サイトマップとは?その役割と作成手順をわかりやすく解説

「サイトマップ登録したのに検索エンジンに認識されない…」
「2種類のサイトマップの違いと設定方法がわからない…」
そんな疑問や不安を感じていませんか?サイトの規模が大きくなるほど、サイトマップの有無が滞在時間や離脱率に影響するため、注意が必要です。
この記事では、HTMLサイトマップとXMLサイトマップの違い、SEOへの影響について丁寧に解説します。
まだ導入されていない方は、この機会にぜひ理解を深めつつ、自サイトに取り入れてみてください。

目次
サイトマップとはWebサイト構造を整理して伝えるための設計図
サイトマップは、Webサイトの構造を明確にし、訪問者や検索エンジンに情報を正しく伝える重要な要素です。
HTMLサイトマップとXMLサイトマップの2つの形式があり、それぞれ役割が異なります。まずはこれらのサイトマップの違いや役割について解説していきます。
- HTMLサイトマップは訪問者がサイト全体を把握するために使う
- XMLサイトマップは検索エンジンにページ情報を正確に伝える手段
- サイトマップの活用でSEO対策とユーザビリティが同時に向上する
それぞれのサイトマップのメリットや必要なケースを順番に見ていきましょう。
HTMLサイトマップは訪問者がサイト全体を把握するために使う
HTMLサイトマップは、Webサイトを訪れたユーザーが情報を探しやすくなるよう構成された「案内図」のような役割を担います。
このサイトマップを見る対象は主に人間で、通常の記事と同じ「HTML形式のページ」として作成するため、必ずしも特別な知識やツールは必要ありません。
多くはフッターやヘッダーにリンクが設置され、サイト内の主要カテゴリーやページへのリンクを一覧形式で作ります。
HTMLサイトマップを設置するメリットは数多くありますが、主に次の5つです。
- サイト全体の構造を把握しやすい
- サイト内の情報を探しやすくなる
- ナビゲーションの補助になる
- 離脱率の低下が期待できる
- サイトの信頼性が高まる
HTMLサイトマップの検索順位への直接的な影響は小さいですが、UX向上による間接的なSEO効果は見込めます。
特に最近のSEOにおいては、サイト滞在時間が重要な要素の一つとなっているため、HTMLサイトマップを設置するメリットは以前に比べて高まっているでしょう。
特に、ページ数が多い大規模サイトや、メニュー構造が複雑なサイトでは、HTMLサイトマップがユーザーの道しるべとして有効です。
ナビゲーションの補完ツールとして導入することで、ユーザビリティ全体の向上が期待できます。
XMLサイトマップは検索エンジンにページ情報を正確に伝える手段
XMLサイトマップは、検索エンジンに対してWebサイト内のページ構成を正確に伝えるためのファイルです。
通常、検索エンジンのクローラーはWeb上のリンクをたどってページを発見しますが、リンク構造が複雑だったり、新しいページが内部リンクに含まれていない場合、発見されないリスクがあります。
XMLサイトマップを作成しておくことで、クローラーはこのファイルを通じて全URLの一覧を把握でき、見落としを防ぐことが可能です。
XMLサイトマップを設置するメリットは以下の通り。
- クロールの効率が向上する
- ページの認識が早まる
- 深い階層のページも伝えられる
- 更新状況を明示できる
- インデックスの精度が上がる
XMLサイトマップには、以下の情報を含めて記載することができます。
<loc>
:ページURL<lastmod>
:最終更新日<changefreq>
:更新頻度の目安<priority>
:ページの重要度
これらのメタ情報によって、検索エンジンはどのページを重要視し、どのタイミングで再クロールすべきかを判断しやすくなります。
特に規模の大きなサイトや動的に生成されるページを多く含むサイトでは、XMLサイトマップの活用が効果的です。検索エンジンにとっても、正確なページ情報を得ることで、より適切なインデックスが促進されます。
逆に小規模サイトでは、XMLサイトマップが必須ではありませんが、設置しておいた方が先程のメリットを享受できます。
GoogleなどのクローラーがXMLサイトマップを通じて巡回する仕組み
検索エンジンのクローラーは、Web上の情報を自動で収集し、インデックス化する役割を持っています。
XMLサイトマップは、クローラーに対してWebサイト内のページ構成を効率よく伝えるためのファイルです。先ほど紹介した通り、URLの一覧だけでなく、最終更新日や更新頻度、優先度といったメタ情報も含んでいるのです。
Googleなどの検索エンジンは、サーチコンソールなどを通じて登録されたXMLサイトマップを読み取り、そこに記載されたURLを優先的に巡回します。特に内部リンクが少ないページや、新規追加されたコンテンツをクローラーに発見しやすくなるのです。
クローラーはWebサイトのリンクをたどる形でも巡回しますが、それだけではサイト全体を把握しきれない場合もあります。XMLサイトマップがあることで、クローラーに対して明確に巡回対象を示すことができ、クロール効率を高めることが可能です。
このように、XMLサイトマップは検索エンジンに対するサイト情報の伝達手段として、SEOにおいて重要な役割を果たしています。
サイトマップの活用でSEO対策とユーザビリティが同時に向上する
サイトマップの活用は、SEO対策とユーザビリティの両面で効果を発揮します。
XMLサイトマップを活用することで、検索エンジンに対してページ情報を正確に伝え、クロールの効率を高めることができます。新しいページや更新ページがすぐにインデックスされ、検索結果への反映も早まるでしょう。
一方、HTMLサイトマップは、ユーザーがサイト内の構造を視覚的に把握しやすくすることができます。特にページ数が多いサイトやメニューが複雑なサイトでは、HTMLサイトマップを設置することで、目的の情報に素早くたどり着くことが可能です。
ユーザーの離脱防止や回遊率の向上にもつながり、間接的にSEO評価にも好影響を与えます。さらに、検索エンジンはユーザー体験を重視しており、使いやすいサイト構造はランキング要因にも寄与するでしょう。
これら2つのサイトマップを適切に作成・設置することで、検索エンジンとユーザーの両方にとって有益なWebサイトを構築できるでしょう。SEO対策の中では難易度が低いため、両方とも設置することをおすすめします。
サイトマップの作成はツールやプラグインで誰でも簡単にできる
XMLサイトマップは、手作業で作る必要はなく、便利な自動生成ツールやWordPressのプラグインを使えば、誰でも簡単に作成できます。
サイトマップ作成の主な方法およびポイントは以下の通りです。
- sitemap.xml作成ツールはオンライン生成サイトが便利で手軽
- WordPressならプラグインを使えば自動で作成・更新が可能
- サーバーの設定も確認してsitemap.xmlを正しく公開することが重要
それぞれ具体的なやり方を含めて順番に解説します。
sitemap.xml作成ツールはオンライン生成サイトが便利で手軽
sitemap.xmlを作成する際、オンライン生成ツールを活用する方法はとても便利で手軽です。
専門的な知識やソフトを使わずに、Web上でURLを入力するだけで自動的にsitemap.xmlファイルを生成できます。
これらのツールは、サイト内のリンク構造をクロールし、各ページのURLや更新日時、更新頻度などを含んだXML形式のファイルを出力可能です。
特に、WordPressなどのCMSを使っていない静的サイトでは、こうしたサービスを利用することで大幅に作業効率を高められるでしょう。
代表的なXMLサイトマップのオンライン生成サイトは以下の通り。いずれも無料で使えます。
- sitemap.xml Editor|簡単にXMLサイトマップが作れるWebツール。
- XML-Sitemaps.com|URLを入力するだけで自動生成。無料版は最大500ページまで対応。
生成したsitemap.xmlは、ルートディレクトリにアップロードするだけで、検索エンジンに情報を提供できます。また、Googleサーチコンソールに登録すれば、インデックス状況の確認や再クロールの依頼も可能です。
このように、WordPress以外のサイトでも、オンラインツールを使えば初心者でも簡単にXMLサイトマップを作成できます。
WordPressならプラグインを使えば自動で作成・更新が可能
WordPressを使っている場合は、専用プラグインを導入することでXMLサイトマップの自動生成と更新が行えるため、さらに便利です。
たとえば、次のような無料プラグインが有名で、いずれも数クリックで導入できます。
- All in One SEO|WordPress向けのSEOプラグイン。XMLサイトマップ機能も標準搭載で設定が簡単。
- Yoast SEO|SEO対策で定番のプラグイン。自動でXMLサイトマップを生成し、細かい制御も可能。
- XML Sitemaps Generator|スタンドアロン型のサイトマップ作成ツール。手軽にXMLファイルを生成できる。
投稿や固定ページの追加・削除があるたびに、サイトマップが自動で更新されるため、運用の手間がかかりません。設定項目も柔軟で、特定の投稿タイプやカテゴリーを除外することも可能です。
更新ミスや作業漏れを防げるため、WordPress運営者であればプラグインの活用が最も実用的な手段といえるでしょう。
サーバーの設定も確認してsitemap.xmlを正しく公開することが重要
基本的には先ほどのWordPressプラグインを使えば正しく設定されますが、sitemap.xmlを作成しても、何らかのミスで正しく公開されていなければ検索エンジンに認識されません。
手動で設置する場合は、サーバーの設定も含めた確認が不可欠で、以下のポイントを押さえることで、適切に公開できます。
- ルートディレクトリに配置されているか確認する
- 「https://ドメイン名/sitemap.xml」でアクセスできるかチェックする
- Webサーバー(ApacheやNginx)のアクセス制限やMIMEタイプを確認する
- robots.txtに「Sitemap:」の記述を追加する
プラグインでも多くの場合は問題なく表示されますが、キャッシュ系プラグインやセキュリティ設定でブロックされているとアクセスできない場合があるため注意しましょう。
特殊なサーバー設定(たとえばNginxの制限やWAF)でブロックされる場合もあり、プラグイン設定では対処できないため、別途確認が必要です。
クロール効率が向上しSEOにも好影響が期待できるため、XMLサイトマップの公開状態は必ず確認しましょう。
sitemap.xmlが正しく設置されたかを確認する方法は次の通り。
- Googleサーチコンソール|URL検査・サイトマップ送信機能でチェック可能
- XML Sitemap Validator|構文エラーやURLの形式をチェックできる無料ツール
- robots.txt レポート(Googleサーチコンソール内)|sitemap.xmlがブロックされていないか確認可能
- ブラウザ確認|「https://ドメイン名/sitemap.xml」で直接アクセスして内容表示を確認
これらの方法を使うことで、XMLサイトマップを正しく設置できているか、構文にエラーがないかを簡単に検証できます。
サイトマップを作成するときは構造や更新頻度に注意するべき
XMLサイトマップは作るだけで満足せず、中身の正確さと更新状態の最適化が重要です。
検索エンジンにとって有効なサイトマップを維持するには、構成や設定にも注意を払う必要があります。
サイトマップ作成時に意識すべき点は以下の通りです。
- 重複URL・削除済みページはインデックスエラーの原因になる
- 更新頻度や優先度の設定は検索エンジンの評価に影響を与える
- 自動生成ツールでもサーチコンソールで最適化を行うことが理想
- WordPressなどCMSでは自動更新の仕組みを活かして運用負荷を軽減
それぞれ注意点や対策について順番に解説します。
重複URL・削除済みページはインデックスエラーの原因になる
重複URLや削除済みページが存在すると、検索エンジンに正しい情報が伝わらず、インデックスエラーの原因になります。
たとえば、canonicalタグを使わずに同一内容のページが複数あると、評価が分散し、本来上位に表示されるべきページの順位が下がります。
また、削除されたページがsitemap.xmlに残っていたり、内部リンクから参照されている場合、検索エンジンはエラーとして認識し、サイト全体の品質スコアに影響を与えることもあるでしょう。
インデックスエラーが増えると、以下のような問題が発生します。
- ページ評価が分散して検索順位が下がる
- 削除済みページがクロール対象になり無駄なリソースを使う
- 検索結果に表示されないページが生じる
- サイト全体の信頼性が低下する
このような問題やエラーを防ぐには、次の対応が重要です。
- 重複コンテンツにcanonicalタグを設定する
- 削除済みURLをsitemap.xmlから除外する
- 必要に応じてnoindexタグを使う
- 内部リンクを最新のページに修正する
- サーチコンソールのエラー項目を定期確認する
- 修正後はサイトマップを再登録する
サイトの品質維持と検索順位向上のためには、こうした基本的なメンテナンスを継続して行いましょう。
参考:ページ インデックス登録レポート – Search Console ヘルプ
更新頻度や優先度の設定は検索エンジンの評価に影響を与える
XMLサイトマップには、更新頻度や優先度といった項目があり、検索エンジンに対してクロールの参考情報を提供する役割があります。
- 更新頻度(changefreq)|検索エンジンに更新頻度を伝える項目。「daily」「weekly」「monthly」などを設定。
- 優先度(priority)|ページの相対的な重要度を0.0〜1.0で設定。重要なページは「0.8〜1.0」、それ以外は「0.5」程度が目安。
これらの設定は検索順位に直接影響しませんが、巡回タイミングや重要度判断に関係する可能性があります。
たとえば、ニュースやブログは「daily」または「hourly」、会社概要など頻繁に変わらないページは「yearly」など、内容に合った頻度に設定することが望ましいです。
優先度は他ページとの相対的な重要性を示すため、コンバージョンにつながるページなどは高めの0.8~1.0に設定するとよいでしょう。
検索エンジンがページの重要性や更新性を判断する材料として、これらの設定を有効活用することがSEO対策ひいてはCVR向上につながります。
参考:サイトマップの作成と送信 | Google 検索セントラル
自動生成ツールでもサーチコンソールで最適化を行うことが理想
XMLサイトマップを自動生成ツールで作成しても、Googleサーチコンソールを使って最適化を行うことが重要です。
放置するとエラーや不要ページがインデックスされ、重要なページのクロールが後回しになるおそれがあるため、以下の対応を推奨します。
- XMLサイトマップをサーチコンソールに登録する
- カバレッジを確認する
- 不要ページを除外設定する
- リダイレクトを適切に行う
- 重要ページの登録を確認する
ツール等でXMLサイトマップを作成後、サーチコンソールにサイトマップを送信し、検出されたURL数やエラー状況を随時確認しましょう。
ツール任せにせず、運用の一部としてサーチコンソールを使って定期的に精度を高めることが、長期的なSEO対策に直結します。
WordPressなどCMSでは自動更新の仕組みを活かして運用負荷を軽減
WordPressなどのCMSを使用している場合、自動でXMLサイトマップを生成・更新する仕組みを活用することで、運用負荷を大きく軽減できます。
手動とは違い、記事を新規投稿または更新するたびに、sitemap.xmlが自動的に書き換えられるため、手動での更新作業が不要です。
特に、All in One SEOやYoast SEOなどのプラグインは、投稿・固定ページだけでなく、カテゴリーページやタグ、カスタム投稿タイプにも対応しており、包括的なサイトマップの自動管理ができます。
自動更新の設定を行うことで、更新忘れによるクロール漏れを防ぎ、常に最新の構造情報を検索エンジンに提供できるでしょう。
自動更新と先ほど紹介したサーチコンソールでの適切な管理を両立することで、効率的かつ効果的なSEO運用につながります。
サイトマップに関して初心者からよく寄せられる疑問と回答集
サイトマップに関する設定や運用にあたって、初心者から寄せられる疑問は少なくありません。
最後にサイトマップに関する代表的な質問とその回答をまとめました。
HTMLとXMLの両方を必ず用意する必要はなく、目的やサイト規模によって使い分ければ問題ありません。
検索エンジン向けにインデックス促進を狙うならXMLサイトマップはほぼ必須ですが、ユーザー向けのHTMLサイトマップはナビゲーション補助が目的です。
小規模なサイトで構造が明確な場合、HTMLサイトマップを省略しても支障はないですが、情報量が多い場合やユーザーが迷いやすい構造のサイトでは、両方用意した方が親切でしょう。
迷ったら両方とも作成・設置することをおすすめしますが、目的に応じて必要な方のみを選択してください。
XMLサイトマップ(sitemap.xml)は、Webサイトのルートディレクトリに配置するのが一般的です。
たとえば「https://example.com/sitemap.xml」のように、ドメイン直下でアクセスできる構成が推奨されます。
WordPressでは、All in One SEOやYoast SEOなどのプラグインを使うことで、自動的にこの場所にサイトマップが生成・公開されるため、手間がかかりません。
一方、手動でXMLサイトマップを作成した場合は、FFFTPなどのFTPソフトやサーバーパネルを使って、ルートディレクトリにアップロードしましょう。
この場所に設置することで、検索エンジンが自動的に検出しやすくなります。さらに、robots.txtに「Sitemap: https://example.com/sitemap.xml」と記述しておくと、クローラーに確実に通知できます。
アップロード後は、URLにアクセスして正しく表示されるか確認しておくと安心です。
Google Search Consoleにサイトマップを送信したのに反映されない場合、いくつかの原因が考えられます。
「サーバーの設定も確認してsitemap.xmlを正しく公開することが重要」で紹介した通り、URLが間違っていないか、ファイルが実際に存在しているかを目視やツールを使って確認しましょう。
ファイルがアクセス制限されていたり、構文エラーがあると、Googleは読み取れません。
URLに日本語や記号が含まれていると処理に失敗する場合もあるため、「取得できませんでした」などのエラーメッセージが出たときは、メッセージ詳細を確認し、修正後に再送信するのが基本です。
サイトマップの更新頻度に明確なルールはありませんが、コンテンツの更新に合わせて調整するのが理想的です。
新しい記事を投稿したり、古いページを削除・修正した場合には、その都度サイトマップにも反映させた方が望ましいでしょう。
WordPressなどのCMSを使っていれば、自動更新により常に最新の状態が保たれますが、手動の場合は、最低でも月1回程度は確認し、必要に応じて手直しを行ってみてください。
定期的に見直すことで、検索エンジンへの正確な情報伝達につながります。

ABLENET
運営者情報
ABLENET®は株式会社ケイアンドケイコーポレーションが提供するホスティングサービスです。レンタルサーバー(共用サーバー)、VPS(仮想サーバー)、GPUサーバーを提供しています。
サイトマップとは?その役割と作成手順をわかりやすく解説

「サイトマップ登録したのに検索エンジンに認識されない…」
「2種類のサイトマップの違いと設定方法がわからない…」
そんな疑問や不安を感じていませんか?サイトの規模が大きくなるほど、サイトマップの有無が滞在時間や離脱率に影響するため、注意が必要です。
この記事では、HTMLサイトマップとXMLサイトマップの違い、SEOへの影響について丁寧に解説します。
まだ導入されていない方は、この機会にぜひ理解を深めつつ、自サイトに取り入れてみてください。

目次
サイトマップとはWebサイト構造を整理して伝えるための設計図
サイトマップは、Webサイトの構造を明確にし、訪問者や検索エンジンに情報を正しく伝える重要な要素です。
HTMLサイトマップとXMLサイトマップの2つの形式があり、それぞれ役割が異なります。まずはこれらのサイトマップの違いや役割について解説していきます。
- HTMLサイトマップは訪問者がサイト全体を把握するために使う
- XMLサイトマップは検索エンジンにページ情報を正確に伝える手段
- サイトマップの活用でSEO対策とユーザビリティが同時に向上する
それぞれのサイトマップのメリットや必要なケースを順番に見ていきましょう。
HTMLサイトマップは訪問者がサイト全体を把握するために使う
HTMLサイトマップは、Webサイトを訪れたユーザーが情報を探しやすくなるよう構成された「案内図」のような役割を担います。
このサイトマップを見る対象は主に人間で、通常の記事と同じ「HTML形式のページ」として作成するため、必ずしも特別な知識やツールは必要ありません。
多くはフッターやヘッダーにリンクが設置され、サイト内の主要カテゴリーやページへのリンクを一覧形式で作ります。
HTMLサイトマップを設置するメリットは数多くありますが、主に次の5つです。
- サイト全体の構造を把握しやすい
- サイト内の情報を探しやすくなる
- ナビゲーションの補助になる
- 離脱率の低下が期待できる
- サイトの信頼性が高まる
HTMLサイトマップの検索順位への直接的な影響は小さいですが、UX向上による間接的なSEO効果は見込めます。
特に最近のSEOにおいては、サイト滞在時間が重要な要素の一つとなっているため、HTMLサイトマップを設置するメリットは以前に比べて高まっているでしょう。
特に、ページ数が多い大規模サイトや、メニュー構造が複雑なサイトでは、HTMLサイトマップがユーザーの道しるべとして有効です。
ナビゲーションの補完ツールとして導入することで、ユーザビリティ全体の向上が期待できます。
XMLサイトマップは検索エンジンにページ情報を正確に伝える手段
XMLサイトマップは、検索エンジンに対してWebサイト内のページ構成を正確に伝えるためのファイルです。
通常、検索エンジンのクローラーはWeb上のリンクをたどってページを発見しますが、リンク構造が複雑だったり、新しいページが内部リンクに含まれていない場合、発見されないリスクがあります。
XMLサイトマップを作成しておくことで、クローラーはこのファイルを通じて全URLの一覧を把握でき、見落としを防ぐことが可能です。
XMLサイトマップを設置するメリットは以下の通り。
- クロールの効率が向上する
- ページの認識が早まる
- 深い階層のページも伝えられる
- 更新状況を明示できる
- インデックスの精度が上がる
XMLサイトマップには、以下の情報を含めて記載することができます。
<loc>
:ページURL<lastmod>
:最終更新日<changefreq>
:更新頻度の目安<priority>
:ページの重要度
これらのメタ情報によって、検索エンジンはどのページを重要視し、どのタイミングで再クロールすべきかを判断しやすくなります。
特に規模の大きなサイトや動的に生成されるページを多く含むサイトでは、XMLサイトマップの活用が効果的です。検索エンジンにとっても、正確なページ情報を得ることで、より適切なインデックスが促進されます。
逆に小規模サイトでは、XMLサイトマップが必須ではありませんが、設置しておいた方が先程のメリットを享受できます。
GoogleなどのクローラーがXMLサイトマップを通じて巡回する仕組み
検索エンジンのクローラーは、Web上の情報を自動で収集し、インデックス化する役割を持っています。
XMLサイトマップは、クローラーに対してWebサイト内のページ構成を効率よく伝えるためのファイルです。先ほど紹介した通り、URLの一覧だけでなく、最終更新日や更新頻度、優先度といったメタ情報も含んでいるのです。
Googleなどの検索エンジンは、サーチコンソールなどを通じて登録されたXMLサイトマップを読み取り、そこに記載されたURLを優先的に巡回します。特に内部リンクが少ないページや、新規追加されたコンテンツをクローラーに発見しやすくなるのです。
クローラーはWebサイトのリンクをたどる形でも巡回しますが、それだけではサイト全体を把握しきれない場合もあります。XMLサイトマップがあることで、クローラーに対して明確に巡回対象を示すことができ、クロール効率を高めることが可能です。
このように、XMLサイトマップは検索エンジンに対するサイト情報の伝達手段として、SEOにおいて重要な役割を果たしています。
サイトマップの活用でSEO対策とユーザビリティが同時に向上する
サイトマップの活用は、SEO対策とユーザビリティの両面で効果を発揮します。
XMLサイトマップを活用することで、検索エンジンに対してページ情報を正確に伝え、クロールの効率を高めることができます。新しいページや更新ページがすぐにインデックスされ、検索結果への反映も早まるでしょう。
一方、HTMLサイトマップは、ユーザーがサイト内の構造を視覚的に把握しやすくすることができます。特にページ数が多いサイトやメニューが複雑なサイトでは、HTMLサイトマップを設置することで、目的の情報に素早くたどり着くことが可能です。
ユーザーの離脱防止や回遊率の向上にもつながり、間接的にSEO評価にも好影響を与えます。さらに、検索エンジンはユーザー体験を重視しており、使いやすいサイト構造はランキング要因にも寄与するでしょう。
これら2つのサイトマップを適切に作成・設置することで、検索エンジンとユーザーの両方にとって有益なWebサイトを構築できるでしょう。SEO対策の中では難易度が低いため、両方とも設置することをおすすめします。
サイトマップの作成はツールやプラグインで誰でも簡単にできる
XMLサイトマップは、手作業で作る必要はなく、便利な自動生成ツールやWordPressのプラグインを使えば、誰でも簡単に作成できます。
サイトマップ作成の主な方法およびポイントは以下の通りです。
- sitemap.xml作成ツールはオンライン生成サイトが便利で手軽
- WordPressならプラグインを使えば自動で作成・更新が可能
- サーバーの設定も確認してsitemap.xmlを正しく公開することが重要
それぞれ具体的なやり方を含めて順番に解説します。
sitemap.xml作成ツールはオンライン生成サイトが便利で手軽
sitemap.xmlを作成する際、オンライン生成ツールを活用する方法はとても便利で手軽です。
専門的な知識やソフトを使わずに、Web上でURLを入力するだけで自動的にsitemap.xmlファイルを生成できます。
これらのツールは、サイト内のリンク構造をクロールし、各ページのURLや更新日時、更新頻度などを含んだXML形式のファイルを出力可能です。
特に、WordPressなどのCMSを使っていない静的サイトでは、こうしたサービスを利用することで大幅に作業効率を高められるでしょう。
代表的なXMLサイトマップのオンライン生成サイトは以下の通り。いずれも無料で使えます。
- sitemap.xml Editor|簡単にXMLサイトマップが作れるWebツール。
- XML-Sitemaps.com|URLを入力するだけで自動生成。無料版は最大500ページまで対応。
生成したsitemap.xmlは、ルートディレクトリにアップロードするだけで、検索エンジンに情報を提供できます。また、Googleサーチコンソールに登録すれば、インデックス状況の確認や再クロールの依頼も可能です。
このように、WordPress以外のサイトでも、オンラインツールを使えば初心者でも簡単にXMLサイトマップを作成できます。
WordPressならプラグインを使えば自動で作成・更新が可能
WordPressを使っている場合は、専用プラグインを導入することでXMLサイトマップの自動生成と更新が行えるため、さらに便利です。
たとえば、次のような無料プラグインが有名で、いずれも数クリックで導入できます。
- All in One SEO|WordPress向けのSEOプラグイン。XMLサイトマップ機能も標準搭載で設定が簡単。
- Yoast SEO|SEO対策で定番のプラグイン。自動でXMLサイトマップを生成し、細かい制御も可能。
- XML Sitemaps Generator|スタンドアロン型のサイトマップ作成ツール。手軽にXMLファイルを生成できる。
投稿や固定ページの追加・削除があるたびに、サイトマップが自動で更新されるため、運用の手間がかかりません。設定項目も柔軟で、特定の投稿タイプやカテゴリーを除外することも可能です。
更新ミスや作業漏れを防げるため、WordPress運営者であればプラグインの活用が最も実用的な手段といえるでしょう。
サーバーの設定も確認してsitemap.xmlを正しく公開することが重要
基本的には先ほどのWordPressプラグインを使えば正しく設定されますが、sitemap.xmlを作成しても、何らかのミスで正しく公開されていなければ検索エンジンに認識されません。
手動で設置する場合は、サーバーの設定も含めた確認が不可欠で、以下のポイントを押さえることで、適切に公開できます。
- ルートディレクトリに配置されているか確認する
- 「https://ドメイン名/sitemap.xml」でアクセスできるかチェックする
- Webサーバー(ApacheやNginx)のアクセス制限やMIMEタイプを確認する
- robots.txtに「Sitemap:」の記述を追加する
プラグインでも多くの場合は問題なく表示されますが、キャッシュ系プラグインやセキュリティ設定でブロックされているとアクセスできない場合があるため注意しましょう。
特殊なサーバー設定(たとえばNginxの制限やWAF)でブロックされる場合もあり、プラグイン設定では対処できないため、別途確認が必要です。
クロール効率が向上しSEOにも好影響が期待できるため、XMLサイトマップの公開状態は必ず確認しましょう。
sitemap.xmlが正しく設置されたかを確認する方法は次の通り。
- Googleサーチコンソール|URL検査・サイトマップ送信機能でチェック可能
- XML Sitemap Validator|構文エラーやURLの形式をチェックできる無料ツール
- robots.txt レポート(Googleサーチコンソール内)|sitemap.xmlがブロックされていないか確認可能
- ブラウザ確認|「https://ドメイン名/sitemap.xml」で直接アクセスして内容表示を確認
これらの方法を使うことで、XMLサイトマップを正しく設置できているか、構文にエラーがないかを簡単に検証できます。
サイトマップを作成するときは構造や更新頻度に注意するべき
XMLサイトマップは作るだけで満足せず、中身の正確さと更新状態の最適化が重要です。
検索エンジンにとって有効なサイトマップを維持するには、構成や設定にも注意を払う必要があります。
サイトマップ作成時に意識すべき点は以下の通りです。
- 重複URL・削除済みページはインデックスエラーの原因になる
- 更新頻度や優先度の設定は検索エンジンの評価に影響を与える
- 自動生成ツールでもサーチコンソールで最適化を行うことが理想
- WordPressなどCMSでは自動更新の仕組みを活かして運用負荷を軽減
それぞれ注意点や対策について順番に解説します。
重複URL・削除済みページはインデックスエラーの原因になる
重複URLや削除済みページが存在すると、検索エンジンに正しい情報が伝わらず、インデックスエラーの原因になります。
たとえば、canonicalタグを使わずに同一内容のページが複数あると、評価が分散し、本来上位に表示されるべきページの順位が下がります。
また、削除されたページがsitemap.xmlに残っていたり、内部リンクから参照されている場合、検索エンジンはエラーとして認識し、サイト全体の品質スコアに影響を与えることもあるでしょう。
インデックスエラーが増えると、以下のような問題が発生します。
- ページ評価が分散して検索順位が下がる
- 削除済みページがクロール対象になり無駄なリソースを使う
- 検索結果に表示されないページが生じる
- サイト全体の信頼性が低下する
このような問題やエラーを防ぐには、次の対応が重要です。
- 重複コンテンツにcanonicalタグを設定する
- 削除済みURLをsitemap.xmlから除外する
- 必要に応じてnoindexタグを使う
- 内部リンクを最新のページに修正する
- サーチコンソールのエラー項目を定期確認する
- 修正後はサイトマップを再登録する
サイトの品質維持と検索順位向上のためには、こうした基本的なメンテナンスを継続して行いましょう。
参考:ページ インデックス登録レポート – Search Console ヘルプ
更新頻度や優先度の設定は検索エンジンの評価に影響を与える
XMLサイトマップには、更新頻度や優先度といった項目があり、検索エンジンに対してクロールの参考情報を提供する役割があります。
- 更新頻度(changefreq)|検索エンジンに更新頻度を伝える項目。「daily」「weekly」「monthly」などを設定。
- 優先度(priority)|ページの相対的な重要度を0.0〜1.0で設定。重要なページは「0.8〜1.0」、それ以外は「0.5」程度が目安。
これらの設定は検索順位に直接影響しませんが、巡回タイミングや重要度判断に関係する可能性があります。
たとえば、ニュースやブログは「daily」または「hourly」、会社概要など頻繁に変わらないページは「yearly」など、内容に合った頻度に設定することが望ましいです。
優先度は他ページとの相対的な重要性を示すため、コンバージョンにつながるページなどは高めの0.8~1.0に設定するとよいでしょう。
検索エンジンがページの重要性や更新性を判断する材料として、これらの設定を有効活用することがSEO対策ひいてはCVR向上につながります。
参考:サイトマップの作成と送信 | Google 検索セントラル
自動生成ツールでもサーチコンソールで最適化を行うことが理想
XMLサイトマップを自動生成ツールで作成しても、Googleサーチコンソールを使って最適化を行うことが重要です。
放置するとエラーや不要ページがインデックスされ、重要なページのクロールが後回しになるおそれがあるため、以下の対応を推奨します。
- XMLサイトマップをサーチコンソールに登録する
- カバレッジを確認する
- 不要ページを除外設定する
- リダイレクトを適切に行う
- 重要ページの登録を確認する
ツール等でXMLサイトマップを作成後、サーチコンソールにサイトマップを送信し、検出されたURL数やエラー状況を随時確認しましょう。
ツール任せにせず、運用の一部としてサーチコンソールを使って定期的に精度を高めることが、長期的なSEO対策に直結します。
WordPressなどCMSでは自動更新の仕組みを活かして運用負荷を軽減
WordPressなどのCMSを使用している場合、自動でXMLサイトマップを生成・更新する仕組みを活用することで、運用負荷を大きく軽減できます。
手動とは違い、記事を新規投稿または更新するたびに、sitemap.xmlが自動的に書き換えられるため、手動での更新作業が不要です。
特に、All in One SEOやYoast SEOなどのプラグインは、投稿・固定ページだけでなく、カテゴリーページやタグ、カスタム投稿タイプにも対応しており、包括的なサイトマップの自動管理ができます。
自動更新の設定を行うことで、更新忘れによるクロール漏れを防ぎ、常に最新の構造情報を検索エンジンに提供できるでしょう。
自動更新と先ほど紹介したサーチコンソールでの適切な管理を両立することで、効率的かつ効果的なSEO運用につながります。
サイトマップに関して初心者からよく寄せられる疑問と回答集
サイトマップに関する設定や運用にあたって、初心者から寄せられる疑問は少なくありません。
最後にサイトマップに関する代表的な質問とその回答をまとめました。
HTMLとXMLの両方を必ず用意する必要はなく、目的やサイト規模によって使い分ければ問題ありません。
検索エンジン向けにインデックス促進を狙うならXMLサイトマップはほぼ必須ですが、ユーザー向けのHTMLサイトマップはナビゲーション補助が目的です。
小規模なサイトで構造が明確な場合、HTMLサイトマップを省略しても支障はないですが、情報量が多い場合やユーザーが迷いやすい構造のサイトでは、両方用意した方が親切でしょう。
迷ったら両方とも作成・設置することをおすすめしますが、目的に応じて必要な方のみを選択してください。
XMLサイトマップ(sitemap.xml)は、Webサイトのルートディレクトリに配置するのが一般的です。
たとえば「https://example.com/sitemap.xml」のように、ドメイン直下でアクセスできる構成が推奨されます。
WordPressでは、All in One SEOやYoast SEOなどのプラグインを使うことで、自動的にこの場所にサイトマップが生成・公開されるため、手間がかかりません。
一方、手動でXMLサイトマップを作成した場合は、FFFTPなどのFTPソフトやサーバーパネルを使って、ルートディレクトリにアップロードしましょう。
この場所に設置することで、検索エンジンが自動的に検出しやすくなります。さらに、robots.txtに「Sitemap: https://example.com/sitemap.xml」と記述しておくと、クローラーに確実に通知できます。
アップロード後は、URLにアクセスして正しく表示されるか確認しておくと安心です。
Google Search Consoleにサイトマップを送信したのに反映されない場合、いくつかの原因が考えられます。
「サーバーの設定も確認してsitemap.xmlを正しく公開することが重要」で紹介した通り、URLが間違っていないか、ファイルが実際に存在しているかを目視やツールを使って確認しましょう。
ファイルがアクセス制限されていたり、構文エラーがあると、Googleは読み取れません。
URLに日本語や記号が含まれていると処理に失敗する場合もあるため、「取得できませんでした」などのエラーメッセージが出たときは、メッセージ詳細を確認し、修正後に再送信するのが基本です。
サイトマップの更新頻度に明確なルールはありませんが、コンテンツの更新に合わせて調整するのが理想的です。
新しい記事を投稿したり、古いページを削除・修正した場合には、その都度サイトマップにも反映させた方が望ましいでしょう。
WordPressなどのCMSを使っていれば、自動更新により常に最新の状態が保たれますが、手動の場合は、最低でも月1回程度は確認し、必要に応じて手直しを行ってみてください。
定期的に見直すことで、検索エンジンへの正確な情報伝達につながります。