ホームページのSEO対策とは?自分でもできるのか解説

ホームページのSEO対策とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでユーザーがインターネット検索した際、少しでも上位に自サイトが表示されるような対策を講じることです。
上位に表示されるとはつまり、真っ先にユーザーの目に留まるということ。自社サイトや商品の存在が認知される、絶好のチャンスです。
また上位表示されるほど、問い合わせの獲得や商品・サービスの購入などの成功可能性が高まります。インターネット上のサービスを通じてユーザーとの接点を開拓するのが当たり前になりつつある昨今では、SEO対策は必須の施策です。
SEOという言葉自体は、広く普及しています。しかしSEO対策を講じるとなると、「具体的に何をすればよいかわからない」、ということは珍しくありません。
そこで本記事では、これからホームページ制作される方や、初めてSEOを担当される方に向けて、SEO対策の基礎をわかりやすく解説します。すでにSEO対策を担当されている方にも役立つ情報ですので、ぜひ最後までお付き合いください。

目次
ホームページのSEO対策とは何かを初心者にもわかりやすく解説
SEO対策は、Webサイトの効果を最大化するために欠かせません。まず、SEO対策とは何かについて、次の3つの観点から理解を深めましょう。
- クローラー・インデックスなど検索エンジンの仕組みを理解する
- SEOとリスティング広告の違いは何かを解説
- 検索エンジンに評価される条件で一番大切なのは価値あるコンテンツか
なおここでは、SEO対策で重要な用語の説明も交えながら進めます。SEOに特有な言葉には丁寧に解説を添えていますので、安心して読み進めてください。
クローラー・インデックスなど検索エンジンの仕組みを理解する
SEO対策について考える前に、SEOの仕組みについて理解しましょう。ここで登場する用語が、次の3つです。
- 検索エンジン :GoogleやYahoo!など、インターネット検索するためのシステム
- クローラー :Webサイトの情報を収集するロボット
- インデックス :クローラーが集めた情報を、検索エンジンに表示できるように登録すること
インターネット上には、約15億のWebサイトがあると言われています( 2025年時点 )。GoogleやYahoo!などの検索エンジンに、欲しい情報のキーワードを入力して検索すると、関連性が高く有益な情報が豊富に掲載されたWebサイトが表示されます。この仕組みを支えるのが、クローラーがインデックスする仕組みです。
クローラーは、情報収集ロボットです。インターネット上を巡回して、Webサイトの情報を集めます。そして、集めた情報を登録する作業がインデックスです。クローラーに発見され、情報がインデックスされると、検索エンジンでユーザーがキーワード検索した際に、表示されます。
例えば、こんな経験はありませんか。ホームページを作成して公開したにも関わらず、検索結果に表示されない。これはまだ、クローラーにインデックスされていない状態であるために起きる現象です。
SEOとリスティング広告の違いは何かを解説
Webでの販売促進を考える場合に、SEOと並んでよく目にするのが、リスティング広告という言葉です。まずは、それぞれの言葉の定義を、確認しましょう。
- SEO(=検索エンジン最適化):検索エンジンの検索結果で上位に表示されるよう、Webサイトを整えること
- リスティング広告(=検索連動型広告):検索エンジンでユーザーがキーワードを検索するとそれに連動して検索結果に表示される、テキスト形式の広告
SEO対策 | リスティング広告 | |
---|---|---|
即効性 | 中長期での対策が必要 | 即効性がある |
継続性 | 一度上位表示されると継続性がある | 出稿停止とともに効果が止まる |
コスト | 初期費用と運用コストのみで低コスト | クリックされるたびにコストが発生 |
信頼性 | 継続的な運用で信頼や権威性の獲得とブランディングに寄与 | 広告に対するネガティブなイメージある |
SEOは、検索結果の上位に表示されるように、Webサイトに施す施策を意味します。無料で利用できるツールが豊富なため、コストを抑えながら運用できるのが強みです。その半面で、成果につながるまでに時間を要する弱点があります。
一方のリスティング広告は、その名称の通り広告です。仮に、公開したばかりのWebサイトでSEOでは上位表示されなくても、ユーザーが検索エンジンに入力したキーワードにヒットすれば、連動して表示されます。
広告であるため、SEO対策よりもコストがかかります。しかし即効性があるのは、リスティング広告の強みです。
それぞれ単独で運用するだけでなく併用することで、互いの弱点を補いながら、相乗効果を発揮します。
検索エンジンに評価される条件で一番大切なのは価値あるコンテンツか
SEO対策に成功し上位表示されるWebサイトに育てるために、いくつもの施策があります。その中で最も重要なポイントは、ユーザーにとって価値が高いコンテンツ(Webサイトの内容)を作成し、発信し続けることです。
実際、最大規模の検索エンジンであるGoogleは、SEOに対する指針を次のように表明しています。
「検索結果での存在感を高めるには、魅力的で役立つコンテンツを作成することが、このガイドで説明している他のどの方法よりも有効であると考えられます。」
なおGoogleの考える、魅力的で役立つコンテンツに共通する要素は、次の通りです。
- 読みやすくわかりやすい文章
- 誤字脱字や文法的な誤りがない
- 独自性のあるコンテンツ
- コンテンツの情報鮮度が高い
- コンテンツがユーザーにとって有用で信頼性が高い
- 専門知識や豊富な経験を持つ情報発信者が書いている
もちろん良質なコンテンツだけでは、SEO対策としては不十分です。しかし、Googleが考える、ユーザーにとって有益なコンテンツなしに、SEO対策に成功するのは困難でしょう。
SEO対策の技術的な面にすぐに取り組むのは難しいとしても、良質なコンテンツを積み上げるなら、すぐに取り組めます。ユーザーに有益で、検索エンジンに評価されるコンテンツ作りを念頭に、ホームページ制作を進めましょう。
初心者でも自分でSEO対策はできる?小さな改善の積み重ね
「SEO対策って、なんだか難しそう…」そんな不安を持つ方も多いかもしれません。ですがご安心ください。SEOの初期対策の多くは、専門知識なしでも始められます。
たとえば、以下のような作業は初心者でも着手可能です。
- 「誰に見てもらいたいのか?」を明確にしてキーワードを選ぶ(ターゲット設計)
- ページタイトルや見出しにキーワードを自然に入れる(title要素の工夫)
- ユーザーが知りたい内容を、わかりやすい言葉で丁寧に書く(コンテンツ作成)
- 自社のサービスや特長を、きちんと説明したページを用意する(信頼性の担保)
実際、SEOは「小さな改善の積み重ね」で成果が出る世界です。だからこそ、完璧を目指すよりも、まずやってみることが何よりも重要です。
ホームページのSEO対策がなぜ必要なのか?重要な3つのポイントを紹介
SEO対策は、成果につながるまでに時間を要する施策です。先にご紹介したリスティング広告のように、即効性のある広告出稿のような方法で十分ではないか、と思われるかもしれません。
しかしSEO対策には、資産運用に例えるなら長期投資にも似たメリットがあります。これこそが、時間という資産を投じても、SEO対策が欠かせない理由です。
次の3つの観点で、詳しく解説します。
- 広告よりも費用対効果が高くコストカットにつながる
- 検索結果で上位になれば集客が上がる!検索順位は集客に直結
- ユーザーにとって信頼の高い情報になると長期的な資産となる
広告よりも費用対効果が高くコストカットにつながる
SEO対策のメリットとして筆頭に挙げられるのが、広告に比べて費用対効果が高く低コストで運用できる点です。
それぞれにかかる費用の相場を、比較してみましょう。
SEO対策の費用相場
自社で運用 | 外注 | |
---|---|---|
初期費用 | 0円~ | 0円~50万円程度 |
運用費用(月額) | 0円~ | 5万~50万円程度 |
リスティング広告の費用相場
自社で運用 | 外注 | |
---|---|---|
初期費用 | 0円~ | 0円~10万円程度 |
運用費用(月額) | 広告費(1日数百円程度~)+クリック単価(50~2,000円/1クリック) | 広告費(1日数百円程度~)+クリック単価(50~2,000円/1クリック)+運用手数料(広告費の15~20%程度) |
上記表からわかるように、SEO対策は、自社内で実施するなどの工夫を凝らすことで、労働力の投資のみで実現できます。SEO対策は、中・長期的な視点で運用するのが定石です。コストを抑えながら運用できるのは、大きなメリットです。
リスティング広告の場合、広告費は任意に決定できるので、予算や目的に合わせた調整が可能です。しかし広告がクリックされる、つまり広告が閲覧されるたびに、クリック単価と呼ばれる費用が発生します。
広告を閲覧したユーザーが必ず、問い合わせやサービス・商品の購入といったアクションを起こすとは限りません。その場合、クリック単価の分だけコストが増大し、期待した効果を得られない可能性があるのは、リスティング広告の弱点です。
検索結果で上位になれば集客が上がる!検索順位は集客に直結
検索結果での上位表示は、集客に直結します。
例えば、新たにリリースされるサービスや、認知度が低い中小企業にとって、SEO対策に成功し上位表示されることは、知名度不足や集客困難といった課題の解決において、大いに効果的です。
検索順位が集客に直結する。これを裏付ける、SEOの専門機関の調査結果を2つ見ておきましょう。
アメリカのSEO調査機関BACKLINKOの調べによれば、検索結果1位の平均クリック率は27.6%でした。検索結果で1つ順位が上がると、クリック率は2.8%増加するものの、8位から10位まではほぼ同じクリック率であったと報告されています。
なおクリック率(CTR)とは、検索結果や広告が表示された回数に対して、実際にクリック(閲覧)された回数の割合を示す指標です。
1位で表示されると、10位の約10倍もサイトが閲覧・認知されることがわかります。
また欧州の大手SEO分析機関SISTRIXが実施した、80万キーワードを対象にしたクリック率の調査では、検索順位1位のクリック率は、28.5%と高い数値でした。以降2位は15.7%、3位では11%と低下し、10位では2.5%に減少することが明らかになっています。
どれだけ労力を投じてホームページを作成しても、ユーザーに認知されなければ、存在しないも同然です。逆にSEO対策によって上位表示に成功すれば、集客に大きな効果を発揮します。
ユーザーにとって信頼の高い情報になると長期的な資産となる
検索上位に表示されると、長期的な集客効果が期待できます。
マーケティング企業DIGITALSILKは、Googleの検索結果の上位10ページのうち、約60%は3年以上前に作成されたものであり、過去12か月以内に作成されたのはわずか22%程度であると発表しました。
一度上位表示されれば、継続的にユーザーの目に触れるベストポジションを維持し続けられる可能性が高いことがわかります。
そして上位表示され続けるために必須の条件の一つとして Google が示すように、質の高い情報を発信することです。
先にご説明したように、SEO対策は低コストで実施できる上 、大きく長期的な利益をもたらします。瞬発力が弱い施策だからと着手しないのは、あまりにももったいない。
時間的な投資が必要な施策だからこそ、早速今日から、SEO対策を始めましょう。
ホームページのSEO対策の5選を紹介!基礎知識をつけて実践しよう
ホームページのSEO対策は、何から着手したらよいでしょうか。
一般的に、Googleのランキングに影響を与える要素は200種以上と言われています。しかしそのすべてを講じなければ、上位表示できないわけではありません。
ここでは、初めてのSEO対策でまずは押さえたい、5つのポイントを紹介します。SEOの基礎を盤石にして、ホームページを資産化する第一歩を踏み出しましょう。
- ユーザーの知りたい・買いたいなどのキーワードリサーチ
- レスポンシブ対応やtitle・discriptoinなどサイト構造の最適化を測ろう
- コンテンツを制作し長期的な改善をしていく
- 関連記事同士を適切に内部リンクさせる施策をしよう
- 良質なコンテンツを作成して外部リンクを得よう
それぞれ順に解説します。
ユーザーの知りたい・買いたいなどのキーワードリサーチ
SEO対策の基本は、ユーザーのニーズを満たすことにあります。そしてユーザーが知りたい情報の手がかりであり接点となるのが、検索キーワードです。どのようなキーワードを軸にコンテンツを作成するかが、SEOの成否を左右するファーストステップと言っても、過言ではありません。
SEOキーワードは、次の手順で設定します。
- ターゲットユーザーの明確化
- メインキーワードの洗い出し
- 関連キーワードを広げる
- 検索ボリュームと競合性を調査
- ユーザーの検索意図を分析
SEO対策は、ターゲットユーザーの明確化からスタートします。「誰に、どんな情報を届けるか」「誰の、どんなニーズに答えるか」を設定する作業です。
次に、メインキーワードの洗い出します。自社の商品やサービスに関連する、基本的なキーワードをリストアップしましょう。例えば、ホームページ制作会社の場合は、ホームページ制作をメインキーワードに設定します。
そしてメインキーワードを軸に、2~3語の、関連するキーワードまで広げます。先のホームページ制作をメインキーワードに設定した場合であれば、「ホームページ制作・自分で」「ホームページ制作・無料」といったように、複数選定してください。
なお関連キーワードを広げる時は、ラッコキーワードというツールを使うと便利です。ラッコキーワードは、登録不要で使えるSEOツールです。SEO対策に必要な機能が盛りだくさんに搭載されています。
検索キーワードがある程度出そろったら、検索ボリュームと競合性を調査します。これは、設定したキーワードがどのくらい検索されているか、競合の状況はどうかを調査する過程です。
この時も、ツールを活用しましょう。無料で利用できて初心者も使いやすいのは、次の2つです。
- Googleキーワードプランナー :ピックアップしたキーワードがどのくらいユーザーに検索されているか、調べられる
- KeywordTool :サジェストキーワード(ユーザーが実際によく検索している語句や関連性の高い語句)を調査できる
また検索エンジンの検索窓で、サジェストキーワードを調査できます。やり方は簡単。検索窓にキーワードを入力すると、表示されます。
そして最後に、ユーザーの検索意図を分析します。自社のターゲットユーザーのニーズを考え、最もニーズに応えられるキーワードを絞り込みましょう。
レスポンシブ対応やtitle・discriptoinなどサイト構造の最適化を測ろう
レスポンシブ対応とは、スマートフォンのような画面が小さいデバイスでも、読みやすいサイズや形式で表示されるように設定することです。
Webサイトの多くは、パソコンで表示されることを想定して作成されています。スマートフォンのように画面が小さく、縦横比も異なるデバイスで表示すると、レイアウトが崩れたり文字が小さすぎて読みにくくなったりするので、ユーザー離れの原因になる可能性が指摘されてきました。
総務省「令和6年版情報通信白書」によると、2023年時点で、72.9%の人がスマートフォンからWebサイトを閲覧していることがわかっています。これは、パソコンからの閲覧の47.4%を、大きく上回る数字です。
今やレスポンシブ対応は、必須のSEO対策と言えます。
また同時に、titleやdiscriptoinなど、サイト構造の最適化も重要です。titleやdiscriptoinといったHTMLタグは、検索エンジンのクローラーに、サイトの情報を正しく伝えるために欠かせません。自社での設定が難しい場合は、専門家に依頼することも検討しましょう。
コンテンツを制作し長期的な改善をしていく
コンテンツ作成では、ユーザーニーズの仮説を立て、そのニーズに応えると考えられるコンテンツを発信します。しかし仮説が必ずしも的確であり、現実のユーザーのニーズに合致するとは限りません。
だからこそ、どのキーワードがどのくらい検索されているか、またされていないかなど、データを分析しながら、現実のユーザーのニーズにコンテンツを近づける作業が必要です。
E-E-A-T(執筆者情報・出典の明示・信頼性)が重要な評価基準
E-E-A-Tとは、Googleがコンテンツの品質を評価する4つの基準の総称です。エクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)から構成されます。
中でもGoogleが重視すると明言しているのが、信頼性です。情報が正確であることや、運営者の情報が明示されていることなど、ユーザーが安心して利用できるように意識して、コンテンツを作成しましょう。
関連記事同士を適切に内部リンクさせる施策をしよう
内部リンクとは、同じホームページ内の別のページやコンテンツを、リンクさせる手法です。
例えば、ホームページ制作の流れを解説するコンテンツ内で、ドメインについて言及するとしましょう。ドメインの取得方法について、別の記事で詳しく解説しているなら、両ページを内部リンクさせることで、ユーザーはスムーズに必要な情報を収集できます。
内部リンクはユーザーの満足度を高めるほかに、検索エンジンがサイト構造を理解しやすくなる効果、つまりSEO対策の効果を発揮します。サイトの評価の向上につながるため、上位表示されやすくなるのは、大きなメリットです。
良質なコンテンツを作成して外部リンクを得よう
外部リンクは、他のWebサイトと自分のサイト間でリンクさせることです。外部リンクには、2つの種類があります。
- 外部発リンク:自サイトから他のサイトにリンクさせる
- 外部被リンク:自サイトにリンクしてもらう
例えば、数字データを掲載する際に、国の機関が発表したデータを参照したとしましょう。この時、データが掲載されたサイトに外部リンクを張っていれば、信頼性が高い情報であることを裏付けられます。
また他のサイトが自サイトに外部リンクしている場合、自サイトの情報が有益であることを第三者が認めていることの証、と言えるでしょう。
外部リンクはSEO対策で重要な、信頼性の向上に大きく寄与します。ただし、闇雲にリンクされていればよい、ということではありません。Googleが定めるガイドラインに反したと判断された場合、ペナルティを課される可能性があるので、ご注意ください。

ABLENET
運営者情報
ABLENET®は株式会社ケイアンドケイコーポレーションが提供するホスティングサービスです。レンタルサーバー(共用サーバー)、VPS(仮想サーバー)、GPUサーバーを提供しています。
ホームページのSEO対策とは?自分でもできるのか解説

ホームページのSEO対策とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでユーザーがインターネット検索した際、少しでも上位に自サイトが表示されるような対策を講じることです。
上位に表示されるとはつまり、真っ先にユーザーの目に留まるということ。自社サイトや商品の存在が認知される、絶好のチャンスです。
また上位表示されるほど、問い合わせの獲得や商品・サービスの購入などの成功可能性が高まります。インターネット上のサービスを通じてユーザーとの接点を開拓するのが当たり前になりつつある昨今では、SEO対策は必須の施策です。
SEOという言葉自体は、広く普及しています。しかしSEO対策を講じるとなると、「具体的に何をすればよいかわからない」、ということは珍しくありません。
そこで本記事では、これからホームページ制作される方や、初めてSEOを担当される方に向けて、SEO対策の基礎をわかりやすく解説します。すでにSEO対策を担当されている方にも役立つ情報ですので、ぜひ最後までお付き合いください。

目次
ホームページのSEO対策とは何かを初心者にもわかりやすく解説
SEO対策は、Webサイトの効果を最大化するために欠かせません。まず、SEO対策とは何かについて、次の3つの観点から理解を深めましょう。
- クローラー・インデックスなど検索エンジンの仕組みを理解する
- SEOとリスティング広告の違いは何かを解説
- 検索エンジンに評価される条件で一番大切なのは価値あるコンテンツか
なおここでは、SEO対策で重要な用語の説明も交えながら進めます。SEOに特有な言葉には丁寧に解説を添えていますので、安心して読み進めてください。
クローラー・インデックスなど検索エンジンの仕組みを理解する
SEO対策について考える前に、SEOの仕組みについて理解しましょう。ここで登場する用語が、次の3つです。
- 検索エンジン :GoogleやYahoo!など、インターネット検索するためのシステム
- クローラー :Webサイトの情報を収集するロボット
- インデックス :クローラーが集めた情報を、検索エンジンに表示できるように登録すること
インターネット上には、約15億のWebサイトがあると言われています( 2025年時点 )。GoogleやYahoo!などの検索エンジンに、欲しい情報のキーワードを入力して検索すると、関連性が高く有益な情報が豊富に掲載されたWebサイトが表示されます。この仕組みを支えるのが、クローラーがインデックスする仕組みです。
クローラーは、情報収集ロボットです。インターネット上を巡回して、Webサイトの情報を集めます。そして、集めた情報を登録する作業がインデックスです。クローラーに発見され、情報がインデックスされると、検索エンジンでユーザーがキーワード検索した際に、表示されます。
例えば、こんな経験はありませんか。ホームページを作成して公開したにも関わらず、検索結果に表示されない。これはまだ、クローラーにインデックスされていない状態であるために起きる現象です。
SEOとリスティング広告の違いは何かを解説
Webでの販売促進を考える場合に、SEOと並んでよく目にするのが、リスティング広告という言葉です。まずは、それぞれの言葉の定義を、確認しましょう。
- SEO(=検索エンジン最適化):検索エンジンの検索結果で上位に表示されるよう、Webサイトを整えること
- リスティング広告(=検索連動型広告):検索エンジンでユーザーがキーワードを検索するとそれに連動して検索結果に表示される、テキスト形式の広告
SEO対策 | リスティング広告 | |
---|---|---|
即効性 | 中長期での対策が必要 | 即効性がある |
継続性 | 一度上位表示されると継続性がある | 出稿停止とともに効果が止まる |
コスト | 初期費用と運用コストのみで低コスト | クリックされるたびにコストが発生 |
信頼性 | 継続的な運用で信頼や権威性の獲得とブランディングに寄与 | 広告に対するネガティブなイメージある |
SEOは、検索結果の上位に表示されるように、Webサイトに施す施策を意味します。無料で利用できるツールが豊富なため、コストを抑えながら運用できるのが強みです。その半面で、成果につながるまでに時間を要する弱点があります。
一方のリスティング広告は、その名称の通り広告です。仮に、公開したばかりのWebサイトでSEOでは上位表示されなくても、ユーザーが検索エンジンに入力したキーワードにヒットすれば、連動して表示されます。
広告であるため、SEO対策よりもコストがかかります。しかし即効性があるのは、リスティング広告の強みです。
それぞれ単独で運用するだけでなく併用することで、互いの弱点を補いながら、相乗効果を発揮します。
検索エンジンに評価される条件で一番大切なのは価値あるコンテンツか
SEO対策に成功し上位表示されるWebサイトに育てるために、いくつもの施策があります。その中で最も重要なポイントは、ユーザーにとって価値が高いコンテンツ(Webサイトの内容)を作成し、発信し続けることです。
実際、最大規模の検索エンジンであるGoogleは、SEOに対する指針を次のように表明しています。
「検索結果での存在感を高めるには、魅力的で役立つコンテンツを作成することが、このガイドで説明している他のどの方法よりも有効であると考えられます。」
なおGoogleの考える、魅力的で役立つコンテンツに共通する要素は、次の通りです。
- 読みやすくわかりやすい文章
- 誤字脱字や文法的な誤りがない
- 独自性のあるコンテンツ
- コンテンツの情報鮮度が高い
- コンテンツがユーザーにとって有用で信頼性が高い
- 専門知識や豊富な経験を持つ情報発信者が書いている
もちろん良質なコンテンツだけでは、SEO対策としては不十分です。しかし、Googleが考える、ユーザーにとって有益なコンテンツなしに、SEO対策に成功するのは困難でしょう。
SEO対策の技術的な面にすぐに取り組むのは難しいとしても、良質なコンテンツを積み上げるなら、すぐに取り組めます。ユーザーに有益で、検索エンジンに評価されるコンテンツ作りを念頭に、ホームページ制作を進めましょう。
初心者でも自分でSEO対策はできる?小さな改善の積み重ね
「SEO対策って、なんだか難しそう…」そんな不安を持つ方も多いかもしれません。ですがご安心ください。SEOの初期対策の多くは、専門知識なしでも始められます。
たとえば、以下のような作業は初心者でも着手可能です。
- 「誰に見てもらいたいのか?」を明確にしてキーワードを選ぶ(ターゲット設計)
- ページタイトルや見出しにキーワードを自然に入れる(title要素の工夫)
- ユーザーが知りたい内容を、わかりやすい言葉で丁寧に書く(コンテンツ作成)
- 自社のサービスや特長を、きちんと説明したページを用意する(信頼性の担保)
実際、SEOは「小さな改善の積み重ね」で成果が出る世界です。だからこそ、完璧を目指すよりも、まずやってみることが何よりも重要です。
ホームページのSEO対策がなぜ必要なのか?重要な3つのポイントを紹介
SEO対策は、成果につながるまでに時間を要する施策です。先にご紹介したリスティング広告のように、即効性のある広告出稿のような方法で十分ではないか、と思われるかもしれません。
しかしSEO対策には、資産運用に例えるなら長期投資にも似たメリットがあります。これこそが、時間という資産を投じても、SEO対策が欠かせない理由です。
次の3つの観点で、詳しく解説します。
- 広告よりも費用対効果が高くコストカットにつながる
- 検索結果で上位になれば集客が上がる!検索順位は集客に直結
- ユーザーにとって信頼の高い情報になると長期的な資産となる
広告よりも費用対効果が高くコストカットにつながる
SEO対策のメリットとして筆頭に挙げられるのが、広告に比べて費用対効果が高く低コストで運用できる点です。
それぞれにかかる費用の相場を、比較してみましょう。
SEO対策の費用相場
自社で運用 | 外注 | |
---|---|---|
初期費用 | 0円~ | 0円~50万円程度 |
運用費用(月額) | 0円~ | 5万~50万円程度 |
リスティング広告の費用相場
自社で運用 | 外注 | |
---|---|---|
初期費用 | 0円~ | 0円~10万円程度 |
運用費用(月額) | 広告費(1日数百円程度~)+クリック単価(50~2,000円/1クリック) | 広告費(1日数百円程度~)+クリック単価(50~2,000円/1クリック)+運用手数料(広告費の15~20%程度) |
上記表からわかるように、SEO対策は、自社内で実施するなどの工夫を凝らすことで、労働力の投資のみで実現できます。SEO対策は、中・長期的な視点で運用するのが定石です。コストを抑えながら運用できるのは、大きなメリットです。
リスティング広告の場合、広告費は任意に決定できるので、予算や目的に合わせた調整が可能です。しかし広告がクリックされる、つまり広告が閲覧されるたびに、クリック単価と呼ばれる費用が発生します。
広告を閲覧したユーザーが必ず、問い合わせやサービス・商品の購入といったアクションを起こすとは限りません。その場合、クリック単価の分だけコストが増大し、期待した効果を得られない可能性があるのは、リスティング広告の弱点です。
検索結果で上位になれば集客が上がる!検索順位は集客に直結
検索結果での上位表示は、集客に直結します。
例えば、新たにリリースされるサービスや、認知度が低い中小企業にとって、SEO対策に成功し上位表示されることは、知名度不足や集客困難といった課題の解決において、大いに効果的です。
検索順位が集客に直結する。これを裏付ける、SEOの専門機関の調査結果を2つ見ておきましょう。
アメリカのSEO調査機関BACKLINKOの調べによれば、検索結果1位の平均クリック率は27.6%でした。検索結果で1つ順位が上がると、クリック率は2.8%増加するものの、8位から10位まではほぼ同じクリック率であったと報告されています。
なおクリック率(CTR)とは、検索結果や広告が表示された回数に対して、実際にクリック(閲覧)された回数の割合を示す指標です。
1位で表示されると、10位の約10倍もサイトが閲覧・認知されることがわかります。
また欧州の大手SEO分析機関SISTRIXが実施した、80万キーワードを対象にしたクリック率の調査では、検索順位1位のクリック率は、28.5%と高い数値でした。以降2位は15.7%、3位では11%と低下し、10位では2.5%に減少することが明らかになっています。
どれだけ労力を投じてホームページを作成しても、ユーザーに認知されなければ、存在しないも同然です。逆にSEO対策によって上位表示に成功すれば、集客に大きな効果を発揮します。
ユーザーにとって信頼の高い情報になると長期的な資産となる
検索上位に表示されると、長期的な集客効果が期待できます。
マーケティング企業DIGITALSILKは、Googleの検索結果の上位10ページのうち、約60%は3年以上前に作成されたものであり、過去12か月以内に作成されたのはわずか22%程度であると発表しました。
一度上位表示されれば、継続的にユーザーの目に触れるベストポジションを維持し続けられる可能性が高いことがわかります。
そして上位表示され続けるために必須の条件の一つとして Google が示すように、質の高い情報を発信することです。
先にご説明したように、SEO対策は低コストで実施できる上 、大きく長期的な利益をもたらします。瞬発力が弱い施策だからと着手しないのは、あまりにももったいない。
時間的な投資が必要な施策だからこそ、早速今日から、SEO対策を始めましょう。
ホームページのSEO対策の5選を紹介!基礎知識をつけて実践しよう
ホームページのSEO対策は、何から着手したらよいでしょうか。
一般的に、Googleのランキングに影響を与える要素は200種以上と言われています。しかしそのすべてを講じなければ、上位表示できないわけではありません。
ここでは、初めてのSEO対策でまずは押さえたい、5つのポイントを紹介します。SEOの基礎を盤石にして、ホームページを資産化する第一歩を踏み出しましょう。
- ユーザーの知りたい・買いたいなどのキーワードリサーチ
- レスポンシブ対応やtitle・discriptoinなどサイト構造の最適化を測ろう
- コンテンツを制作し長期的な改善をしていく
- 関連記事同士を適切に内部リンクさせる施策をしよう
- 良質なコンテンツを作成して外部リンクを得よう
それぞれ順に解説します。
ユーザーの知りたい・買いたいなどのキーワードリサーチ
SEO対策の基本は、ユーザーのニーズを満たすことにあります。そしてユーザーが知りたい情報の手がかりであり接点となるのが、検索キーワードです。どのようなキーワードを軸にコンテンツを作成するかが、SEOの成否を左右するファーストステップと言っても、過言ではありません。
SEOキーワードは、次の手順で設定します。
- ターゲットユーザーの明確化
- メインキーワードの洗い出し
- 関連キーワードを広げる
- 検索ボリュームと競合性を調査
- ユーザーの検索意図を分析
SEO対策は、ターゲットユーザーの明確化からスタートします。「誰に、どんな情報を届けるか」「誰の、どんなニーズに答えるか」を設定する作業です。
次に、メインキーワードの洗い出します。自社の商品やサービスに関連する、基本的なキーワードをリストアップしましょう。例えば、ホームページ制作会社の場合は、ホームページ制作をメインキーワードに設定します。
そしてメインキーワードを軸に、2~3語の、関連するキーワードまで広げます。先のホームページ制作をメインキーワードに設定した場合であれば、「ホームページ制作・自分で」「ホームページ制作・無料」といったように、複数選定してください。
なお関連キーワードを広げる時は、ラッコキーワードというツールを使うと便利です。ラッコキーワードは、登録不要で使えるSEOツールです。SEO対策に必要な機能が盛りだくさんに搭載されています。
検索キーワードがある程度出そろったら、検索ボリュームと競合性を調査します。これは、設定したキーワードがどのくらい検索されているか、競合の状況はどうかを調査する過程です。
この時も、ツールを活用しましょう。無料で利用できて初心者も使いやすいのは、次の2つです。
- Googleキーワードプランナー :ピックアップしたキーワードがどのくらいユーザーに検索されているか、調べられる
- KeywordTool :サジェストキーワード(ユーザーが実際によく検索している語句や関連性の高い語句)を調査できる
また検索エンジンの検索窓で、サジェストキーワードを調査できます。やり方は簡単。検索窓にキーワードを入力すると、表示されます。
そして最後に、ユーザーの検索意図を分析します。自社のターゲットユーザーのニーズを考え、最もニーズに応えられるキーワードを絞り込みましょう。
レスポンシブ対応やtitle・discriptoinなどサイト構造の最適化を測ろう
レスポンシブ対応とは、スマートフォンのような画面が小さいデバイスでも、読みやすいサイズや形式で表示されるように設定することです。
Webサイトの多くは、パソコンで表示されることを想定して作成されています。スマートフォンのように画面が小さく、縦横比も異なるデバイスで表示すると、レイアウトが崩れたり文字が小さすぎて読みにくくなったりするので、ユーザー離れの原因になる可能性が指摘されてきました。
総務省「令和6年版情報通信白書」によると、2023年時点で、72.9%の人がスマートフォンからWebサイトを閲覧していることがわかっています。これは、パソコンからの閲覧の47.4%を、大きく上回る数字です。
今やレスポンシブ対応は、必須のSEO対策と言えます。
また同時に、titleやdiscriptoinなど、サイト構造の最適化も重要です。titleやdiscriptoinといったHTMLタグは、検索エンジンのクローラーに、サイトの情報を正しく伝えるために欠かせません。自社での設定が難しい場合は、専門家に依頼することも検討しましょう。
コンテンツを制作し長期的な改善をしていく
コンテンツ作成では、ユーザーニーズの仮説を立て、そのニーズに応えると考えられるコンテンツを発信します。しかし仮説が必ずしも的確であり、現実のユーザーのニーズに合致するとは限りません。
だからこそ、どのキーワードがどのくらい検索されているか、またされていないかなど、データを分析しながら、現実のユーザーのニーズにコンテンツを近づける作業が必要です。
E-E-A-T(執筆者情報・出典の明示・信頼性)が重要な評価基準
E-E-A-Tとは、Googleがコンテンツの品質を評価する4つの基準の総称です。エクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)から構成されます。
中でもGoogleが重視すると明言しているのが、信頼性です。情報が正確であることや、運営者の情報が明示されていることなど、ユーザーが安心して利用できるように意識して、コンテンツを作成しましょう。
関連記事同士を適切に内部リンクさせる施策をしよう
内部リンクとは、同じホームページ内の別のページやコンテンツを、リンクさせる手法です。
例えば、ホームページ制作の流れを解説するコンテンツ内で、ドメインについて言及するとしましょう。ドメインの取得方法について、別の記事で詳しく解説しているなら、両ページを内部リンクさせることで、ユーザーはスムーズに必要な情報を収集できます。
内部リンクはユーザーの満足度を高めるほかに、検索エンジンがサイト構造を理解しやすくなる効果、つまりSEO対策の効果を発揮します。サイトの評価の向上につながるため、上位表示されやすくなるのは、大きなメリットです。
良質なコンテンツを作成して外部リンクを得よう
外部リンクは、他のWebサイトと自分のサイト間でリンクさせることです。外部リンクには、2つの種類があります。
- 外部発リンク:自サイトから他のサイトにリンクさせる
- 外部被リンク:自サイトにリンクしてもらう
例えば、数字データを掲載する際に、国の機関が発表したデータを参照したとしましょう。この時、データが掲載されたサイトに外部リンクを張っていれば、信頼性が高い情報であることを裏付けられます。
また他のサイトが自サイトに外部リンクしている場合、自サイトの情報が有益であることを第三者が認めていることの証、と言えるでしょう。
外部リンクはSEO対策で重要な、信頼性の向上に大きく寄与します。ただし、闇雲にリンクされていればよい、ということではありません。Googleが定めるガイドラインに反したと判断された場合、ペナルティを課される可能性があるので、ご注意ください。