です。オンライン集客やマーケティング活動の効果測定ができず、無駄な労力と時間を費やしてしまう可能性があるので、早めに専門家に相談して解決してもらうことをおすすめします。

Q
複数のドメインでアナリティクスを使うにはどうしたらいい?
A

複数のドメインでGoogleアナリティクスを利用する場合、そのドメインが「異なる独自ドメイン」なのか、あるいはルートドメインは同じであり、URLの先頭部分が異なる「サブドメイン」なのかによって、設定方法が異なるため、それぞれのケースについて見ていきましょう。

企業や組織で取得した複数の独自ドメイン、例えば公式ホームページ、オンラインショップ、イベントやキャンペーンのページ、ブログ専用のサイトなどのドメインが、それぞれが異なる独自ドメインである場合など、様々なドメインをまたがるユーザーの行動を総合的にデータの収集と蓄積を行い、分析したいのであれば、Googleアナリティクスの「クロスドメイン計測」の設定で実現できます。

適切にクロスドメイン計測の設定をしないと、それぞれのドメインでデータが蓄積されるのみになってしまうため、ユーザーの行動を追跡できないということに注意しておきましょう。特に公式サイトからオンラインショップ、SNSからブログ、ブログからオンラインショップなど、それぞれが独自ドメインなのに設定をしない場合は、オンライン集客やマーケティング施策の正確な効果測定ができず、改善しにくくなるということも覚えておいてください。

詳しくはGoogle公式のヘルプページ「複数のドメインをまたぐアクティビティを測定する」の項目を確認し、必要な項目の設定やタグの配置を行うことをおすすめします。

また、基本的にはサブドメインのデータの収集と蓄積、計測については親ドメインと同一のCookieを利用する仕組みになっているため、特別な設定は必要ありません。そのため、サブドメインを独自ドメインと勘違いしないように注意してください。

ただし、これは複数のドメインやサブドメインを一つのプロパティで統合的に分析する場合の話であり、運用方針によっては、サブドメインごとにプロパティを作成して、それぞれ個別に分析できることも知っておきましょう。