ホームページの表示速度を改善する方法をわかりやすく解説

ホームページの表示速度を改善する方法をわかりやすく解説

Webサイトの表示速度は、ユーザー体験だけでなくビジネスの成果にも直結する重要な要素です。多くのサイト運営者は「なぜか遅い」「どう改善すればいいのかわからない」と頭を抱えています。

このガイドでは、表示速度がもたらすメリットから具体的な改善方法まで、初心者でも実践できる内容を紹介します。

ABLENETレンタルサーバー

ホームページの表示速度を改善する3つのメリット

表示速度の改善は一見地味な作業に思えますが、サイト運営において大きなメリットをもたらします。単なる「早くなった」という体感だけでなく、ビジネス成果に直結する変化が期待できます。

ホームページの表示速度を改善する3つのメリット
  • アクセスアップにつながる
  • ユーザーが離れにくくなり満足度や滞在時間がアップする
  • 商品購入やお問い合わせなどの成果につながりやすくなる

検索順位が上がってアクセスアップにつながる

Googleは2010年から公式にサイトの表示速度を検索ランキングの要素として採用。2021年には「Core Web Vitals」という指標を導入し、ユーザー体験を重視した評価をさらに強化しました。

遅いサイトは検索結果で下位に表示されがちです。スマートフォンでの検索が主流となった今、多くのユーザーは上位3〜5件しか見ません。そのため、検索順位が下がると潜在的な訪問者を失います。

表示速度を改善すると、同じコンテンツ品質でも検索順位が上がる可能性が高まります。順位が上がればクリック数も増え、アクセス数が増加。広告収入の増加やコンバージョン率向上につながり、サイト運営の好循環を生み出します。

LCPを改善するとメインコンテンツの評価が高まりやすい

Core Web Vitalsの中で特に重要なのが「LCP(Largest Contentful Paint)」です。ページの主要コンテンツが表示されるまでの時間を計測する指標で、Googleはこの値が2.5秒以下であることを推奨しています。

LCPが長いと、ユーザーがページを開いてから実際に見たいコンテンツが表示されるまでに時間がかかります。たとえば、ブログ記事を読みたいのに本文が表示されるまで5秒もかかるサイトは、ユーザーにストレスを与えます。

ユーザーが離れにくくなり満足度や滞在時間がアップする

2016年のGoogleの調査によると、モバイルページの読み込み時間が3秒以上かかると、ユーザーの40%が離脱します。さらに最新のデータでは、モバイルでは53%もの人が3秒以上かかるサイトを離脱する可能性があります。現代人は忙しく、無数のWebサイトから情報を得られるため、遅いサイトには我慢しません。開くのに時間がかかるサイトは、コンテンツの質が良くても離脱されます。

表示速度が改善されると、ユーザーはストレスなくサイトを閲覧できます。これにより「直帰率」(1ページだけ見て離脱する割合)が下がり、「滞在時間」が伸びる傾向があります。ユーザーが快適に過ごせるサイトでは、複数のページを見てもらえる可能性も高まります。

また、サイトの表示速度はブランドイメージにも影響します。サクサク動くサイトは「しっかり管理されている」「ユーザーのことを考えている」という好印象を与えます。逆に動作の遅いサイトは「古い」「管理が行き届いていない」という印象を与えかねません。

2000年代の調査に基づくAmazonのデータでは、ページの読み込み時間が100ミリ秒(0.1秒)遅くなるごとに売上が1%減少するという結果も報告されています。やや古い情報ではありますが、ユーザー満足度がビジネス成果に直結する点は現在も同様なのです。

商品購入やお問い合わせなどの成果につながりやすくなる

表示速度の改善は、単にサイトを見てもらえるだけでなく、コンバージョン(商品購入やお問い合わせ、会員登録など、サイト運営者が望む行動)にもつながります。

特にECサイトでは、表示速度とコンバージョン率の関係が顕著です。遅いサイトでは、商品ページの表示や決済プロセスの各ステップで待ち時間が発生します。この「待ち時間」の間に、ユーザーは購入をやめる決断をしてしまうこともあります。反対に、サクサク動くサイトでは、ユーザーが迷う時間なく次のステップに進めるため、購入完了まで到達する確率が高まります。

企業サイトやサービスサイトでも同様です。お問い合わせフォームの表示が遅いと、ユーザーは「今度にしよう」と思って離脱します。表示速度の改善は、顧客獲得の機会損失を防ぐ重要な施策です。

ホームページの表示が遅くなってしまう主な原因4つ

サイトの表示速度低下にはさまざまな原因がありますが、主に以下の4つが大きな影響を与えています。これらを理解することで、効果的な改善策を見つけられます。

画像のサイズが大きすぎて読み込みに時間がかかる

ホームページの表示が遅くなる最も一般的な原因の一つが、最適化されていない大きな画像ファイルです。デジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真は、そのままではWebに適していないサイズであることが多いのです。

たとえば、最近のスマートフォンで撮影した写真は、4000×3000ピクセル以上、ファイルサイズで5MB以上になることも珍しくありません。しかし、ブログやWebサイトで実際に表示する画像サイズは1200×900ピクセル程度で十分なことが多く、表示サイズに合わせた最適化が必要です。

また、画像の保存形式も重要です。写真の場合はJPEG形式が一般的ですが、透過効果が必要な場合はPNG形式を使います。JPEGでも品質設定を100%(最高画質)にしていると不必要にファイルサイズが大きくなります。Web用途なら70〜80%程度の品質でも十分に見栄えが良く、ファイルサイズを大幅に削減できます。

一つ一つの画像程度は問題なくても、それが10枚、20枚と増えると、総ダウンロード量が膨大になり読み込みに時間がかかります。

CSSやJavaScriptが多くて整理されていない

Webサイトの見た目や動きを制御するCSSやJavaScriptも、使い方によっては表示速度低下の大きな要因になります。特にWordPressなどのCMSを使用している場合、テーマやプラグインが自動的に多くのCSSやJavaScriptファイルを読み込むため、知らないうちにファイル数が増えていることがあります。

たとえば、あるWordPressサイトを分析したところ、20以上のCSSファイルと15以上のJavaScriptファイルが読み込まれていました。しかも、その多くは実際には使用されていない機能のためのコードでした。こうした「不要なコード」はページの読み込み時間を増やすだけでなく、ブラウザの処理負荷も高めます。

また、JavaScriptの実行タイミングも重要です。特に「レンダリングブロッキング」と呼ばれる、ページの表示を妨げるスクリプトが問題になります。JavaScriptの読み込みと実行中は、他の要素の表示が止まってしまうことがあり、これがユーザーに「このサイトは遅い」という印象を与える原因になります。

さらに、古いテーマやプラグインを使用している場合、最新のWeb技術に対応していないことも多く、非効率なコードが含まれていることがあります。定期的な更新やコードの最適化が必要です。

SNSボタンや広告タグなど外部の読み込みが重い

多くのWebサイトでは、SNSシェアボタンや「いいね!」ボタン、広告表示、アクセス解析ツールなど、外部サービスのコードを埋め込んでいます。これらは便利な機能ですが、表示速度に大きな影響を与えることがあります。

外部サービスのコードを埋め込むと、ユーザーのブラウザは自分のサイトだけでなく、Facebook、Twitter、Google広告などの外部サーバーにも接続する必要があります。これらの外部サーバーの応答が遅いと、サイト全体の表示も遅延します。

特に問題なのは、これらの外部リソースが「同期的に読み込まれる」場合です。たとえば、Facebookのいいねボタンが同期的に読み込まれるよう設定されていると、Facebookのサーバーからの応答があるまでページの他の部分の表示が進まなくなります。Facebookのサーバーが混雑していたり、応答が遅くなったりすると、サイト全体の表示に影響します。

サーバーの反応が遅いと全体の表示にも時間がかかる

Webサイトの表示速度は、使用しているサーバーの性能や設定にも大きく左右されます。特に低価格のレンタルサーバーでは、1台のサーバーに多くのWebサイトが相乗りしている「共有サーバー」が一般的ですが、他のサイトの影響で処理速度が低下することがあります。

サーバーの応答時間(TTFB: Time To First Byte)は、ブラウザがサーバーにリクエストを送ってから最初のデータを受け取るまでの時間を指します。この値が0.5秒を超えると「遅い」と感じ始め、1秒を超えると明らかに遅いサイトだと認識されます。

サーバーの応答が遅い原因としては、以下のようなものが考えられます。

  • サーバースペックが低い(CPU、メモリが不足している)。
  • 同じサーバー上の他のサイトが大量のリソースを使用している。
  • データベースの処理が非効率(特にWordPressなどCMSの場合)。
  • サーバーの地理的な位置が遠い(海外サーバーを使用している場合)。
  • PHPやデータベースの設定が最適化されていない。

これらの問題は、サイト制作者側では改善が難しいことも多く、サーバー事業者の選定が重要になります。

表示速度改善には「速いサーバーの選定」も視野に入れるべき

サイト自体の最適化だけでは解決できない表示速度の問題には、サーバー変更も検討する価値があります。特にアクセス数が増えてきたサイトや、WordPressなどCMSを使用しているサイトでは、サーバー選びが表示速度に大きな影響を与えます。

最近のトレンドとして注目されているのが、「LiteSpeed」と呼ばれる高速Webサーバーです。従来の「Apache」と比較して同時処理能力が格段に高く、特にWordPressサイトとの相性が良いとされています。

また、データベースの応答速度も重要です。高速なSSDストレージを採用したサーバーでは、データベースの読み書きが高速化され、WordPressなどCMSの動作が大幅に改善されます。

サーバー選びの際は、単に価格だけでなく、これらの要素も含めて検討することが大切です。

ホームページの表示速度を改善する6つの方法

表示速度の問題を把握したところで、具体的な改善方法を見ていきましょう。これらの方法を順番に実施していくことで、サイトの表示速度は段階的に向上します。

画像を圧縮してWebPなどの軽い形式に変える

画像の最適化は、表示速度改善の「低hanging fruit(簡単に達成できる成果)」と言われるほど、効果が高く実施も比較的容易です。具体的には以下のような対策が効果的です。

まず、画像のリサイズです。実際に表示するサイズに合わせて画像の解像度を調整しましょう。たとえば、ブログの中で600ピクセル幅で表示される画像なら、元の画像を1200ピクセル幅程度(Retinaディスプレイ対応で2倍)にリサイズするだけで、ファイルサイズが大幅に削減できます。PhotoshopやWebベースの無料ツール「Pixlr」などで簡単に行えます。

次に、画像の圧縮です。JPEGファイルなら、品質設定を下げることでファイルサイズを小さくできます。Webでは品質70〜80%程度でも十分綺麗に見えます。「TinyPNG」「ImageOptim」などのツールを使えば、目に見える品質劣化なく画像を圧縮できます。

さらに進んだ方法として、次世代フォーマットへの変換があります。特に「WebP」形式は、JPEGやPNGと比較して30〜50%小さいファイルサイズでも同等の画質を実現します。現在ではほとんどのブラウザがWebPをサポートしており、対応していない古いブラウザ向けにはJPEG/PNGをフォールバック(代替)として用意しておくと良いでしょう。

WordPressを使用している場合は、「Smush」や「EWWW Image Optimizer」などのプラグインを使うと、アップロードした画像を自動的に最適化してくれます。既存の画像も一括で最適化できるので、すでに多くの画像がある場合にも便利です。

ファイルをgzipやBrotliで圧縮して転送を軽くする

HTMLやCSS、JavaScriptなどのテキストベースのファイルは、圧縮することで転送量を大幅に削減できます。テキストデータは非常に圧縮効率が良く、元のサイズの20〜70%程度まで小さくなることも珍しくありません。

最も一般的な圧縮方式は「gzip」です。ほとんどのモダンブラウザとサーバーがgzip圧縮をサポートしており、サーバーの設定を少し変更するだけで有効にできます。

さらに高度な圧縮方式として「Brotli」があります。Googleが開発したこの圧縮方式は、gzipよりさらに15〜25%程度小さくファイルを圧縮できます。最新のブラウザはほとんどBrotliをサポートしていますが、サーバー側の対応が必要です。

LiteSpeedサーバーを使用している場合、Brotli圧縮が標準で有効になっていることが多く、追加設定なしで高度な圧縮が利用できます。他のサーバーでも、多くの場合モジュールを追加することで対応できます。

WordPressを使用している場合は、「WP Rocket」や「W3 Total Cache」などのキャッシュプラグインで、HTMLやCSS、JavaScriptの圧縮を有効にできます。これらのプラグインは、圧縮だけでなく次に説明するファイルの最小化も同時に行ってくれます。

CSSやJavaScriptを減らして動作をシンプルにする

Webサイトの表示速度を向上させるには、CSSやJavaScriptファイルの最適化も重要です。具体的には、以下のような施策が効果的です。

まず、ファイルの「最小化(Minify)」です。CSSやJavaScriptファイルには、開発者が読みやすくするための空白やコメントが含まれています。これらは機能には影響しませんが、ファイルサイズを増加させます。最小化ツールを使うと、これらの不要な文字を削除し、ファイルサイズを20〜30%程度削減できます。

次に、ファイルの「結合(Concatenation)」です。多くのWebサイトでは、複数のCSSやJavaScriptファイルを読み込んでいます。これらを1つのファイルにまとめることで、HTTPリクエストの数を減らし、読み込み時間を短縮できます。

また、「未使用コードの削除」も効果的です。特にWordPressテーマやプラグインでは、実際には使用していない機能のコードが含まれていることがよくあります。「UnCSS」などのツールを使うと、実際に使用されているCSSのみを抽出できます。

さらに、JavaScriptの読み込みタイミングの最適化も重要です。ページの表示に直接関係ないJavaScriptは、「defer」や「async」属性を使って非同期で読み込むようにします。これにより、JavaScriptの読み込みがページ表示をブロックすることを防げます。

WordPressユーザーには、「Autoptimize」や「Fast Velocity Minify」などのプラグインがおすすめです。これらは、CSSやJavaScriptの最小化、結合、非同期読み込みなどを自動的に行ってくれます。

キャッシュを活用すれば再読み込みがとても速くなる

キャッシュとは、一度読み込んだデータを一時的に保存しておき、次回アクセス時に再利用する仕組みです。これにより、サーバーからのデータ転送量を減らし、表示速度を大幅に向上させられます。

ブラウザキャッシュは、ユーザーのブラウザ側でデータを保存する方法です。画像やCSSファイルなど、頻繁に変更されないファイルに対して「有効期限」を設定することで、ブラウザに「このファイルは〇日間有効です」と伝えられます。有効期限内であれば、ブラウザはサーバーに問い合わせることなく、保存されたファイルを使用します。

サーバーサイドキャッシュは、サーバー側でデータを一時的に保存する方法です。特にWordPressなどのCMSでは、毎回PHPを実行してHTMLを生成するため処理に時間がかかります。キャッシュを使うと、一度生成したHTMLを保存しておき、次回のアクセスでは保存されたHTMLを直接提供できます。

CDN(Content Delivery Network)も効果的なキャッシュの一種です。世界各地にサーバーを配置し、ユーザーに最も近いサーバーからコンテンツを配信することで、地理的な距離による遅延を減らします。

画像や動画を後から読み込む「遅延読み込み」を使う

「遅延読み込み(Lazy Loading)」とは、ページの初期表示時には画面に見えない部分の画像や動画を読み込まず、ユーザーがスクロールして該当コンテンツが画面に近づいたときに読み込む技術です。これにより、初期ページ読み込み時のデータ量を減らし、表示速度を向上させられます。

たとえば、長いブログ記事で10枚の画像を使用している場合、通常なら10枚すべてを最初に読み込みます。しかし、遅延読み込みを適用すると、最初に画面に表示される1〜2枚だけを読み込み、残りはユーザーがスクロールしたときに順次読み込まれます。これにより、初期表示時間が大幅に短縮されます。

現在のモダンブラウザでは、画像の遅延読み込みは標準的な機能として組み込まれています。HTML上で以下のようにloading=”lazy”属性を追加するだけで利用できます

<img src="image.jpg" loading="lazy" alt="画像の説明">

WordPressを使用している場合、バージョン5.5以降では画像の遅延読み込みがデフォルトで有効になっています。それ以前のバージョンや、より高度な遅延読み込み機能を使いたい場合は、「Lazy Load by WP Rocket」や「a3 Lazy Load」などのプラグインが便利です。

動画の遅延読み込みも重要です。特にYouTubeなどの埋め込み動画は、初期読み込み時に多くのリソースを消費します。動画のサムネイル画像だけを表示し、ユーザーがクリックしたときに本体を読み込む「ライトYouTube埋め込み」などの技術を使うと、初期表示速度が向上します。

ABLENETレンタルサーバーは高速LiteSpeed環境

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サーバー選びも表示速度改善の重要な要素です。特にWordPressサイトを運営している場合、サーバーの性能と設定が表示速度に大きく影響します。

ABLENETレンタルサーバーは、高速化に特化したLiteSpeedWebサーバーを全プランで採用しています。LiteSpeedは従来のApacheに比べて処理能力が高く、公式ベンチマークによれば、WordPressサイトでのリクエスト処理数がApacheの約84倍にも達するとされています。

また、ABLENETは最新の通信プロトコルであるHTTP/2とHTTP/3、QUICにも対応しています。これらのプロトコルは、従来のHTTP/1よりも効率的にデータをやり取りでき、特に多くの小さなファイルを含むWebサイトで表示速度の向上が期待できます。

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ホームページの表示スピードを測定するおすすめの方法

表示速度の改善を効果的に行うには、まず現状を正確に測定することが重要です。ここでは、誰でも簡単に使える表示速度測定ツールを紹介します。

Google PageSpeed InsightsならURLを入れるだけでOK

pagespeed-insights

Google PageSpeed Insights(PSI)は、Googleが提供する無料のWebサイト速度分析ツールです。URLを入力するだけで、モバイルとデスクトップ両方の環境での表示速度を測定し、100点満点でスコア化してくれます。

PSIの大きな特徴は、「Core Web Vitals」と呼ばれるGoogle検索で重視される指標を詳しく分析できる点です。特に以下の3つの指標は重要です。

  • LCP(Largest Contentful Paint):主要コンテンツの表示速度。
  • FID(First Input Delay):ユーザーの操作に対する応答速度。
  • CLS(Cumulative Layout Shift):表示中のレイアウトの安定性。

これらの指標が「良好」(緑色)であれば、Googleの検索アルゴリズムでも有利に評価される可能性が高まります。

また、PSIでは「機会」と「診断」のセクションで具体的な改善点を提案してくれます。たとえば「画像の最適化」「未使用CSSの削除」「レンダリングブロックリソースの排除」など、専門知識がなくても理解しやすい形で改善案が表示されます。

Chromeの開発者ツールLighthouseでもくわしく確認できる

Lighthouse

Google Chromeブラウザを使用している方は、ブラウザに内蔵されている「Lighthouse」ツールを使って表示速度を測定することもできます。Lighthouseは、PageSpeed Insightsと同じエンジンを使用していますが、ローカル環境でより詳細な分析が可能です。

Lighthouseを使用するには、ChromeでWebサイトを開き、キーボードのF12キー(MacではOption + Command + I)を押して開発者ツールを表示します。上部タブから「Lighthouse」を選択し、分析したい項目(パフォーマンス、アクセシビリティ、SEOなど)にチェックを入れて「分析」ボタンをクリックするだけです。

Lighthouseの大きな利点は、ネットワーク条件をシミュレートできる点です。「スロットリング」設定で、3G回線などの低速ネットワークでの表示速度をテストできます。これにより、モバイルユーザーの実際の体験に近い形で分析が可能です。

また、Lighthouseでは「タイムライン」ビューで、ページの読み込み過程を時系列で詳しく見られます。どの要素の読み込みに時間がかかっているのか、ボトルネックがどこにあるのかを視覚的に確認できるため、効率的な改善が可能になります。

GTmetrixやWebPageTestを使えば世界中からの速度も見られる

GTmetrix

世界各地からのアクセス速度を測定したい場合や、より詳細な分析が必要な場合は、GTmetrixやWebPageTestなどのサードパーティ製ツールも役立ちます。

GTmetrixは、WebサイトのパフォーマンスをGradeとして評価し、詳細なレポートを提供します。無料版でも十分な機能がありますが、有料版ではより多くのテスト場所や接続速度を選択できます。特に、日本以外からのアクセスが多いサイトでは、世界各地のサーバーからテストを実行できる機能が便利です。

GTmetrixの特徴的な機能として、ウォーターフォールチャートがあります。これは、ページ上の各リソース(HTML、CSS、JavaScript、画像など)の読み込み順序と時間を視覚化したものです。どのファイルの読み込みに時間がかかっているのか、どのリソースが他の読み込みをブロックしているのかを詳細に分析できます。

WebPageTestは、より高度なユーザー向けのツールで、非常に詳細なテスト設定が可能です。ブラウザの種類、接続速度、ロケーション、ビデオキャプチャなど、多様なパラメータを設定してテストできます。特に、「First View」と「Repeat View」の両方をテストできる点が特徴で、キャッシュの効果を確認するのに役立ちます。

これらのツールを併用することで、より包括的なパフォーマンス分析が可能になります。たとえば、PageSpeed Insightsで全体のスコアを確認し、GTmetrixでリソースの詳細を分析し、WebPageTestで世界各地からのアクセス速度を測定するといった使い方ができます。

ホームページの表示速度に関するよくある質問

サイト運営者からよく寄せられる表示速度に関する疑問について、具体的に回答します。

Q
表示速度ってどれくらいなら速いと言えるの?
A

「速い」といえる表示速度の基準は、コンテンツの種類やターゲットユーザーによって異なりますが、一般的にはGoogleが推奨する以下の値を目安にすると良いでしょう。

Core Web Vitalsの主要指標では以下のような基準があります。

  • LCP(Largest Contentful Paint):2.5秒以下が「良好」。
  • FID(First Input Delay):100ミリ秒以下が「良好」。
  • CLS(Cumulative Layout Shift):0.1以下が「良好」。

もう少し実用的な基準としては、以下のような数値が「速い」サイトの目安とされています。

  1. 初期表示時間(First Contentful Paint):1秒以下。
  2. 完全な読み込み完了:3秒以下。
  3. サーバー応答時間(TTFB):0.2秒以下。

ただし、これらはあくまで目安であり、業界やサイトの性質によって適切な速度は変わります。たとえば、ニュースサイトやブログは特に高速表示が重要ですが、豪華な画像を使ったファッションサイトでは、若干遅くても許容される場合があります。

また、競合サイトとの比較も重要です。同じ業界の主要なサイトよりも速ければ、ユーザー体験の面で競争優位に立てる可能性が高まります。

Q
WordPressを使っていても表示速度は改善できるの?
A

はい。WordPressサイトでもさまざまな方法で表示速度を改善できます。むしろ、WordPressには表示速度を改善するための多くのツールやプラグインがあるため、効果的な最適化が可能です。

まず、「適切なホスティング選び」が基本です。WordPressは動的なCMSであり、PHPの実行やデータベースへのアクセスが必要なため、サーバーの性能が表示速度に大きく影響します。LiteSpeedサーバーは、WordPressとの相性が特に良く、専用のキャッシュプラグイン「LiteSpeed Cache」を使うことで、サーバーレベルでの高速化が可能です。

次に、「キャッシュプラグインの活用」が効果的です。キャッシュプラグインは、動的に生成されるWordPressのページを静的HTMLとして保存し、次回のアクセス時に高速に提供します。「WP Rocket」「W3 Total Cache」などの人気プラグインがあります。

「画像の最適化」も重要です。WordPressには「Smush」「EWWW Image Optimizer」「ShortPixel」など、画像を自動的に圧縮・最適化するプラグインが多数あります。これらを使えば、アップロード時に自動的に画像を最適化できます。また、最近のWordPressでは「WebP」形式のサポートも強化されており、次世代フォーマットの活用も容易になっています。

「プラグインの整理」も効果的です。WordPressサイトを長く運用していると、不要になったプラグインが残っていることがよくあります。使っていないプラグインは無効化・削除し、必要最小限のプラグインだけを使用することで、読み込むファイル数を減らせます。

「テーマの選択」も表示速度に大きく影響します。見た目が豪華で多機能な人気テーマは、多くのCSSやJavaScriptを使用するため重くなりがちです。近年は「軽量テーマ」と呼ばれる、表示速度を重視したテーマも増えているので、これらの使用を検討すると良いでしょう。

「データベースの最適化」も忘れてはいけません。長期間運用されたWordPressサイトでは、データベース内に不要なデータが蓄積されます。「WP-Optimize」などのプラグインを使って定期的にデータベースをクリーンアップすることで、処理速度を維持できます。

これらの施策を組み合わせることで、WordPressサイトでも十分に高速な表示速度を実現できます。

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ABLENET

運営者情報

ABLENET®は株式会社ケイアンドケイコーポレーションが提供するホスティングサービスです。レンタルサーバー(共用サーバー)、VPS(仮想サーバー)、GPUサーバーを提供しています。

ホームページの表示速度を改善する方法をわかりやすく解説

ホームページの表示速度を改善する方法をわかりやすく解説

Webサイトの表示速度は、ユーザー体験だけでなくビジネスの成果にも直結する重要な要素です。多くのサイト運営者は「なぜか遅い」「どう改善すればいいのかわからない」と頭を抱えています。

このガイドでは、表示速度がもたらすメリットから具体的な改善方法まで、初心者でも実践できる内容を紹介します。

ABLENETレンタルサーバー

ホームページの表示速度を改善する3つのメリット

表示速度の改善は一見地味な作業に思えますが、サイト運営において大きなメリットをもたらします。単なる「早くなった」という体感だけでなく、ビジネス成果に直結する変化が期待できます。

ホームページの表示速度を改善する3つのメリット
  • アクセスアップにつながる
  • ユーザーが離れにくくなり満足度や滞在時間がアップする
  • 商品購入やお問い合わせなどの成果につながりやすくなる

検索順位が上がってアクセスアップにつながる

Googleは2010年から公式にサイトの表示速度を検索ランキングの要素として採用。2021年には「Core Web Vitals」という指標を導入し、ユーザー体験を重視した評価をさらに強化しました。

遅いサイトは検索結果で下位に表示されがちです。スマートフォンでの検索が主流となった今、多くのユーザーは上位3〜5件しか見ません。そのため、検索順位が下がると潜在的な訪問者を失います。

表示速度を改善すると、同じコンテンツ品質でも検索順位が上がる可能性が高まります。順位が上がればクリック数も増え、アクセス数が増加。広告収入の増加やコンバージョン率向上につながり、サイト運営の好循環を生み出します。

LCPを改善するとメインコンテンツの評価が高まりやすい

Core Web Vitalsの中で特に重要なのが「LCP(Largest Contentful Paint)」です。ページの主要コンテンツが表示されるまでの時間を計測する指標で、Googleはこの値が2.5秒以下であることを推奨しています。

LCPが長いと、ユーザーがページを開いてから実際に見たいコンテンツが表示されるまでに時間がかかります。たとえば、ブログ記事を読みたいのに本文が表示されるまで5秒もかかるサイトは、ユーザーにストレスを与えます。

ユーザーが離れにくくなり満足度や滞在時間がアップする

2016年のGoogleの調査によると、モバイルページの読み込み時間が3秒以上かかると、ユーザーの40%が離脱します。さらに最新のデータでは、モバイルでは53%もの人が3秒以上かかるサイトを離脱する可能性があります。現代人は忙しく、無数のWebサイトから情報を得られるため、遅いサイトには我慢しません。開くのに時間がかかるサイトは、コンテンツの質が良くても離脱されます。

表示速度が改善されると、ユーザーはストレスなくサイトを閲覧できます。これにより「直帰率」(1ページだけ見て離脱する割合)が下がり、「滞在時間」が伸びる傾向があります。ユーザーが快適に過ごせるサイトでは、複数のページを見てもらえる可能性も高まります。

また、サイトの表示速度はブランドイメージにも影響します。サクサク動くサイトは「しっかり管理されている」「ユーザーのことを考えている」という好印象を与えます。逆に動作の遅いサイトは「古い」「管理が行き届いていない」という印象を与えかねません。

2000年代の調査に基づくAmazonのデータでは、ページの読み込み時間が100ミリ秒(0.1秒)遅くなるごとに売上が1%減少するという結果も報告されています。やや古い情報ではありますが、ユーザー満足度がビジネス成果に直結する点は現在も同様なのです。

商品購入やお問い合わせなどの成果につながりやすくなる

表示速度の改善は、単にサイトを見てもらえるだけでなく、コンバージョン(商品購入やお問い合わせ、会員登録など、サイト運営者が望む行動)にもつながります。

特にECサイトでは、表示速度とコンバージョン率の関係が顕著です。遅いサイトでは、商品ページの表示や決済プロセスの各ステップで待ち時間が発生します。この「待ち時間」の間に、ユーザーは購入をやめる決断をしてしまうこともあります。反対に、サクサク動くサイトでは、ユーザーが迷う時間なく次のステップに進めるため、購入完了まで到達する確率が高まります。

企業サイトやサービスサイトでも同様です。お問い合わせフォームの表示が遅いと、ユーザーは「今度にしよう」と思って離脱します。表示速度の改善は、顧客獲得の機会損失を防ぐ重要な施策です。

ホームページの表示が遅くなってしまう主な原因4つ

サイトの表示速度低下にはさまざまな原因がありますが、主に以下の4つが大きな影響を与えています。これらを理解することで、効果的な改善策を見つけられます。

画像のサイズが大きすぎて読み込みに時間がかかる

ホームページの表示が遅くなる最も一般的な原因の一つが、最適化されていない大きな画像ファイルです。デジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真は、そのままではWebに適していないサイズであることが多いのです。

たとえば、最近のスマートフォンで撮影した写真は、4000×3000ピクセル以上、ファイルサイズで5MB以上になることも珍しくありません。しかし、ブログやWebサイトで実際に表示する画像サイズは1200×900ピクセル程度で十分なことが多く、表示サイズに合わせた最適化が必要です。

また、画像の保存形式も重要です。写真の場合はJPEG形式が一般的ですが、透過効果が必要な場合はPNG形式を使います。JPEGでも品質設定を100%(最高画質)にしていると不必要にファイルサイズが大きくなります。Web用途なら70〜80%程度の品質でも十分に見栄えが良く、ファイルサイズを大幅に削減できます。

一つ一つの画像程度は問題なくても、それが10枚、20枚と増えると、総ダウンロード量が膨大になり読み込みに時間がかかります。

CSSやJavaScriptが多くて整理されていない

Webサイトの見た目や動きを制御するCSSやJavaScriptも、使い方によっては表示速度低下の大きな要因になります。特にWordPressなどのCMSを使用している場合、テーマやプラグインが自動的に多くのCSSやJavaScriptファイルを読み込むため、知らないうちにファイル数が増えていることがあります。

たとえば、あるWordPressサイトを分析したところ、20以上のCSSファイルと15以上のJavaScriptファイルが読み込まれていました。しかも、その多くは実際には使用されていない機能のためのコードでした。こうした「不要なコード」はページの読み込み時間を増やすだけでなく、ブラウザの処理負荷も高めます。

また、JavaScriptの実行タイミングも重要です。特に「レンダリングブロッキング」と呼ばれる、ページの表示を妨げるスクリプトが問題になります。JavaScriptの読み込みと実行中は、他の要素の表示が止まってしまうことがあり、これがユーザーに「このサイトは遅い」という印象を与える原因になります。

さらに、古いテーマやプラグインを使用している場合、最新のWeb技術に対応していないことも多く、非効率なコードが含まれていることがあります。定期的な更新やコードの最適化が必要です。

SNSボタンや広告タグなど外部の読み込みが重い

多くのWebサイトでは、SNSシェアボタンや「いいね!」ボタン、広告表示、アクセス解析ツールなど、外部サービスのコードを埋め込んでいます。これらは便利な機能ですが、表示速度に大きな影響を与えることがあります。

外部サービスのコードを埋め込むと、ユーザーのブラウザは自分のサイトだけでなく、Facebook、Twitter、Google広告などの外部サーバーにも接続する必要があります。これらの外部サーバーの応答が遅いと、サイト全体の表示も遅延します。

特に問題なのは、これらの外部リソースが「同期的に読み込まれる」場合です。たとえば、Facebookのいいねボタンが同期的に読み込まれるよう設定されていると、Facebookのサーバーからの応答があるまでページの他の部分の表示が進まなくなります。Facebookのサーバーが混雑していたり、応答が遅くなったりすると、サイト全体の表示に影響します。

サーバーの反応が遅いと全体の表示にも時間がかかる

Webサイトの表示速度は、使用しているサーバーの性能や設定にも大きく左右されます。特に低価格のレンタルサーバーでは、1台のサーバーに多くのWebサイトが相乗りしている「共有サーバー」が一般的ですが、他のサイトの影響で処理速度が低下することがあります。

サーバーの応答時間(TTFB: Time To First Byte)は、ブラウザがサーバーにリクエストを送ってから最初のデータを受け取るまでの時間を指します。この値が0.5秒を超えると「遅い」と感じ始め、1秒を超えると明らかに遅いサイトだと認識されます。

サーバーの応答が遅い原因としては、以下のようなものが考えられます。

  • サーバースペックが低い(CPU、メモリが不足している)。
  • 同じサーバー上の他のサイトが大量のリソースを使用している。
  • データベースの処理が非効率(特にWordPressなどCMSの場合)。
  • サーバーの地理的な位置が遠い(海外サーバーを使用している場合)。
  • PHPやデータベースの設定が最適化されていない。

これらの問題は、サイト制作者側では改善が難しいことも多く、サーバー事業者の選定が重要になります。

表示速度改善には「速いサーバーの選定」も視野に入れるべき

サイト自体の最適化だけでは解決できない表示速度の問題には、サーバー変更も検討する価値があります。特にアクセス数が増えてきたサイトや、WordPressなどCMSを使用しているサイトでは、サーバー選びが表示速度に大きな影響を与えます。

最近のトレンドとして注目されているのが、「LiteSpeed」と呼ばれる高速Webサーバーです。従来の「Apache」と比較して同時処理能力が格段に高く、特にWordPressサイトとの相性が良いとされています。

また、データベースの応答速度も重要です。高速なSSDストレージを採用したサーバーでは、データベースの読み書きが高速化され、WordPressなどCMSの動作が大幅に改善されます。

サーバー選びの際は、単に価格だけでなく、これらの要素も含めて検討することが大切です。

ホームページの表示速度を改善する6つの方法

表示速度の問題を把握したところで、具体的な改善方法を見ていきましょう。これらの方法を順番に実施していくことで、サイトの表示速度は段階的に向上します。

画像を圧縮してWebPなどの軽い形式に変える

画像の最適化は、表示速度改善の「低hanging fruit(簡単に達成できる成果)」と言われるほど、効果が高く実施も比較的容易です。具体的には以下のような対策が効果的です。

まず、画像のリサイズです。実際に表示するサイズに合わせて画像の解像度を調整しましょう。たとえば、ブログの中で600ピクセル幅で表示される画像なら、元の画像を1200ピクセル幅程度(Retinaディスプレイ対応で2倍)にリサイズするだけで、ファイルサイズが大幅に削減できます。PhotoshopやWebベースの無料ツール「Pixlr」などで簡単に行えます。

次に、画像の圧縮です。JPEGファイルなら、品質設定を下げることでファイルサイズを小さくできます。Webでは品質70〜80%程度でも十分綺麗に見えます。「TinyPNG」「ImageOptim」などのツールを使えば、目に見える品質劣化なく画像を圧縮できます。

さらに進んだ方法として、次世代フォーマットへの変換があります。特に「WebP」形式は、JPEGやPNGと比較して30〜50%小さいファイルサイズでも同等の画質を実現します。現在ではほとんどのブラウザがWebPをサポートしており、対応していない古いブラウザ向けにはJPEG/PNGをフォールバック(代替)として用意しておくと良いでしょう。

WordPressを使用している場合は、「Smush」や「EWWW Image Optimizer」などのプラグインを使うと、アップロードした画像を自動的に最適化してくれます。既存の画像も一括で最適化できるので、すでに多くの画像がある場合にも便利です。

ファイルをgzipやBrotliで圧縮して転送を軽くする

HTMLやCSS、JavaScriptなどのテキストベースのファイルは、圧縮することで転送量を大幅に削減できます。テキストデータは非常に圧縮効率が良く、元のサイズの20〜70%程度まで小さくなることも珍しくありません。

最も一般的な圧縮方式は「gzip」です。ほとんどのモダンブラウザとサーバーがgzip圧縮をサポートしており、サーバーの設定を少し変更するだけで有効にできます。

さらに高度な圧縮方式として「Brotli」があります。Googleが開発したこの圧縮方式は、gzipよりさらに15〜25%程度小さくファイルを圧縮できます。最新のブラウザはほとんどBrotliをサポートしていますが、サーバー側の対応が必要です。

LiteSpeedサーバーを使用している場合、Brotli圧縮が標準で有効になっていることが多く、追加設定なしで高度な圧縮が利用できます。他のサーバーでも、多くの場合モジュールを追加することで対応できます。

WordPressを使用している場合は、「WP Rocket」や「W3 Total Cache」などのキャッシュプラグインで、HTMLやCSS、JavaScriptの圧縮を有効にできます。これらのプラグインは、圧縮だけでなく次に説明するファイルの最小化も同時に行ってくれます。

CSSやJavaScriptを減らして動作をシンプルにする

Webサイトの表示速度を向上させるには、CSSやJavaScriptファイルの最適化も重要です。具体的には、以下のような施策が効果的です。

まず、ファイルの「最小化(Minify)」です。CSSやJavaScriptファイルには、開発者が読みやすくするための空白やコメントが含まれています。これらは機能には影響しませんが、ファイルサイズを増加させます。最小化ツールを使うと、これらの不要な文字を削除し、ファイルサイズを20〜30%程度削減できます。

次に、ファイルの「結合(Concatenation)」です。多くのWebサイトでは、複数のCSSやJavaScriptファイルを読み込んでいます。これらを1つのファイルにまとめることで、HTTPリクエストの数を減らし、読み込み時間を短縮できます。

また、「未使用コードの削除」も効果的です。特にWordPressテーマやプラグインでは、実際には使用していない機能のコードが含まれていることがよくあります。「UnCSS」などのツールを使うと、実際に使用されているCSSのみを抽出できます。

さらに、JavaScriptの読み込みタイミングの最適化も重要です。ページの表示に直接関係ないJavaScriptは、「defer」や「async」属性を使って非同期で読み込むようにします。これにより、JavaScriptの読み込みがページ表示をブロックすることを防げます。

WordPressユーザーには、「Autoptimize」や「Fast Velocity Minify」などのプラグインがおすすめです。これらは、CSSやJavaScriptの最小化、結合、非同期読み込みなどを自動的に行ってくれます。

キャッシュを活用すれば再読み込みがとても速くなる

キャッシュとは、一度読み込んだデータを一時的に保存しておき、次回アクセス時に再利用する仕組みです。これにより、サーバーからのデータ転送量を減らし、表示速度を大幅に向上させられます。

ブラウザキャッシュは、ユーザーのブラウザ側でデータを保存する方法です。画像やCSSファイルなど、頻繁に変更されないファイルに対して「有効期限」を設定することで、ブラウザに「このファイルは〇日間有効です」と伝えられます。有効期限内であれば、ブラウザはサーバーに問い合わせることなく、保存されたファイルを使用します。

サーバーサイドキャッシュは、サーバー側でデータを一時的に保存する方法です。特にWordPressなどのCMSでは、毎回PHPを実行してHTMLを生成するため処理に時間がかかります。キャッシュを使うと、一度生成したHTMLを保存しておき、次回のアクセスでは保存されたHTMLを直接提供できます。

CDN(Content Delivery Network)も効果的なキャッシュの一種です。世界各地にサーバーを配置し、ユーザーに最も近いサーバーからコンテンツを配信することで、地理的な距離による遅延を減らします。

画像や動画を後から読み込む「遅延読み込み」を使う

「遅延読み込み(Lazy Loading)」とは、ページの初期表示時には画面に見えない部分の画像や動画を読み込まず、ユーザーがスクロールして該当コンテンツが画面に近づいたときに読み込む技術です。これにより、初期ページ読み込み時のデータ量を減らし、表示速度を向上させられます。

たとえば、長いブログ記事で10枚の画像を使用している場合、通常なら10枚すべてを最初に読み込みます。しかし、遅延読み込みを適用すると、最初に画面に表示される1〜2枚だけを読み込み、残りはユーザーがスクロールしたときに順次読み込まれます。これにより、初期表示時間が大幅に短縮されます。

現在のモダンブラウザでは、画像の遅延読み込みは標準的な機能として組み込まれています。HTML上で以下のようにloading=”lazy”属性を追加するだけで利用できます

<img src="image.jpg" loading="lazy" alt="画像の説明">

WordPressを使用している場合、バージョン5.5以降では画像の遅延読み込みがデフォルトで有効になっています。それ以前のバージョンや、より高度な遅延読み込み機能を使いたい場合は、「Lazy Load by WP Rocket」や「a3 Lazy Load」などのプラグインが便利です。

動画の遅延読み込みも重要です。特にYouTubeなどの埋め込み動画は、初期読み込み時に多くのリソースを消費します。動画のサムネイル画像だけを表示し、ユーザーがクリックしたときに本体を読み込む「ライトYouTube埋め込み」などの技術を使うと、初期表示速度が向上します。

ABLENETレンタルサーバーは高速LiteSpeed環境

ABLENETレンタルサーバー

サーバー選びも表示速度改善の重要な要素です。特にWordPressサイトを運営している場合、サーバーの性能と設定が表示速度に大きく影響します。

ABLENETレンタルサーバーは、高速化に特化したLiteSpeedWebサーバーを全プランで採用しています。LiteSpeedは従来のApacheに比べて処理能力が高く、公式ベンチマークによれば、WordPressサイトでのリクエスト処理数がApacheの約84倍にも達するとされています。

また、ABLENETは最新の通信プロトコルであるHTTP/2とHTTP/3、QUICにも対応しています。これらのプロトコルは、従来のHTTP/1よりも効率的にデータをやり取りでき、特に多くの小さなファイルを含むWebサイトで表示速度の向上が期待できます。

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ホームページの表示スピードを測定するおすすめの方法

表示速度の改善を効果的に行うには、まず現状を正確に測定することが重要です。ここでは、誰でも簡単に使える表示速度測定ツールを紹介します。

Google PageSpeed InsightsならURLを入れるだけでOK

pagespeed-insights

Google PageSpeed Insights(PSI)は、Googleが提供する無料のWebサイト速度分析ツールです。URLを入力するだけで、モバイルとデスクトップ両方の環境での表示速度を測定し、100点満点でスコア化してくれます。

PSIの大きな特徴は、「Core Web Vitals」と呼ばれるGoogle検索で重視される指標を詳しく分析できる点です。特に以下の3つの指標は重要です。

  • LCP(Largest Contentful Paint):主要コンテンツの表示速度。
  • FID(First Input Delay):ユーザーの操作に対する応答速度。
  • CLS(Cumulative Layout Shift):表示中のレイアウトの安定性。

これらの指標が「良好」(緑色)であれば、Googleの検索アルゴリズムでも有利に評価される可能性が高まります。

また、PSIでは「機会」と「診断」のセクションで具体的な改善点を提案してくれます。たとえば「画像の最適化」「未使用CSSの削除」「レンダリングブロックリソースの排除」など、専門知識がなくても理解しやすい形で改善案が表示されます。

Chromeの開発者ツールLighthouseでもくわしく確認できる

Lighthouse

Google Chromeブラウザを使用している方は、ブラウザに内蔵されている「Lighthouse」ツールを使って表示速度を測定することもできます。Lighthouseは、PageSpeed Insightsと同じエンジンを使用していますが、ローカル環境でより詳細な分析が可能です。

Lighthouseを使用するには、ChromeでWebサイトを開き、キーボードのF12キー(MacではOption + Command + I)を押して開発者ツールを表示します。上部タブから「Lighthouse」を選択し、分析したい項目(パフォーマンス、アクセシビリティ、SEOなど)にチェックを入れて「分析」ボタンをクリックするだけです。

Lighthouseの大きな利点は、ネットワーク条件をシミュレートできる点です。「スロットリング」設定で、3G回線などの低速ネットワークでの表示速度をテストできます。これにより、モバイルユーザーの実際の体験に近い形で分析が可能です。

また、Lighthouseでは「タイムライン」ビューで、ページの読み込み過程を時系列で詳しく見られます。どの要素の読み込みに時間がかかっているのか、ボトルネックがどこにあるのかを視覚的に確認できるため、効率的な改善が可能になります。

GTmetrixやWebPageTestを使えば世界中からの速度も見られる

GTmetrix

世界各地からのアクセス速度を測定したい場合や、より詳細な分析が必要な場合は、GTmetrixやWebPageTestなどのサードパーティ製ツールも役立ちます。

GTmetrixは、WebサイトのパフォーマンスをGradeとして評価し、詳細なレポートを提供します。無料版でも十分な機能がありますが、有料版ではより多くのテスト場所や接続速度を選択できます。特に、日本以外からのアクセスが多いサイトでは、世界各地のサーバーからテストを実行できる機能が便利です。

GTmetrixの特徴的な機能として、ウォーターフォールチャートがあります。これは、ページ上の各リソース(HTML、CSS、JavaScript、画像など)の読み込み順序と時間を視覚化したものです。どのファイルの読み込みに時間がかかっているのか、どのリソースが他の読み込みをブロックしているのかを詳細に分析できます。

WebPageTestは、より高度なユーザー向けのツールで、非常に詳細なテスト設定が可能です。ブラウザの種類、接続速度、ロケーション、ビデオキャプチャなど、多様なパラメータを設定してテストできます。特に、「First View」と「Repeat View」の両方をテストできる点が特徴で、キャッシュの効果を確認するのに役立ちます。

これらのツールを併用することで、より包括的なパフォーマンス分析が可能になります。たとえば、PageSpeed Insightsで全体のスコアを確認し、GTmetrixでリソースの詳細を分析し、WebPageTestで世界各地からのアクセス速度を測定するといった使い方ができます。

ホームページの表示速度に関するよくある質問

サイト運営者からよく寄せられる表示速度に関する疑問について、具体的に回答します。

Q
表示速度ってどれくらいなら速いと言えるの?
A

「速い」といえる表示速度の基準は、コンテンツの種類やターゲットユーザーによって異なりますが、一般的にはGoogleが推奨する以下の値を目安にすると良いでしょう。

Core Web Vitalsの主要指標では以下のような基準があります。

  • LCP(Largest Contentful Paint):2.5秒以下が「良好」。
  • FID(First Input Delay):100ミリ秒以下が「良好」。
  • CLS(Cumulative Layout Shift):0.1以下が「良好」。

もう少し実用的な基準としては、以下のような数値が「速い」サイトの目安とされています。

  1. 初期表示時間(First Contentful Paint):1秒以下。
  2. 完全な読み込み完了:3秒以下。
  3. サーバー応答時間(TTFB):0.2秒以下。

ただし、これらはあくまで目安であり、業界やサイトの性質によって適切な速度は変わります。たとえば、ニュースサイトやブログは特に高速表示が重要ですが、豪華な画像を使ったファッションサイトでは、若干遅くても許容される場合があります。

また、競合サイトとの比較も重要です。同じ業界の主要なサイトよりも速ければ、ユーザー体験の面で競争優位に立てる可能性が高まります。

Q
WordPressを使っていても表示速度は改善できるの?
A

はい。WordPressサイトでもさまざまな方法で表示速度を改善できます。むしろ、WordPressには表示速度を改善するための多くのツールやプラグインがあるため、効果的な最適化が可能です。

まず、「適切なホスティング選び」が基本です。WordPressは動的なCMSであり、PHPの実行やデータベースへのアクセスが必要なため、サーバーの性能が表示速度に大きく影響します。LiteSpeedサーバーは、WordPressとの相性が特に良く、専用のキャッシュプラグイン「LiteSpeed Cache」を使うことで、サーバーレベルでの高速化が可能です。

次に、「キャッシュプラグインの活用」が効果的です。キャッシュプラグインは、動的に生成されるWordPressのページを静的HTMLとして保存し、次回のアクセス時に高速に提供します。「WP Rocket」「W3 Total Cache」などの人気プラグインがあります。

「画像の最適化」も重要です。WordPressには「Smush」「EWWW Image Optimizer」「ShortPixel」など、画像を自動的に圧縮・最適化するプラグインが多数あります。これらを使えば、アップロード時に自動的に画像を最適化できます。また、最近のWordPressでは「WebP」形式のサポートも強化されており、次世代フォーマットの活用も容易になっています。

「プラグインの整理」も効果的です。WordPressサイトを長く運用していると、不要になったプラグインが残っていることがよくあります。使っていないプラグインは無効化・削除し、必要最小限のプラグインだけを使用することで、読み込むファイル数を減らせます。

「テーマの選択」も表示速度に大きく影響します。見た目が豪華で多機能な人気テーマは、多くのCSSやJavaScriptを使用するため重くなりがちです。近年は「軽量テーマ」と呼ばれる、表示速度を重視したテーマも増えているので、これらの使用を検討すると良いでしょう。

「データベースの最適化」も忘れてはいけません。長期間運用されたWordPressサイトでは、データベース内に不要なデータが蓄積されます。「WP-Optimize」などのプラグインを使って定期的にデータベースをクリーンアップすることで、処理速度を維持できます。

これらの施策を組み合わせることで、WordPressサイトでも十分に高速な表示速度を実現できます。