ホスティングサービスとは?機能・特徴・選定ポイントを解説

「Webサイトを公開したいけれど、どうしたらいい?」
こんな疑問に応えるのが、ホスティングサービスです。
ホスティングサービスを利用すると、作成したWebサイトやアプリを、インターネット上に公開できます。
そこでこの記事では、ホスティングサービスについて、その概要を紹介すると共に、種類ごとの違いや選び方まで、わかりやすく解説します。
初めてWebサービスの公開・運用に挑戦しようとしている方は、必見の内容です。

目次
ホスティングサービスとは何か?基本からわかりやすく解説
ホスティングサービスとは、Webサイトやアプリをインターネット上に公開・運用するために欠かせないサービスです。全てのインターネット上のサービスが、何らかのホスティングインフラの上に存在しています。
ただしホスティングインフラには、いくつもの種類があるため、それぞれの特性や自身のニーズに合わせて選定することが重要です。
ここではまず、ホスティングサービスの仕組みと役割をわかりやすく解説します。さらに、ホスティングサービスと共に各種のホスティングインフラとの違いも紹介しますので、理解を深めてください。
ホスティングサービスの仕組みと役割を初心者向けに解説
ホスティングサービスとはいわば、インターネット上の土地、そして住所のレンタルサービスです。
例えばあなたが、HTMLでホームページを作成したとしましょう。この時、ホームページのデータは、あなたのパソコン上にしかありません。世界中の人がホームページを見られるようにするには、インターネット上に公開するための土地を用意する必要があります。
インターネット上の土地は、サーバーと呼ばれます。このサーバーは、次の2つの方法で管理されるのが一般的です。
- 専門のホスティングサービス提供会社が管理
- それぞれの会社や個人が独自に保有・管理
この2つの方法のうち、専門のホスティングサービス提供会社から、管理している土地の一部、つまりサーバーをレンタルするのが、ホスティングサービスです。
ホスティングサービスには主に、次のような役割があります。
- Webサイトの公開
- データの保存
- 高速なアクセス
- 安定稼働
- セキュリティ対策
ホスティングサービスを利用してサーバーにあなたのWebサイトのデータを置くと、インターネットを通じて、誰もがアクセスできるようになります。またWebサイトに必要な全てのデータ、例えばテキスト、画像、動画、プログラムなどは、サーバー上に安全に保管可能です。
ホスティングサービスの多くが、高性能なサーバーと高速なネットワーク回線を提供しています。サーバーの性能が低く、ネットワーク回線が遅いと、Webページを開くのに時間がかかるため、訪問者に大きなストレスを与えかねません。待ちきれず、Webページを閲覧しないで、離脱する可能性もあります。
性能の高いホスティングサービスを利用することは、訪問者が快適にサイトを閲覧できる環境を維持するために、欠かせません。
またホスティングサービスの管理会社は、24時間365日サーバーを監視しています。
私たちにとって身近なインターネットですが、実は常に悪意のある攻撃にさらされる環境です。大量のアクセスを意図的に集中させ、サーバーをダウンさせるDDoS攻撃や、Webサイトの内容を改ざんされたり、個人情報が流出したりする可能性につながるブルートフォース攻撃など、枚挙にいとまがありません。
またサーバー自体が、予期せぬトラブルに見舞われて、エラーを起こす可能性もあります。
しかしホスティングサービスを利用していれば、あなたに代わって管理会社が常に監視しているので、サイトは常に閲覧可能な状態を維持できます。これは、大きなメリットです。
自社サーバーと比較してわかるホスティングの特徴
先に、インターネット上の土地、つまりサーバーは、大きく分けて2つの方法で管理されているとお伝えしました。専門のホスティングサービス提供会社が管理するケースと、それぞれの会社や個人が独自に保有・管理する自社サーバーです。
両者には、どのような違いがあるでしょうか。
Webサイトを公開するために、サーバーが必要な点は、ホスティングサービスでも自社サーバーでも変わりません。しかし、サーバーをどう準備し、どう管理するかの点で、両者は異なります。
- ホスティングサービス:準備も管理もホスティングサービスの管理会社が担当
- 自社サーバー:準備も管理も自社で行う
ホスティングサービスを住宅に例えるなら、すでに建っているアパートやマンションの一室を賃貸するイメージです。一方の自社サーバーは、持ち家に例えられます。土地を買い、自分で家を設計・建築し維持管理も自分で行うケースです。
多くの個人や中小企業が利用するホスティングサービスには、次のような特徴があります。
- 月額数百円〜数千円程度のレンタル料で利用できる
- 初期費用や運用コストを抑えやすい
- 月額料金が明確で、急な高額出費が発生しにくい
- 専門的な部分は全てホスティング会社が行うので、管理の手間が少ない
- サーバーやネットワークに関する専門知識は不要
ただし、利用できる機能やソフトウェアが制限されている場合があります。
<ホスティングサービスが向いている人/企業>
- 専門知識がない
- 初期費用と運用コストを抑えたい
- 手軽にWebサイトの運用を始めたい
- ビジネス規模が小~中程度
一方の自社サーバーの場合は、サーバー機器を自分で購入します。設置場所は、自宅や会社のネットワーク環境、もしくはデータセンターに預けて自分で管理する形態をとるのが一般的です。データセンターは、サーバーを安全かつ安定的に運用するための、専門的な設備が整った場所です。
- サーバーの手配から必要な機器の購入・管理まで自社対応
- 導入に際して初期費用が高額になりがち
- OSやソフトウェアの構築に時間がかかる
- 管理の手間がかかる
- 専門知識が必要
- カスタマイズの自由度が高い
導入に際して初期費用がかかるほか、サーバーの選定、購入、設置、OSやソフトウェアの構築に時間がかかります。またサーバーの故障対応、セキュリティ対策、ソフトウェアのアップデート、障害対応など、全て自社で行うか、専門の人材を雇わなければなりません。
しかし、サーバーのOSからソフトウェア、設定まで、全てを自分の好きなようにカスタマイズできる自由度の高さは魅力です。
<自社サーバーが向いている人/企業>
- 高い自由度とカスタマイズ性が必要
- 専門知識を持つ人材がいる
- 初期投資と運用管理の手間を許容できる
ハウジングやコロケーションとホスティングの違いを比較
ハウジングやコロケーションとホスティングはいずれも、サーバーを安全かつ安定的に運用するための、専門的な設備(データセンター)を利用してシステムを運用するサービスです。しかし、サーバーの所有権と管理の範囲の点で、違いがあります。
ハウジングやコロケーションは、独自サーバーを設置する場合に利用するサービスです。サーバーを自社のネットワークではなく、データセンターに預ける場合に、ハウジングサービスやコロケーションサービスを提供しているデータセンター事業者や通信事業者と契約し、利用します。
自社の持ち物であるサーバーの、設置場所だけレンタルする際に用いるのが、ハウジングやコロケーションです。ハウジングやコロケーションは、あくまでも場所を借りるためのサービスです。サーバーの監視や保守、セキュリティ対策は、自社で行わなければなりません。費用も高額になりがちです。
ただし、データセンターの安定した電源、空調、高速ネットワーク、強固なセキュリティの恩恵を受けられるメリットがあります。
ホスティングはすでに述べた通り、ホスティングサービス会社が管理するサーバーをレンタルする方法です。サーバーの管理からセキュリティまで、ホスティングサービス会社が提供します。しかしサーバーはあくまでもレンタルしているに過ぎないため、契約が終了すると利用できません。
ホスティングサービスの種類ごとの違いや選び方をわかりやすく紹介
個人や中小規模のビジネスがWebサイトをインターネット上に公開するには、適切なホスティングサービスを選ぶことが非常に重要です。ホスティングサービスにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が大きく異なります。
あなたのWebサイトの規模、必要な機能、予算、そして技術的な知識レベルに合わせて最適なものを選ぶことが、快適なWebサイト運用への第一歩です。
ここでは、代表的なホスティングサービスの種類である共用サーバー、専用サーバー、VPS(仮想専用サーバー)、そしてクラウド型ホスティングについて、それぞれの特徴、メリット・デメリット、そしてどんなケースに向いているのかをわかりやすく解説します。
初期コストが低く導入しやすい共用サーバーの特徴と注意点
共用サーバーは一般的にレンタルサーバーとも呼ばれ、一台の高性能なサーバーを複数のユーザーで共有して利用するホスティングサービスです。賃貸マンションの一室を借りて住む様子をイメージするとよいでしょう。
各種ホスティングサービスの中で、最も広く利用されている形態です。
- 低コスト
- 手軽に利用開始できる
- 管理の手間が不要
- 専門的な知識が不要
共有サーバーは、サーバーを複数人で共有するため、初期費用・月額料金共に安価に利用できるメリットがあります。サーバーの管理は全てホスティングサービス会社が行うので、専門的な知識は不要。契約後すぐに利用できるので、Webページの作成や管理に専念できます。
- 他ユーザーの影響を受けることがある
- 自由度の制限
- リソースの上限
一つのサーバーを共同で使用する共有サーバーの場合、同じサーバーを使っている他のユーザーのWebサイトが大量のアクセスを受けたり、リソースを多く消費したりすると、あなたのWebサイトの表示速度が遅くなるなど、影響を受ける可能性があります。
またサーバーの設定やインストールできるソフトウェアに制限がある場合が多いので、高度なカスタマイズはできない可能性が高いでしょう。利用できるCPUやメモリ、ディスク容量には上限があるため、アクセスが急増したり、大規模なシステムを動かしたりする場合には不向きです。
<こんな人におすすめ>
- 初めてWebサイトを作る個人や小規模事業者
- ブログやポートフォリオサイト、シンプルなコーポレートサイトなど、比較的規模の小さいWebサイト
- 費用を抑えて手軽にWebサイトを公開したい
- サーバー管理に時間をかけたくない
共用サーバーのおすすめはLiteSpeedで高速化されたABLENET!

高性能な共用サーバーを選ぶ上で、特に注目したいのが、Webサーバーソフトウェアです。
中でも、LiteSpeed(ライトスピード)は、Webサイトの表示速度向上に大きく貢献します。旧来から使用されているApacheなどと比較して、LiteSpeedはより高速な処理が可能な点が特徴的です。
世界中で多くのWebサイトが利用している代表的なWebサーバーソフトウェアには、以下のようなものがあります。
- Apache HTTP Server(アパッチ):歴史が長く、安定性に優れ、様々なOSで動作
- Nginx(エンジンエックス):大量の同時接続処理に強い
- LiteSpeed(ライトスピード):特にWordPressなどのCMSとの相性がよく、表示速度の向上に寄与
ABLENET(エイブルネット)が提供する共用サーバーは、LiteSpeedを導入。高いパフォーマンスを実現しています。Webサイトの速度は訪問者の快適さに直結するため、SEO(検索エンジン最適化)の観点からも重要な要素です。
共用サーバーで高速化を重視するなら、LiteSpeed対応のサービスを検討することをおすすめします。
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他ユーザーと共有せず安定稼働できる専用サーバーの特長とは
専用サーバーは、一台の物理サーバーを丸ごと占有して利用できる、ホスティングサービスです。土地を借りて一軒家を建てるのを、イメージするとよいでしょう。
- 安定した高速運用が可能
- 自由度が高い
- セキュリティ性能が高い
専用サーバーは、他のユーザーの影響を一切受けずにサーバーを利用できます。サーバーのリソース(CPU、メモリ、ディスク)を最大限に活用できるので、安定した高速な運用が可能です。共用サーバーに比べて、セキュリティリスクを低減できるのも魅力です。
また丸ごとサーバーを契約するので、OSの種類から各種ソフトウェア、ネットワーク構成まで、サーバー環境を完全に自由にカスタマイズできます。
- コストがかかる
- 専門知識が必要
- 導入に時間がかかる
専用サーバーは、共有サーバーに比べて費用が高くなりがちです。またサーバーを自由にデザインできる半面で、全ての管理を自分で行うか、専門の人材を雇う必要があります。
サーバーの選定、構築、設定にこだわりすぎると、初期設定に時間がかかる場合がある点にも、ご注意ください。
<こんな人におすすめ>
- 大規模なWebサイトやECサイト、トラフィックが多いシステムを運用したい
- サーバー環境に高度なカスタマイズが必要なWebサービス
- 高いセキュリティが求められる場合
- サーバー管理の専門知識を持つITチームがいる企業
自由度とコストのバランスが魅力のVPS(仮想専用サーバー)
VPS(VirtualPrivateServer、仮想専用サーバー)は、一台の物理サーバー上に仮想化技術を使って複数の仮想サーバーを構築。それらをユーザーごとに割り当てて、専用サーバーのように利用できるホスティングサービスです。
- 自由度の高さは専用サーバーに近い
- 共用サーバーより安定性が高い
- 専用サーバーよりも低コストで利用できる
- 共用サーバーよりも高性能・高機能な環境を手に入れられる
- プラン変更により、CPUやメモリ、ディスク容量などを比較的容易に増減できることがある
VPSは共有サーバーと似ているのでは、という印象を持つかもしれません。確かに、一台の物理サーバーを複数人で共有するという点では共通です。しかし、共有のされ方と提供される自由度・機能が、大きく異なります。
例えるなら、共有サーバーは学生寮の個室のイメージです。これに対してVPSは、シェアハウスに例えられます。
共有サーバーは、サーバー全体を他の利用者と完全に共有するのが特徴です。一方のVPSでは、物理サーバーは共有するものの、その中に独立した仮想的な区画(VPS)が作られます。
また寮の個室に例えられる共有サーバーでは、部屋は自分専用ですが、家具などのレイアウトは自由に変えられません。シェアハウスに例えられるVPSでは、リビングやキッチンに例えられる物理サーバーのリソースは共有です。しかし部屋の中、つまりOSの選択やソフト導入といった部分では、かなり自由にレイアウト変更できます。
- サーバー管理の知識が必要
- 物理サーバーの影響
自由度の高さが強みのVPSですが、設定や運用はユーザー自身で行う必要があります。サーバー管理の知識がない方や、手間をかけずに運用したい場合は、共用サーバーを検討するとよいでしょう。
またVPSは物理サーバーを他の利用者と共有しているため、全体に障害が発生した場合、その上の全てのVPSに影響が出る可能性がある点は否めません。
<こんな人におすすめ>
- 共用サーバーでは物足りないが専用サーバーほどのコストや手間はかけたくない
- WordPressなどのCMSだけでなく、独自のアプリケーションを動かしたい
- 開発・テスト環境を構築したいエンジニアや開発者
- サーバー管理の基本的な知識は持っているが、専用サーバーを運用するほどではない
ABLENETのVPSなら専用サーバーに近い自由度を手頃な価格で実現

ABLENETのVPSは、専用サーバーに匹敵する自由度を手頃な価格で実現できる仮想専用サーバーサービスです。初期費用1,130円・月額554円から利用でき、root権限付きのサーバー環境を構築可能。管理画面から直感的に操作でき、OS再インストールや再起動も簡単。中小企業や個人事業者にも人気で、初心者でも安心して利用できます。トラフィック増加時は上位プランへの移行もスムーズです。
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高い拡張性と柔軟な運用が可能なクラウド型ホスティングの利点
クラウド型ホスティングは、ネットワーク上の仮想化された複数のサーバーリソースを組み合わせて利用するサービスです。
物理的なサーバーに縛られないため、必要な時に必要な分だけリソースを柔軟に増減できる特徴があります。水道や電気のように、使った分だけ支払う従量課金制が一般的です。
- 自由度の高さは専用サーバーに近い
- 拡張性が高い
- カスタマイズの自由度が高い
- 一部に障害が発生してもサービスが停止しにくい
- 従量課金制でコストの無駄が発生しにくい
拡張性が高いクラウド型ホスティングであれば、CPU、メモリ、ストレージなどをリアルタイムで、ほぼ無制限に増やせます。例えば急にアクセスが集中した場合にも、柔軟に対応可能です。また複数の物理サーバーやデータセンターに分散して稼働するため、仮に一部に障害が発生しても、サービスが停止しにくい利点があります。
利用したリソース分だけ料金が発生する従量課金制を採用しているため、無駄が少ない運用が可能なメリットもあります。
- コストを予測しにくい
- 設定が複雑で難易度が高い
- 他のサービスへの移行が難しいことがある
利用状況によって料金が変動するクラウド型ホスティングの場合、事前に正確な費用を予測しにくい場合があります。想定外の利用があると、急にコストが高額に跳ね上がるリスクがあることは、念頭に置くべきでしょう。
また自由度が高い反面、設定や管理が複雑になりやすいので、ある程度の専門知識が求められます。特定のクラウドプロバイダー(AWS、GCP、Azureなど)の環境に深く依存すると、他のサービスへの移行が難しくなる点にも、注意が必要です。
<こんな人におすすめ>
- アクセスが急激に変動する可能性がある大規模なWebサービス
- 将来的な規模拡大が見込まれるスタートアップ企業
- 開発環境と本番環境を分離して運用したい場合
- 費用の無駄を抑えたい企業
- システムが常に止まらずに動き続けるようにしたい場合
- クラウドの専門知識を持つエンジニアや開発チームがいる場合
ホスティングサービスを使うと利用できる基本機能を紹介
ホスティングサービスは、単にWebサイトのデータを置いてインターネット上に公開するだけのツールではありません。Webサイトをインターネット上に公開し、さらにスムーズに運営するために欠かせない、各種のサービスを提供しています。
ここでは、ホスティングサービスを契約することで利用できる主要な基本機能について、わかりやすく解説します。これらの機能を理解することは、あなたのWebサイト運営をより効率的かつ安全に進める上で非常に役立つでしょう。
Web・メールサーバーの運用に必要な機能やFTP接続
ホスティングサービスの最も基本的な役割は、あなたのWebサイトをインターネット上に公開することです。これを実現するため、Webサーバーをはじめとする関連機能が提供されます。
Webサーバー機能
ホスティングサービスと契約すると、あなたのWebサイトデータを保管し、インターネットへ配信するためのWebサーバーが提供されます。作成したHTMLファイルや画像などをWebサーバーにアップロードすると、ユーザーがブラウザからアクセスした際に、Webサーバーからデータが送信され、Webサイトが表示される仕組みです。
多くのサービスでは、ApacheやNginx、高速なLiteSpeedといったWebサーバーソフトウェアが裏側で処理します。あなたはファイルをサーバーに置くだけで、Webサイトの運用が可能です。
メールサーバー機能
ホスティングサービスを利用すると、Webサイトと同じ独自ドメインを使ったメールアドレス(例:info@yourwebsite.com)を作成・運用できます。独自ドメインのメールアドレスなら、ビジネスの信頼性が向上するほか、ブランドイメージの統一も図れるでしょう。これは、大きなメリットです。
WebメールやPOP3/IMAP4対応に加えて、スパム・ウイルス対策機能も含まれる傾向があります。なおWebメールやPOP3/IMAP4の違いは、次の通りです。
- Webメール:Webブラウザを使ってメールを閲覧・送受信する方法。どこからでもアクセスでき、メールは常にサーバーに保存される。
- POP3:メールをサーバーからパソコンやスマートフォンなどの端末にダウンロードして保存する方法。ダウンロード後はサーバーから削除されるのが一般的で、オフラインでも閲覧可能。
- IMAP4:メールをサーバー上に置いたまま閲覧・管理する方法。複数の端末間でメールの状態(既読・未読、フォルダ分けなど)が常に同期される。
データベース機能(MySQL/PostgreSQLなど)
WordPressのようなCMSやECサイトなど、動的なWebサイトには、データベースが必須です。なおデータベースは、コンテンツやユーザー情報などを整理して保存する情報の倉庫の役割を担います。
そこでホスティングサービスは、MySQLやPostgreSQLといったデータベースを提供しています。ホスティングサービスの管理画面から、データベースやWebサイトの設定が可能です。専門的なコマンドや複雑なコードは不要なので、誰でも直感的に作成・連携できます。
FTP/SFTP接続
作成したWebサイトのファイルをサーバーにアップロードしたり、サーバーからダウンロードしたりするために、ホスティングサービスでは、FTP(File Transfer Protocol)や、より安全なSFTP(SSH File Transfer Protocol)が提供されています。
FileZillaなどのFTPクライアントソフトを利用すると、Webサイトの更新や管理がスムーズです。
WordPressなどのCMSを利用している場合は、FTPやSFTPを使う機会はほとんどありません。記事の投稿や画像のアップロードは、管理画面から簡単にできるように設計されています。
しかし、以下のような場合にはFTPやSFTPが必要ですので、覚えておきましょう。
- WordPressで重大なエラーが発生し、管理画面にログインできない時
- Webサイトのファイルを丸ごとバックアップ・復元する時(手動の場合)
- WordPress以外の静的なHTMLサイトや別のCMSを運用する時
- 特定のサーバー設定ファイル(.htaccessなど)を直接編集する時
独自ドメインやSSL証明書などの設定・管理機能
ホスティングサービスを利用すると、Webサイトを運営する上で、欠かせない次の機能の提供を受けられます。
Webサイトには、インターネット上の唯一の住所となるドメイン名が必要です。これは、example.comやyourblog.jpといった、あなたのWebサイトの固有のアドレスとなります。
ホスティングサービスを契約すると、契約したサーバーに取得した独自ドメインを紐付けられます。これによって、あなたのサイトの固有のアドレスを入力すれば、誰もがサイトを訪れて閲覧できる状態に整えることが可能です。
なおABLENETでは、サーバーだけでなくドメインの取得もサポートしています。ABLENETでドメインを取得しそのままABLENETのサーバーに紐づければ、面倒な設定の手間がありません。
またWebサイトの運営では、HTTPS化が重要です。
WebサイトのURLが「http://」ではなく「https://」で始まる場合、そのサイトはSSL/TLS暗号化が施されています。
「s」の一文字が増えただけで、大きな違いはないように思うかもしれません。しかし「https://」にするとは、ブラウザとWebサーバー間の通信を暗号化する技術です。ユーザーが入力するパスワードやクレジットカード番号といった情報が第三者に盗まれたり、改ざんされたりするリスクを大幅に低減する効果につながります。
現代において、WebサイトをSSL化することは、セキュリティ設定の基本です。またGoogleなどの検索エンジンは、SSL化されたサイトを検索結果で優遇する傾向にあります。Webサイトを多くの人に見つけてもらうためのSEO対策として、SSL化は必須です。
なおABLENETをはじめ多くのホスティングサービスは、無料のSSL証明書(Let’s Encryptなど)の自動設定機能を提供しています。Webサイトをサーバーに紐づけたら、忘れずにSSL化しましょう。
CMSの簡単インストールとサイト表示の高速化
ABLENETなどのホスティングサービスは、Webサイトの構築・運用をサポートするための機能として、CMSの簡単インストールサービスを提供しています。
なおCMSとは、Webサイトのコンテンツ(テキスト、画像、デザインなど)を一元的に管理・編集・公開できるシステムです。代表的なのは、WordPressでしょう。
ホスティングサービスの多くは、このWordPressやその他の人気CMS(例:EC-CUBE、Joomla!、Drupalなど)を、管理画面から数クリックで自動的にインストールできる機能を提供しています。手動でデータベースを作成したり、ファイルをアップロードしたりする手間を省けるので、すぐにWebサイトのコンテンツ作成に取りかかれるのは、大きなメリットです。
またホスティングサービスは、サイト表示を高速化するための様々な技術を導入しています。Webサイトの表示速度は、ユーザー体験(UX)に直結する、重要な要素です。表示速度が遅いと、ユーザーがサイトを離れるリスクが高まり、機会損失につながる可能性があります。さらに検索エンジンの評価にも影響するため、サイト表示の高速化は、必須事項です。
そのためABLENETでは、高速なWebサーバーソフトウェアであるLiteSpeedを採用しています。
サイト表示の高速化に貢献する機能には、次のようなものもあります。
- SSD/NVMeストレージ:データの読み込み速度が向上
- CDN(Contents Delivery Network)連携:Webサイトの画像を圧縮したり、世界中に分散配置されたサーバーから最も近い場所のサーバーからコンテンツを配信したりといった方法で、表示速度を向上させる仕組み
- キャッシュ機能:一度表示したWebページのデータを一時的に保存(キャッシュ)し、次回以降の表示を高速化する機能
利用するサーバーを検討する際は、これらが標準装備されているかチェックするとよいでしょう。
トラブル時にも安心できる自動バックアップと復元
ホスティングサービスでは、万が一の事態に備えた保険ともいえる機能を提供しています。その代表例が、自動バックアップと復元の機能です。
自動バックアップ機能は、あなたのWebサイトのデータ(ファイル)とデータベースのデータを、定期的に自動でバックアップする機能です。バックアップ頻度や保存期間は、サービスによって異なります。
しかし自動でバックアップされるので、自分でバックアップを取る手間がありません。また、うっかりバックアップし忘れたといったリスクを回避できます。
バックアップデータは、契約しているサーバーとは別の場所に保存されるのが一般的です。仮に物理サーバーが故障した場合でも、データが失われるリスクを低減できます。
またホスティングサービスを利用していれば、万が一Webサイトのデータが破損したり、誤って重要なファイルを削除してしまったりした場合でも、自動バックアップされたデータを使ってWebサイトを以前の状態に復元することが可能です。
多くのホスティングサービスは、管理画面から簡単に復元したい日付を選んで、自分で復元操作ができるツールを提供しています。自分で操作が難しい場合は、復元作業の代行を依頼できるサービスもあるので、安心です。
ホスティングサービスで採用されている主な安全対策とサポート
Webサイトを運営する上で、サーバーのセキュリティは最重要項目です。
例えばハッキングやデータ漏洩が起きれば、サイト運営者の信用を失墜させるだけではありません。法的な問題に発展する可能性もあります。こういったリスクを回避するために、ホスティングサービスは、Webサイトを守るための、多岐にわたる安全対策とサポート機能を提供しています。
ここでは、次の4つの安全対策を取り上げて紹介します。
- SSL通信やファイアウォールによる安全なデータ送受信の確保
- 24時間監視や改ざん検知などによるトラブルの早期発見と対処
- ウイルス・スパム対策で外部攻撃からサービスを守る保護対策
- root権限の有無と運用自由度のバランス
SSL通信やファイアウォールによる安全なデータ送受信の確保
SSL/TLS通信は、Webサイトとユーザーのブラウザ間で行われるデータのやり取りを暗号化する技術です。これにより、ユーザーが入力したパスワードやクレジットカード情報、個人情報などが第三者に傍受されても、内容を解読される心配がありません。
先に、Webサイトの運営では、HTTPS化が重要とご説明しました。Webサイトのアドレスが「http://」から「https://」に変わるのは、このSSL/TLS通信が有効になっている証拠です。
多くのホスティングサービスは、無料のSSL証明書であるLet’sEncryptを簡単に設定できる機能を提供しています。専門知識がなくても、簡単な設定で、安全な通信環境の構築が可能です。
もう一つのファイアウォールは、いわば、不正なアクセスや通信からサーバーを保護するための防御壁です。サーバーを脅かす攻撃は多岐にわたりますが、例えば次のようなものがあります。
- DDoS攻撃(大量アクセス攻撃):サーバーをパンクさせるために、大勢が一斉にWebサイトを訪れる攻撃
- ブルートフォースアタック(総当たり攻撃):ログインIDやパスワードを、手当たり次第に試して突破しようとする攻撃
ファイアウォールは、こうした不審な通信パターンを検知し、ブロックすることで、サーバーへの不正な侵入を防ぎます。
これらの対策は、Webサイトのセキュリティ基盤を強固にし、ユーザーが安心してサイトを利用できる環境を提供するために不可欠です。
24時間監視や改ざん検知などによるトラブルの早期発見と対処
多くのホスティングサービスは、Webサイトやサーバーの異常を早期に発見し、対処するための体制を整えています。その中核をなすのが、24時間365日のシステム監視です。
サーバーがダウンしていないか、異常な負荷がかかっていないか、不正なアクセスが発生していないかなど、常時監視しています。万が一サーバーに何らかのトラブルが発生した場合でも、管理者がすぐに異常を察知し、迅速に復旧作業に取りかかることが可能です。
人間の目でのチェックに加えて、自動化された監視システムを連携させることで、深夜や休日でもタイムリーな対応が実現されています。
また、改ざん検知機能も重要な安全対策の一つです。ホスティングサービスは、Webサイトのファイルやデータベースがサイバー攻撃によって不正に改ざんされていないか、常にチェックしています。
もし改ざんが検知されれば、即座にアラートを発動。管理者が対応して被害の拡大を防ぐとともに元の状態に復旧させます。Webサイトの信頼性の維持だけでなく、不正な情報の拡散やマルウェアへの感染のリスク低減にも効果的です。
ウイルス・スパム対策で外部攻撃からサービスを守る保護対策
ホスティングサービスは、Webサイトやデータを外部からの悪意ある攻撃から守るため、多層的なセキュリティ対策を講じています。その中でも、ウイルス・スパム対策はサービスの安定稼働と信頼性維持に不可欠な機能です。
まずメールサービスにおけるウイルス・スパム対策を紹介しましょう。ホスティングサービスは、メールがサーバーに届く前の段階で、不要なメールや危険なメールを取り除き、メールボックスを安全な状態に保ちます。ホスティングサービス側で常に、最新の脅威情報に基づいて定義ファイルが更新されるので、新しい手口の攻撃にも迅速に対応可能です。
また、疑わしいメールを自動で迷惑メールフォルダに振り分ける機能や、送信ドメイン認証技術を導入して、フィッシング詐欺やなりすましメールへの対策も強化しています。
次に、Webサイトに対する保護としては、Webサイトの改ざんや情報漏洩のリスクを大幅に低減する、WAF(Web Application Firewall)の導入が一般的です。WAFは、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といったWebアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃を、リアルタイムで検知・遮断します。
さらに、不正アクセスやDDoS攻撃対策として、インターネット回線を通るデータ(トラフィック)の流れを、ネットワーク全体の視点からリアルタイムで監視・分析し、大量のアクセスを分散・遮断する仕組みも備わっています。
root権限の有無と運用自由度のバランス
ホスティングサービスを選ぶ際は、利用者がサーバーのroot権限を使えるかどうかチェックしましょう。
なおroot権限とは、システム全体を管理・操作できる最も強力な権限のことです。これを持つことでOSの設定変更、ソフトウェアのインストール、サービスの起動・停止など、あらゆる操作が可能になります。つまりroot権限の有無は、サーバー運用の自由度に直結する重要な要素です。
root権限が提供されるVPS(仮想専用サーバー)や専用サーバーの場合、利用者は環境を自由にカスタマイズできます。特定のアプリケーション要件や独自のセキュリティポリシーを適用したい場合は、root権限がある方が有利です。
例えば、標準で提供されていないプログラミング言語の実行環境を構築したり、特定のデータベースシステムを導入したり、パフォーマンス最適化のためにカーネルパラメータを調整したりといったことが自由に行えます。これは、開発者や高度な知識を持つユーザーにとって、大きなメリットです。
しかしroot権限の付与は、運用における責任とリスクを伴います。誤った操作は、サーバー全体の不安定化やセキュリティホールを生み出し、その結果、データ損失やサービス停止につながることもあります。
一方でroot権限が提供されない共有サーバーや、サーバーの運用や管理を専門の業者に一任できるサービスマネージド型のサービスでは、システム管理はホスティング事業者が行います。利用者は、限定された範囲での操作しかできません。しかしその分、サーバーの運用・保守の手間から解放され、セキュリティ対策も事業者に任せられます。
専門知識があり、自由にサーバーをカスタマイズしたい場合はroot権限があるホスティングサービスを、サーバー管理よりもコンテンツ作成やビジネスに集中したい場合は、root権限の有無以外の要素を比較して最適なサービスを選ぶとよいでしょう。
導入から運用開始までに必要なサポート内容を紹介
ここまで、ホスティングサービスの概要を紹介しました。ただ実際にホスティングサービスを使い始めるとなると、難しそうに感じるかもしれません。
しかしご安心くださいホスティングサービスには、導入から運用開始までの段階で、初めての方でもスムーズに設定できるような仕組みが用意されています。
ここからは、Webサイトをインターネットで公開し、スムーズに使い始めるまでの過程で、よくある設定や操作を取り上げ、わかりやすく紹介します。
独自ドメインやメールを使い始めるための初期設定がすぐにできる
Webサイトをインターネット上で公開するには、住所である独自ドメインの設定が不可欠です。
自分でサーバーを構築してドメインを設定するとなると、専門知識は必須。またかなりの費用と時間がかかります。しかし、ほとんどのホスティングサービスでは、契約の流れの中でドメインの取得方法や、それをあなたのサーバーで使えるようにする設定方法を、わかりやすく提供しています。
画面に表示される指示に従って、いくつかの項目を入力するだけで、あっという間にあなた専用のインターネット上の拠点が完成するでしょう。
さらに独自ドメインを使った、独自メールアドレス(例:info@〇〇.com)も、Webサイトの公開と同時にすぐに使い始められます。これも、サービスの管理画面から驚くほど簡単な操作で設定可能です。
たった数ステップで、プロフェッショナルな印象を与えるメールアドレスが手に入り、ビジネスや個人の信頼性がぐんと高まります。
希望するOSを選んでインストールできる構築時の基本機能
Webサイトの土台となるサーバーでは、あなたのパソコンと同じように、OS(オペレーティングシステム)という基本的なソフトウェアが動いています。
OSとは、サーバー上で動かすWebサイトの作成ツールやプログラムの種類に影響する、大切な機能です。ホスティングサービスでは、このOSの種類や設定を、Webサイトの目的に合わせて調整します。
なお多くのホスティングサービスで提供されている共有サーバーでは、すでにWebサイト運営に最適なOSが設定されています。例えばWordPressのような人気のツールでも、細かなOSの設定を気にせず、すぐに使い始められるので便利です。難しい知識がなくても、すぐにWebサイト作りを始められます。
もし、より専門的な設定や特定のOSが必要な場合は、VPSなどを選ぶことで、自由にOSを選んでインストールする選択肢もあります。
他社サービスからもスムーズに移せるデータやシステムの移行機能
すでに別の場所でWebサイトを運営していて、新しいホスティングサービスに乗り換えたいと考えている場合もあるでしょう。この場合でも、簡単にサイトの引越しを進められます。
例えば多くのホスティングサービスで、Webサイトのファイル(画像やテキストなど)や、データベースのデータを自動で新しいサーバーにコピーする移行ツールが提供されています。また自分で作業するのが不安な場合は、専門のスタッフが引越し作業を代行するオプションが用意されていることも。
移行ツールを使って効率的にサイトの引越しを進めれば、現在のWebサイトを一時的に見られなくする時間の発生を最小限に抑えながら、新しいホスティングサービスへ安全に引越せるでしょう。
それはまるで、熟練の引越し業者が、あなたのデリケートな家財道具を丁寧に梱包して、新しい家へ運び入れてくれるようなもの。Webサイトにアクセスできなくなる時間を気にせずスムーズにサービスを継続できるので、ユーザーに迷惑をかける心配もほとんどありません。
トラブルが起きてもすぐ対応できる運用中の監視や保守の仕組み
Webサイトは、一度公開して終わりではありません。ユーザーがいつでもインターネット上で安定してサイトを訪れ、閲覧できるようにするためには、運用中の監視や保守が重要です。
そこでホスティングサービスは、サイト管理者の代わりにWebサイトを常に見守り、何かあった時にはすぐ駆けつけます。
具体的には、Webサイトが正常に表示されているか、サーバーがきちんと動いているか、あるいは通常では考えられない怪しい動きがないかなど、24時間365日、休みなく自動でチェックしています。
万が一サーバーに異変があったり、Webサイトを狙ったサイバー攻撃の兆候があった場合は、ホスティングサービスの専門チームがすぐに異常を察知し、自動で警告が出されたり、即座に復旧作業や防御策を講じたりします。
こういった障害から守る仕組みに加えて、日々の見えないメンテナンスも行います。
例えば、サーバーのプログラムを最新の状態に保つアップデート作業や、セキュリティの穴を塞ぐためのパッチ適用なども、サービス側が適切に実施。これにより、あなたは技術的な心配をせずに、安心してWebサイトのコンテンツを充実させたり、ビジネスの成長に集中したりできるでしょう。
ホスティングサービスは、あなたのWebサイトを裏側でしっかりと支え、トラブルから守る、頼れる番人のような存在です。
ホスティングサービスの選び方で確認するポイントを4つ紹介
ホスティングサービスを選ぶ際、何を基準にすればよいか迷うかもしれません。ここでは、失敗しないサービス選びをするためにチェックしたい、4つのポイントを紹介します。
- 目的に合った使い方でホスティングサービスを選ぶ
- アクセス増や負荷にも対応できる拡張性と安定稼働
- 技術サポートや運用支援の体制を事前に確認しておく
- 月額費用と初期費用の総額で選ぶ
それぞれ順に解説します。
目的に合った使い方でホスティングサービスを選ぶ
先にも紹介したように、ホスティングサービスには、共有サーバー、VPS(仮想専用サーバー)、専用サーバーなど様々な種類があります。
ブログやシンプルなホームページなどであれば、共有サーバーで十分なケースがほとんどです。共有サーバーなら、費用も抑えられます。
もしアクセスが非常に多い大規模サイトや、特殊なシステムを動かしたい場合は、より自由度の高いVPSや専用サーバーを検討しましょう。
Webのサイト規模や目的に最適なタイプを選ぶことが大切です。
アクセス増や負荷にも対応できる拡張性と安定稼働
Webサイトの成長に合わせて、サーバーの性能を柔軟に変えられるかどうかは、重要なチェックポイントです。将来的にアクセスが増えた際に、スムーズにプランをアップグレードできる拡張性があるか、確認しましょう。
また、サーバーが常に安定して稼働しているか、ホスティングサービスの公式サイトや公式のSNSで、過去の障害情報などをチェックすることが大切です。安定性の高いサービスを選ぶことが、サイトの信頼性に直結します。
技術サポートや運用支援の体制を事前に確認しておく
サーバー運用中に、予期せぬトラブルが起きる可能性はゼロではありません。そんな時に、迅速かつ的確なサポートを受けられるかは非常に重要です。
24時間365日のサポート体制があるか、メールや電話、チャットなど、どのような手段でサポートを受けられるかを確認しましょう。
特に初心者の方は、専門知識がなくても管理を任せられるマネージドサービスも選択肢に入れると安心です。
月額費用と初期費用の総額で選ぶ
ホスティングサービスの料金は、月額費用だけでなく、契約時に一度だけ発生する初期費用も考慮に入れる必要があります。
一見すると月額料金は安くても、初期費用が高額な場合があるので、ご注意ください。その一方で、契約期間によって、月額料金が割引されるケースもあります。
年間や複数年で利用する際の総額で比較し、予算に合った、かつ最もコストパフォーマンスのよいホスティングサービスを選びましょう。
ホスティングサービスを利用するメリットと注意点
ホスティングサービスは、Webサイトを公開する上で便利なので、多くの方に利用されています。
ここでは、ホスティングサービスを利用することで期待できるメリットと共に、注意点についても紹介します。強みと弱点の両方を知ることで、メリットを最大化できるでしょう。
サーバーを自前で持たなくても安定運用できる手軽さが魅力
ホスティングサービス最大のメリットは、専門知識がなくても手軽にWebサイトを公開・安定運用できる点です。
自分で高価なサーバー機器を用意したり、設置場所を確保したりする必要がありません。また、サーバーの保守やセキュリティ対策、24時間365日の監視といった専門的な作業も、基本的にホスティング事業者が行います。これにより、あなたは技術的な心配をすることなく、Webサイトのコンテンツ作成やビジネスの成長に集中できます。
初期費用や月額費用も、自分でサーバーを持つ場合に比べて大幅に抑えられることが多く、コスト面でも魅力的です。
共用環境で起きる制限や他ユーザーの影響に注意
ホスティングサービスのうち、手軽さが魅力の共有サーバーは、コストを抑えながら利用できるメリットがあります。ただし一つの物理サーバーを複数のユーザーで共有する仕組みを採用していることから、いくつか注意しなければなりません。
まず、利用できる機能や設定が、制限される場合があります。例えば、特定のソフトウェアのインストールができなかったり、サーバーの根幹に関わる設定変更ができなかったりといったことが考えられるでしょう。
また、同じサーバーを利用している他のユーザーの活動が、あなたのWebサイトに影響を与える可能性もゼロではありません。もし他のユーザーのWebサイトに急激なアクセス集中があったり、セキュリティ上の問題が発生したりすると、一時的にあなたのWebサイトの表示速度が遅くなったり、不安定になったりするリスクがある点を、理解する必要があります。
障害時のBCP(事業継続計画)対策を事前に確認
Webサイトの運用において、サーバーの障害は避けられないリスクの一つです。そのためホスティングサービスを契約する前に、万が一のトラブル時にBCP(事業継続計画)対策をどのようにサポートするか、事前に確認することが重要です。
具体的には、データの自動バックアップ機能が提供されているか、そしてそのバックアップがどのくらいの頻度で行われ、どれくらいの期間保存されるのか、をチェックしましょう。
また、障害発生時の復旧にかかる時間(RTO:目標復旧時間)や、データ損失の許容範囲(RPO:目標復旧時点)がどの程度であるか、サービスレベルアグリーメント(SLA)などで明示されているかを確認すると安心です。
もちろん一概に、この数値なら安心、といい切ることはできません。Webサイトの種類やビジネスの重要度によって、安心といえる目安の数値は、大きく異なります。
参考までに、収益に直結しない一般的なブログや個人サイト、情報提供サイトの場合で、RTOは、数時間〜24時間以内とされています。
SLAは、稼働率の数値が高いことが、安定の判断基準です。さらに自動バックアップが毎日行われていること、そのデータが何日分(または何世代分)保存されるのか、といった点を確認しましょう。
ホスティングサービス導入の際によくある質問
ホスティングサービス導入の際によくある質問に回答します。ぜひサービス選びの参考にしてください。
ホスティングは、Webサイトをインターネットで公開するためのサーバー環境を提供するサービスの総称です。
一方のレンタルサーバーは、そのホスティングサービスの一種であり、物理サーバーの一部を借りる最も一般的な形式を指します。レンタルサーバーは、ホスティングサービスに含まれる、と考えるとわかりやすいでしょう。
主な基準は、Webサイトの規模と目的、そして予算です。
- ブログや小規模サイト:手軽で費用が安い共有サーバーがおすすめ
- 大規模サイトや特殊なシステム:より高い自由度と性能を持つVPS(仮想専用サーバー)や専用サーバーを検討
- 専門知識に自信がない:共用サーバーか、サーバー管理を任せられるマネージド型サービスが安心
上記を参考に、ご自身に最適のサービスを選びましょう。
ホスティングサービスでは、SSL/TLS通信、ファイアウォール、ウイルス・スパム対策、改ざん検知など、多くのセキュリティ対策を提供しています。
これらに加えてご自身で行う必要があるのは、以下の対策です。
- パスワードの強化
- OSや利用するアプリケーション(WordPressなど)の定期的なアップデート
- 不審なメールやファイルを開かない
契約までに、次の点を確認しましょう。
- 必要なディスク容量や転送量:サイトの規模やアクセス数に合うか
- 対応するプログラミング言語やデータベース:制作予定のサイトが動作するか
- WordPressなどのCMS対応:ワンクリックインストール機能の有無
- SSL証明書の提供:無料で簡単に導入できるか
- バックアップ機能:自動バックアップの頻度や保存期間
これらをあらかじめ確認することで、後々のトラブルを防げます。
基本的には可能です。
多くのホスティングサービスは、Webサイトのファイルやデータベースを新しいサーバーへ移すための移行ツールやマニュアルを提供しています。中には、専門スタッフが移行作業を代行するオプションもあるので、不安があれば利用を検討しましょう。
またサイトの移行中は、Webサイトが一時的に見られなくなる時間(ダウンタイム)が発生します。このダウンタイムを最小限に抑えるために、あらかじめ準備することが重要です。

ABLENET
運営者情報
ABLENET®は株式会社ケイアンドケイコーポレーションが提供するホスティングサービスです。レンタルサーバー(共用サーバー)、VPS(仮想サーバー)、GPUサーバーを提供しています。
ホスティングサービスとは?機能・特徴・選定ポイントを解説

「Webサイトを公開したいけれど、どうしたらいい?」
こんな疑問に応えるのが、ホスティングサービスです。
ホスティングサービスを利用すると、作成したWebサイトやアプリを、インターネット上に公開できます。
そこでこの記事では、ホスティングサービスについて、その概要を紹介すると共に、種類ごとの違いや選び方まで、わかりやすく解説します。
初めてWebサービスの公開・運用に挑戦しようとしている方は、必見の内容です。

目次
ホスティングサービスとは何か?基本からわかりやすく解説
ホスティングサービスとは、Webサイトやアプリをインターネット上に公開・運用するために欠かせないサービスです。全てのインターネット上のサービスが、何らかのホスティングインフラの上に存在しています。
ただしホスティングインフラには、いくつもの種類があるため、それぞれの特性や自身のニーズに合わせて選定することが重要です。
ここではまず、ホスティングサービスの仕組みと役割をわかりやすく解説します。さらに、ホスティングサービスと共に各種のホスティングインフラとの違いも紹介しますので、理解を深めてください。
ホスティングサービスの仕組みと役割を初心者向けに解説
ホスティングサービスとはいわば、インターネット上の土地、そして住所のレンタルサービスです。
例えばあなたが、HTMLでホームページを作成したとしましょう。この時、ホームページのデータは、あなたのパソコン上にしかありません。世界中の人がホームページを見られるようにするには、インターネット上に公開するための土地を用意する必要があります。
インターネット上の土地は、サーバーと呼ばれます。このサーバーは、次の2つの方法で管理されるのが一般的です。
- 専門のホスティングサービス提供会社が管理
- それぞれの会社や個人が独自に保有・管理
この2つの方法のうち、専門のホスティングサービス提供会社から、管理している土地の一部、つまりサーバーをレンタルするのが、ホスティングサービスです。
ホスティングサービスには主に、次のような役割があります。
- Webサイトの公開
- データの保存
- 高速なアクセス
- 安定稼働
- セキュリティ対策
ホスティングサービスを利用してサーバーにあなたのWebサイトのデータを置くと、インターネットを通じて、誰もがアクセスできるようになります。またWebサイトに必要な全てのデータ、例えばテキスト、画像、動画、プログラムなどは、サーバー上に安全に保管可能です。
ホスティングサービスの多くが、高性能なサーバーと高速なネットワーク回線を提供しています。サーバーの性能が低く、ネットワーク回線が遅いと、Webページを開くのに時間がかかるため、訪問者に大きなストレスを与えかねません。待ちきれず、Webページを閲覧しないで、離脱する可能性もあります。
性能の高いホスティングサービスを利用することは、訪問者が快適にサイトを閲覧できる環境を維持するために、欠かせません。
またホスティングサービスの管理会社は、24時間365日サーバーを監視しています。
私たちにとって身近なインターネットですが、実は常に悪意のある攻撃にさらされる環境です。大量のアクセスを意図的に集中させ、サーバーをダウンさせるDDoS攻撃や、Webサイトの内容を改ざんされたり、個人情報が流出したりする可能性につながるブルートフォース攻撃など、枚挙にいとまがありません。
またサーバー自体が、予期せぬトラブルに見舞われて、エラーを起こす可能性もあります。
しかしホスティングサービスを利用していれば、あなたに代わって管理会社が常に監視しているので、サイトは常に閲覧可能な状態を維持できます。これは、大きなメリットです。
自社サーバーと比較してわかるホスティングの特徴
先に、インターネット上の土地、つまりサーバーは、大きく分けて2つの方法で管理されているとお伝えしました。専門のホスティングサービス提供会社が管理するケースと、それぞれの会社や個人が独自に保有・管理する自社サーバーです。
両者には、どのような違いがあるでしょうか。
Webサイトを公開するために、サーバーが必要な点は、ホスティングサービスでも自社サーバーでも変わりません。しかし、サーバーをどう準備し、どう管理するかの点で、両者は異なります。
- ホスティングサービス:準備も管理もホスティングサービスの管理会社が担当
- 自社サーバー:準備も管理も自社で行う
ホスティングサービスを住宅に例えるなら、すでに建っているアパートやマンションの一室を賃貸するイメージです。一方の自社サーバーは、持ち家に例えられます。土地を買い、自分で家を設計・建築し維持管理も自分で行うケースです。
多くの個人や中小企業が利用するホスティングサービスには、次のような特徴があります。
- 月額数百円〜数千円程度のレンタル料で利用できる
- 初期費用や運用コストを抑えやすい
- 月額料金が明確で、急な高額出費が発生しにくい
- 専門的な部分は全てホスティング会社が行うので、管理の手間が少ない
- サーバーやネットワークに関する専門知識は不要
ただし、利用できる機能やソフトウェアが制限されている場合があります。
<ホスティングサービスが向いている人/企業>
- 専門知識がない
- 初期費用と運用コストを抑えたい
- 手軽にWebサイトの運用を始めたい
- ビジネス規模が小~中程度
一方の自社サーバーの場合は、サーバー機器を自分で購入します。設置場所は、自宅や会社のネットワーク環境、もしくはデータセンターに預けて自分で管理する形態をとるのが一般的です。データセンターは、サーバーを安全かつ安定的に運用するための、専門的な設備が整った場所です。
- サーバーの手配から必要な機器の購入・管理まで自社対応
- 導入に際して初期費用が高額になりがち
- OSやソフトウェアの構築に時間がかかる
- 管理の手間がかかる
- 専門知識が必要
- カスタマイズの自由度が高い
導入に際して初期費用がかかるほか、サーバーの選定、購入、設置、OSやソフトウェアの構築に時間がかかります。またサーバーの故障対応、セキュリティ対策、ソフトウェアのアップデート、障害対応など、全て自社で行うか、専門の人材を雇わなければなりません。
しかし、サーバーのOSからソフトウェア、設定まで、全てを自分の好きなようにカスタマイズできる自由度の高さは魅力です。
<自社サーバーが向いている人/企業>
- 高い自由度とカスタマイズ性が必要
- 専門知識を持つ人材がいる
- 初期投資と運用管理の手間を許容できる
ハウジングやコロケーションとホスティングの違いを比較
ハウジングやコロケーションとホスティングはいずれも、サーバーを安全かつ安定的に運用するための、専門的な設備(データセンター)を利用してシステムを運用するサービスです。しかし、サーバーの所有権と管理の範囲の点で、違いがあります。
ハウジングやコロケーションは、独自サーバーを設置する場合に利用するサービスです。サーバーを自社のネットワークではなく、データセンターに預ける場合に、ハウジングサービスやコロケーションサービスを提供しているデータセンター事業者や通信事業者と契約し、利用します。
自社の持ち物であるサーバーの、設置場所だけレンタルする際に用いるのが、ハウジングやコロケーションです。ハウジングやコロケーションは、あくまでも場所を借りるためのサービスです。サーバーの監視や保守、セキュリティ対策は、自社で行わなければなりません。費用も高額になりがちです。
ただし、データセンターの安定した電源、空調、高速ネットワーク、強固なセキュリティの恩恵を受けられるメリットがあります。
ホスティングはすでに述べた通り、ホスティングサービス会社が管理するサーバーをレンタルする方法です。サーバーの管理からセキュリティまで、ホスティングサービス会社が提供します。しかしサーバーはあくまでもレンタルしているに過ぎないため、契約が終了すると利用できません。
ホスティングサービスの種類ごとの違いや選び方をわかりやすく紹介
個人や中小規模のビジネスがWebサイトをインターネット上に公開するには、適切なホスティングサービスを選ぶことが非常に重要です。ホスティングサービスにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が大きく異なります。
あなたのWebサイトの規模、必要な機能、予算、そして技術的な知識レベルに合わせて最適なものを選ぶことが、快適なWebサイト運用への第一歩です。
ここでは、代表的なホスティングサービスの種類である共用サーバー、専用サーバー、VPS(仮想専用サーバー)、そしてクラウド型ホスティングについて、それぞれの特徴、メリット・デメリット、そしてどんなケースに向いているのかをわかりやすく解説します。
初期コストが低く導入しやすい共用サーバーの特徴と注意点
共用サーバーは一般的にレンタルサーバーとも呼ばれ、一台の高性能なサーバーを複数のユーザーで共有して利用するホスティングサービスです。賃貸マンションの一室を借りて住む様子をイメージするとよいでしょう。
各種ホスティングサービスの中で、最も広く利用されている形態です。
- 低コスト
- 手軽に利用開始できる
- 管理の手間が不要
- 専門的な知識が不要
共有サーバーは、サーバーを複数人で共有するため、初期費用・月額料金共に安価に利用できるメリットがあります。サーバーの管理は全てホスティングサービス会社が行うので、専門的な知識は不要。契約後すぐに利用できるので、Webページの作成や管理に専念できます。
- 他ユーザーの影響を受けることがある
- 自由度の制限
- リソースの上限
一つのサーバーを共同で使用する共有サーバーの場合、同じサーバーを使っている他のユーザーのWebサイトが大量のアクセスを受けたり、リソースを多く消費したりすると、あなたのWebサイトの表示速度が遅くなるなど、影響を受ける可能性があります。
またサーバーの設定やインストールできるソフトウェアに制限がある場合が多いので、高度なカスタマイズはできない可能性が高いでしょう。利用できるCPUやメモリ、ディスク容量には上限があるため、アクセスが急増したり、大規模なシステムを動かしたりする場合には不向きです。
<こんな人におすすめ>
- 初めてWebサイトを作る個人や小規模事業者
- ブログやポートフォリオサイト、シンプルなコーポレートサイトなど、比較的規模の小さいWebサイト
- 費用を抑えて手軽にWebサイトを公開したい
- サーバー管理に時間をかけたくない
共用サーバーのおすすめはLiteSpeedで高速化されたABLENET!

高性能な共用サーバーを選ぶ上で、特に注目したいのが、Webサーバーソフトウェアです。
中でも、LiteSpeed(ライトスピード)は、Webサイトの表示速度向上に大きく貢献します。旧来から使用されているApacheなどと比較して、LiteSpeedはより高速な処理が可能な点が特徴的です。
世界中で多くのWebサイトが利用している代表的なWebサーバーソフトウェアには、以下のようなものがあります。
- Apache HTTP Server(アパッチ):歴史が長く、安定性に優れ、様々なOSで動作
- Nginx(エンジンエックス):大量の同時接続処理に強い
- LiteSpeed(ライトスピード):特にWordPressなどのCMSとの相性がよく、表示速度の向上に寄与
ABLENET(エイブルネット)が提供する共用サーバーは、LiteSpeedを導入。高いパフォーマンスを実現しています。Webサイトの速度は訪問者の快適さに直結するため、SEO(検索エンジン最適化)の観点からも重要な要素です。
共用サーバーで高速化を重視するなら、LiteSpeed対応のサービスを検討することをおすすめします。
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他ユーザーと共有せず安定稼働できる専用サーバーの特長とは
専用サーバーは、一台の物理サーバーを丸ごと占有して利用できる、ホスティングサービスです。土地を借りて一軒家を建てるのを、イメージするとよいでしょう。
- 安定した高速運用が可能
- 自由度が高い
- セキュリティ性能が高い
専用サーバーは、他のユーザーの影響を一切受けずにサーバーを利用できます。サーバーのリソース(CPU、メモリ、ディスク)を最大限に活用できるので、安定した高速な運用が可能です。共用サーバーに比べて、セキュリティリスクを低減できるのも魅力です。
また丸ごとサーバーを契約するので、OSの種類から各種ソフトウェア、ネットワーク構成まで、サーバー環境を完全に自由にカスタマイズできます。
- コストがかかる
- 専門知識が必要
- 導入に時間がかかる
専用サーバーは、共有サーバーに比べて費用が高くなりがちです。またサーバーを自由にデザインできる半面で、全ての管理を自分で行うか、専門の人材を雇う必要があります。
サーバーの選定、構築、設定にこだわりすぎると、初期設定に時間がかかる場合がある点にも、ご注意ください。
<こんな人におすすめ>
- 大規模なWebサイトやECサイト、トラフィックが多いシステムを運用したい
- サーバー環境に高度なカスタマイズが必要なWebサービス
- 高いセキュリティが求められる場合
- サーバー管理の専門知識を持つITチームがいる企業
自由度とコストのバランスが魅力のVPS(仮想専用サーバー)
VPS(VirtualPrivateServer、仮想専用サーバー)は、一台の物理サーバー上に仮想化技術を使って複数の仮想サーバーを構築。それらをユーザーごとに割り当てて、専用サーバーのように利用できるホスティングサービスです。
- 自由度の高さは専用サーバーに近い
- 共用サーバーより安定性が高い
- 専用サーバーよりも低コストで利用できる
- 共用サーバーよりも高性能・高機能な環境を手に入れられる
- プラン変更により、CPUやメモリ、ディスク容量などを比較的容易に増減できることがある
VPSは共有サーバーと似ているのでは、という印象を持つかもしれません。確かに、一台の物理サーバーを複数人で共有するという点では共通です。しかし、共有のされ方と提供される自由度・機能が、大きく異なります。
例えるなら、共有サーバーは学生寮の個室のイメージです。これに対してVPSは、シェアハウスに例えられます。
共有サーバーは、サーバー全体を他の利用者と完全に共有するのが特徴です。一方のVPSでは、物理サーバーは共有するものの、その中に独立した仮想的な区画(VPS)が作られます。
また寮の個室に例えられる共有サーバーでは、部屋は自分専用ですが、家具などのレイアウトは自由に変えられません。シェアハウスに例えられるVPSでは、リビングやキッチンに例えられる物理サーバーのリソースは共有です。しかし部屋の中、つまりOSの選択やソフト導入といった部分では、かなり自由にレイアウト変更できます。
- サーバー管理の知識が必要
- 物理サーバーの影響
自由度の高さが強みのVPSですが、設定や運用はユーザー自身で行う必要があります。サーバー管理の知識がない方や、手間をかけずに運用したい場合は、共用サーバーを検討するとよいでしょう。
またVPSは物理サーバーを他の利用者と共有しているため、全体に障害が発生した場合、その上の全てのVPSに影響が出る可能性がある点は否めません。
<こんな人におすすめ>
- 共用サーバーでは物足りないが専用サーバーほどのコストや手間はかけたくない
- WordPressなどのCMSだけでなく、独自のアプリケーションを動かしたい
- 開発・テスト環境を構築したいエンジニアや開発者
- サーバー管理の基本的な知識は持っているが、専用サーバーを運用するほどではない
ABLENETのVPSなら専用サーバーに近い自由度を手頃な価格で実現

ABLENETのVPSは、専用サーバーに匹敵する自由度を手頃な価格で実現できる仮想専用サーバーサービスです。初期費用1,130円・月額554円から利用でき、root権限付きのサーバー環境を構築可能。管理画面から直感的に操作でき、OS再インストールや再起動も簡単。中小企業や個人事業者にも人気で、初心者でも安心して利用できます。トラフィック増加時は上位プランへの移行もスムーズです。
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高い拡張性と柔軟な運用が可能なクラウド型ホスティングの利点
クラウド型ホスティングは、ネットワーク上の仮想化された複数のサーバーリソースを組み合わせて利用するサービスです。
物理的なサーバーに縛られないため、必要な時に必要な分だけリソースを柔軟に増減できる特徴があります。水道や電気のように、使った分だけ支払う従量課金制が一般的です。
- 自由度の高さは専用サーバーに近い
- 拡張性が高い
- カスタマイズの自由度が高い
- 一部に障害が発生してもサービスが停止しにくい
- 従量課金制でコストの無駄が発生しにくい
拡張性が高いクラウド型ホスティングであれば、CPU、メモリ、ストレージなどをリアルタイムで、ほぼ無制限に増やせます。例えば急にアクセスが集中した場合にも、柔軟に対応可能です。また複数の物理サーバーやデータセンターに分散して稼働するため、仮に一部に障害が発生しても、サービスが停止しにくい利点があります。
利用したリソース分だけ料金が発生する従量課金制を採用しているため、無駄が少ない運用が可能なメリットもあります。
- コストを予測しにくい
- 設定が複雑で難易度が高い
- 他のサービスへの移行が難しいことがある
利用状況によって料金が変動するクラウド型ホスティングの場合、事前に正確な費用を予測しにくい場合があります。想定外の利用があると、急にコストが高額に跳ね上がるリスクがあることは、念頭に置くべきでしょう。
また自由度が高い反面、設定や管理が複雑になりやすいので、ある程度の専門知識が求められます。特定のクラウドプロバイダー(AWS、GCP、Azureなど)の環境に深く依存すると、他のサービスへの移行が難しくなる点にも、注意が必要です。
<こんな人におすすめ>
- アクセスが急激に変動する可能性がある大規模なWebサービス
- 将来的な規模拡大が見込まれるスタートアップ企業
- 開発環境と本番環境を分離して運用したい場合
- 費用の無駄を抑えたい企業
- システムが常に止まらずに動き続けるようにしたい場合
- クラウドの専門知識を持つエンジニアや開発チームがいる場合
ホスティングサービスを使うと利用できる基本機能を紹介
ホスティングサービスは、単にWebサイトのデータを置いてインターネット上に公開するだけのツールではありません。Webサイトをインターネット上に公開し、さらにスムーズに運営するために欠かせない、各種のサービスを提供しています。
ここでは、ホスティングサービスを契約することで利用できる主要な基本機能について、わかりやすく解説します。これらの機能を理解することは、あなたのWebサイト運営をより効率的かつ安全に進める上で非常に役立つでしょう。
Web・メールサーバーの運用に必要な機能やFTP接続
ホスティングサービスの最も基本的な役割は、あなたのWebサイトをインターネット上に公開することです。これを実現するため、Webサーバーをはじめとする関連機能が提供されます。
Webサーバー機能
ホスティングサービスと契約すると、あなたのWebサイトデータを保管し、インターネットへ配信するためのWebサーバーが提供されます。作成したHTMLファイルや画像などをWebサーバーにアップロードすると、ユーザーがブラウザからアクセスした際に、Webサーバーからデータが送信され、Webサイトが表示される仕組みです。
多くのサービスでは、ApacheやNginx、高速なLiteSpeedといったWebサーバーソフトウェアが裏側で処理します。あなたはファイルをサーバーに置くだけで、Webサイトの運用が可能です。
メールサーバー機能
ホスティングサービスを利用すると、Webサイトと同じ独自ドメインを使ったメールアドレス(例:info@yourwebsite.com)を作成・運用できます。独自ドメインのメールアドレスなら、ビジネスの信頼性が向上するほか、ブランドイメージの統一も図れるでしょう。これは、大きなメリットです。
WebメールやPOP3/IMAP4対応に加えて、スパム・ウイルス対策機能も含まれる傾向があります。なおWebメールやPOP3/IMAP4の違いは、次の通りです。
- Webメール:Webブラウザを使ってメールを閲覧・送受信する方法。どこからでもアクセスでき、メールは常にサーバーに保存される。
- POP3:メールをサーバーからパソコンやスマートフォンなどの端末にダウンロードして保存する方法。ダウンロード後はサーバーから削除されるのが一般的で、オフラインでも閲覧可能。
- IMAP4:メールをサーバー上に置いたまま閲覧・管理する方法。複数の端末間でメールの状態(既読・未読、フォルダ分けなど)が常に同期される。
データベース機能(MySQL/PostgreSQLなど)
WordPressのようなCMSやECサイトなど、動的なWebサイトには、データベースが必須です。なおデータベースは、コンテンツやユーザー情報などを整理して保存する情報の倉庫の役割を担います。
そこでホスティングサービスは、MySQLやPostgreSQLといったデータベースを提供しています。ホスティングサービスの管理画面から、データベースやWebサイトの設定が可能です。専門的なコマンドや複雑なコードは不要なので、誰でも直感的に作成・連携できます。
FTP/SFTP接続
作成したWebサイトのファイルをサーバーにアップロードしたり、サーバーからダウンロードしたりするために、ホスティングサービスでは、FTP(File Transfer Protocol)や、より安全なSFTP(SSH File Transfer Protocol)が提供されています。
FileZillaなどのFTPクライアントソフトを利用すると、Webサイトの更新や管理がスムーズです。
WordPressなどのCMSを利用している場合は、FTPやSFTPを使う機会はほとんどありません。記事の投稿や画像のアップロードは、管理画面から簡単にできるように設計されています。
しかし、以下のような場合にはFTPやSFTPが必要ですので、覚えておきましょう。
- WordPressで重大なエラーが発生し、管理画面にログインできない時
- Webサイトのファイルを丸ごとバックアップ・復元する時(手動の場合)
- WordPress以外の静的なHTMLサイトや別のCMSを運用する時
- 特定のサーバー設定ファイル(.htaccessなど)を直接編集する時
独自ドメインやSSL証明書などの設定・管理機能
ホスティングサービスを利用すると、Webサイトを運営する上で、欠かせない次の機能の提供を受けられます。
Webサイトには、インターネット上の唯一の住所となるドメイン名が必要です。これは、example.comやyourblog.jpといった、あなたのWebサイトの固有のアドレスとなります。
ホスティングサービスを契約すると、契約したサーバーに取得した独自ドメインを紐付けられます。これによって、あなたのサイトの固有のアドレスを入力すれば、誰もがサイトを訪れて閲覧できる状態に整えることが可能です。
なおABLENETでは、サーバーだけでなくドメインの取得もサポートしています。ABLENETでドメインを取得しそのままABLENETのサーバーに紐づければ、面倒な設定の手間がありません。
またWebサイトの運営では、HTTPS化が重要です。
WebサイトのURLが「http://」ではなく「https://」で始まる場合、そのサイトはSSL/TLS暗号化が施されています。
「s」の一文字が増えただけで、大きな違いはないように思うかもしれません。しかし「https://」にするとは、ブラウザとWebサーバー間の通信を暗号化する技術です。ユーザーが入力するパスワードやクレジットカード番号といった情報が第三者に盗まれたり、改ざんされたりするリスクを大幅に低減する効果につながります。
現代において、WebサイトをSSL化することは、セキュリティ設定の基本です。またGoogleなどの検索エンジンは、SSL化されたサイトを検索結果で優遇する傾向にあります。Webサイトを多くの人に見つけてもらうためのSEO対策として、SSL化は必須です。
なおABLENETをはじめ多くのホスティングサービスは、無料のSSL証明書(Let’s Encryptなど)の自動設定機能を提供しています。Webサイトをサーバーに紐づけたら、忘れずにSSL化しましょう。
CMSの簡単インストールとサイト表示の高速化
ABLENETなどのホスティングサービスは、Webサイトの構築・運用をサポートするための機能として、CMSの簡単インストールサービスを提供しています。
なおCMSとは、Webサイトのコンテンツ(テキスト、画像、デザインなど)を一元的に管理・編集・公開できるシステムです。代表的なのは、WordPressでしょう。
ホスティングサービスの多くは、このWordPressやその他の人気CMS(例:EC-CUBE、Joomla!、Drupalなど)を、管理画面から数クリックで自動的にインストールできる機能を提供しています。手動でデータベースを作成したり、ファイルをアップロードしたりする手間を省けるので、すぐにWebサイトのコンテンツ作成に取りかかれるのは、大きなメリットです。
またホスティングサービスは、サイト表示を高速化するための様々な技術を導入しています。Webサイトの表示速度は、ユーザー体験(UX)に直結する、重要な要素です。表示速度が遅いと、ユーザーがサイトを離れるリスクが高まり、機会損失につながる可能性があります。さらに検索エンジンの評価にも影響するため、サイト表示の高速化は、必須事項です。
そのためABLENETでは、高速なWebサーバーソフトウェアであるLiteSpeedを採用しています。
サイト表示の高速化に貢献する機能には、次のようなものもあります。
- SSD/NVMeストレージ:データの読み込み速度が向上
- CDN(Contents Delivery Network)連携:Webサイトの画像を圧縮したり、世界中に分散配置されたサーバーから最も近い場所のサーバーからコンテンツを配信したりといった方法で、表示速度を向上させる仕組み
- キャッシュ機能:一度表示したWebページのデータを一時的に保存(キャッシュ)し、次回以降の表示を高速化する機能
利用するサーバーを検討する際は、これらが標準装備されているかチェックするとよいでしょう。
トラブル時にも安心できる自動バックアップと復元
ホスティングサービスでは、万が一の事態に備えた保険ともいえる機能を提供しています。その代表例が、自動バックアップと復元の機能です。
自動バックアップ機能は、あなたのWebサイトのデータ(ファイル)とデータベースのデータを、定期的に自動でバックアップする機能です。バックアップ頻度や保存期間は、サービスによって異なります。
しかし自動でバックアップされるので、自分でバックアップを取る手間がありません。また、うっかりバックアップし忘れたといったリスクを回避できます。
バックアップデータは、契約しているサーバーとは別の場所に保存されるのが一般的です。仮に物理サーバーが故障した場合でも、データが失われるリスクを低減できます。
またホスティングサービスを利用していれば、万が一Webサイトのデータが破損したり、誤って重要なファイルを削除してしまったりした場合でも、自動バックアップされたデータを使ってWebサイトを以前の状態に復元することが可能です。
多くのホスティングサービスは、管理画面から簡単に復元したい日付を選んで、自分で復元操作ができるツールを提供しています。自分で操作が難しい場合は、復元作業の代行を依頼できるサービスもあるので、安心です。
ホスティングサービスで採用されている主な安全対策とサポート
Webサイトを運営する上で、サーバーのセキュリティは最重要項目です。
例えばハッキングやデータ漏洩が起きれば、サイト運営者の信用を失墜させるだけではありません。法的な問題に発展する可能性もあります。こういったリスクを回避するために、ホスティングサービスは、Webサイトを守るための、多岐にわたる安全対策とサポート機能を提供しています。
ここでは、次の4つの安全対策を取り上げて紹介します。
- SSL通信やファイアウォールによる安全なデータ送受信の確保
- 24時間監視や改ざん検知などによるトラブルの早期発見と対処
- ウイルス・スパム対策で外部攻撃からサービスを守る保護対策
- root権限の有無と運用自由度のバランス
SSL通信やファイアウォールによる安全なデータ送受信の確保
SSL/TLS通信は、Webサイトとユーザーのブラウザ間で行われるデータのやり取りを暗号化する技術です。これにより、ユーザーが入力したパスワードやクレジットカード情報、個人情報などが第三者に傍受されても、内容を解読される心配がありません。
先に、Webサイトの運営では、HTTPS化が重要とご説明しました。Webサイトのアドレスが「http://」から「https://」に変わるのは、このSSL/TLS通信が有効になっている証拠です。
多くのホスティングサービスは、無料のSSL証明書であるLet’sEncryptを簡単に設定できる機能を提供しています。専門知識がなくても、簡単な設定で、安全な通信環境の構築が可能です。
もう一つのファイアウォールは、いわば、不正なアクセスや通信からサーバーを保護するための防御壁です。サーバーを脅かす攻撃は多岐にわたりますが、例えば次のようなものがあります。
- DDoS攻撃(大量アクセス攻撃):サーバーをパンクさせるために、大勢が一斉にWebサイトを訪れる攻撃
- ブルートフォースアタック(総当たり攻撃):ログインIDやパスワードを、手当たり次第に試して突破しようとする攻撃
ファイアウォールは、こうした不審な通信パターンを検知し、ブロックすることで、サーバーへの不正な侵入を防ぎます。
これらの対策は、Webサイトのセキュリティ基盤を強固にし、ユーザーが安心してサイトを利用できる環境を提供するために不可欠です。
24時間監視や改ざん検知などによるトラブルの早期発見と対処
多くのホスティングサービスは、Webサイトやサーバーの異常を早期に発見し、対処するための体制を整えています。その中核をなすのが、24時間365日のシステム監視です。
サーバーがダウンしていないか、異常な負荷がかかっていないか、不正なアクセスが発生していないかなど、常時監視しています。万が一サーバーに何らかのトラブルが発生した場合でも、管理者がすぐに異常を察知し、迅速に復旧作業に取りかかることが可能です。
人間の目でのチェックに加えて、自動化された監視システムを連携させることで、深夜や休日でもタイムリーな対応が実現されています。
また、改ざん検知機能も重要な安全対策の一つです。ホスティングサービスは、Webサイトのファイルやデータベースがサイバー攻撃によって不正に改ざんされていないか、常にチェックしています。
もし改ざんが検知されれば、即座にアラートを発動。管理者が対応して被害の拡大を防ぐとともに元の状態に復旧させます。Webサイトの信頼性の維持だけでなく、不正な情報の拡散やマルウェアへの感染のリスク低減にも効果的です。
ウイルス・スパム対策で外部攻撃からサービスを守る保護対策
ホスティングサービスは、Webサイトやデータを外部からの悪意ある攻撃から守るため、多層的なセキュリティ対策を講じています。その中でも、ウイルス・スパム対策はサービスの安定稼働と信頼性維持に不可欠な機能です。
まずメールサービスにおけるウイルス・スパム対策を紹介しましょう。ホスティングサービスは、メールがサーバーに届く前の段階で、不要なメールや危険なメールを取り除き、メールボックスを安全な状態に保ちます。ホスティングサービス側で常に、最新の脅威情報に基づいて定義ファイルが更新されるので、新しい手口の攻撃にも迅速に対応可能です。
また、疑わしいメールを自動で迷惑メールフォルダに振り分ける機能や、送信ドメイン認証技術を導入して、フィッシング詐欺やなりすましメールへの対策も強化しています。
次に、Webサイトに対する保護としては、Webサイトの改ざんや情報漏洩のリスクを大幅に低減する、WAF(Web Application Firewall)の導入が一般的です。WAFは、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といったWebアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃を、リアルタイムで検知・遮断します。
さらに、不正アクセスやDDoS攻撃対策として、インターネット回線を通るデータ(トラフィック)の流れを、ネットワーク全体の視点からリアルタイムで監視・分析し、大量のアクセスを分散・遮断する仕組みも備わっています。
root権限の有無と運用自由度のバランス
ホスティングサービスを選ぶ際は、利用者がサーバーのroot権限を使えるかどうかチェックしましょう。
なおroot権限とは、システム全体を管理・操作できる最も強力な権限のことです。これを持つことでOSの設定変更、ソフトウェアのインストール、サービスの起動・停止など、あらゆる操作が可能になります。つまりroot権限の有無は、サーバー運用の自由度に直結する重要な要素です。
root権限が提供されるVPS(仮想専用サーバー)や専用サーバーの場合、利用者は環境を自由にカスタマイズできます。特定のアプリケーション要件や独自のセキュリティポリシーを適用したい場合は、root権限がある方が有利です。
例えば、標準で提供されていないプログラミング言語の実行環境を構築したり、特定のデータベースシステムを導入したり、パフォーマンス最適化のためにカーネルパラメータを調整したりといったことが自由に行えます。これは、開発者や高度な知識を持つユーザーにとって、大きなメリットです。
しかしroot権限の付与は、運用における責任とリスクを伴います。誤った操作は、サーバー全体の不安定化やセキュリティホールを生み出し、その結果、データ損失やサービス停止につながることもあります。
一方でroot権限が提供されない共有サーバーや、サーバーの運用や管理を専門の業者に一任できるサービスマネージド型のサービスでは、システム管理はホスティング事業者が行います。利用者は、限定された範囲での操作しかできません。しかしその分、サーバーの運用・保守の手間から解放され、セキュリティ対策も事業者に任せられます。
専門知識があり、自由にサーバーをカスタマイズしたい場合はroot権限があるホスティングサービスを、サーバー管理よりもコンテンツ作成やビジネスに集中したい場合は、root権限の有無以外の要素を比較して最適なサービスを選ぶとよいでしょう。
導入から運用開始までに必要なサポート内容を紹介
ここまで、ホスティングサービスの概要を紹介しました。ただ実際にホスティングサービスを使い始めるとなると、難しそうに感じるかもしれません。
しかしご安心くださいホスティングサービスには、導入から運用開始までの段階で、初めての方でもスムーズに設定できるような仕組みが用意されています。
ここからは、Webサイトをインターネットで公開し、スムーズに使い始めるまでの過程で、よくある設定や操作を取り上げ、わかりやすく紹介します。
独自ドメインやメールを使い始めるための初期設定がすぐにできる
Webサイトをインターネット上で公開するには、住所である独自ドメインの設定が不可欠です。
自分でサーバーを構築してドメインを設定するとなると、専門知識は必須。またかなりの費用と時間がかかります。しかし、ほとんどのホスティングサービスでは、契約の流れの中でドメインの取得方法や、それをあなたのサーバーで使えるようにする設定方法を、わかりやすく提供しています。
画面に表示される指示に従って、いくつかの項目を入力するだけで、あっという間にあなた専用のインターネット上の拠点が完成するでしょう。
さらに独自ドメインを使った、独自メールアドレス(例:info@〇〇.com)も、Webサイトの公開と同時にすぐに使い始められます。これも、サービスの管理画面から驚くほど簡単な操作で設定可能です。
たった数ステップで、プロフェッショナルな印象を与えるメールアドレスが手に入り、ビジネスや個人の信頼性がぐんと高まります。
希望するOSを選んでインストールできる構築時の基本機能
Webサイトの土台となるサーバーでは、あなたのパソコンと同じように、OS(オペレーティングシステム)という基本的なソフトウェアが動いています。
OSとは、サーバー上で動かすWebサイトの作成ツールやプログラムの種類に影響する、大切な機能です。ホスティングサービスでは、このOSの種類や設定を、Webサイトの目的に合わせて調整します。
なお多くのホスティングサービスで提供されている共有サーバーでは、すでにWebサイト運営に最適なOSが設定されています。例えばWordPressのような人気のツールでも、細かなOSの設定を気にせず、すぐに使い始められるので便利です。難しい知識がなくても、すぐにWebサイト作りを始められます。
もし、より専門的な設定や特定のOSが必要な場合は、VPSなどを選ぶことで、自由にOSを選んでインストールする選択肢もあります。
他社サービスからもスムーズに移せるデータやシステムの移行機能
すでに別の場所でWebサイトを運営していて、新しいホスティングサービスに乗り換えたいと考えている場合もあるでしょう。この場合でも、簡単にサイトの引越しを進められます。
例えば多くのホスティングサービスで、Webサイトのファイル(画像やテキストなど)や、データベースのデータを自動で新しいサーバーにコピーする移行ツールが提供されています。また自分で作業するのが不安な場合は、専門のスタッフが引越し作業を代行するオプションが用意されていることも。
移行ツールを使って効率的にサイトの引越しを進めれば、現在のWebサイトを一時的に見られなくする時間の発生を最小限に抑えながら、新しいホスティングサービスへ安全に引越せるでしょう。
それはまるで、熟練の引越し業者が、あなたのデリケートな家財道具を丁寧に梱包して、新しい家へ運び入れてくれるようなもの。Webサイトにアクセスできなくなる時間を気にせずスムーズにサービスを継続できるので、ユーザーに迷惑をかける心配もほとんどありません。
トラブルが起きてもすぐ対応できる運用中の監視や保守の仕組み
Webサイトは、一度公開して終わりではありません。ユーザーがいつでもインターネット上で安定してサイトを訪れ、閲覧できるようにするためには、運用中の監視や保守が重要です。
そこでホスティングサービスは、サイト管理者の代わりにWebサイトを常に見守り、何かあった時にはすぐ駆けつけます。
具体的には、Webサイトが正常に表示されているか、サーバーがきちんと動いているか、あるいは通常では考えられない怪しい動きがないかなど、24時間365日、休みなく自動でチェックしています。
万が一サーバーに異変があったり、Webサイトを狙ったサイバー攻撃の兆候があった場合は、ホスティングサービスの専門チームがすぐに異常を察知し、自動で警告が出されたり、即座に復旧作業や防御策を講じたりします。
こういった障害から守る仕組みに加えて、日々の見えないメンテナンスも行います。
例えば、サーバーのプログラムを最新の状態に保つアップデート作業や、セキュリティの穴を塞ぐためのパッチ適用なども、サービス側が適切に実施。これにより、あなたは技術的な心配をせずに、安心してWebサイトのコンテンツを充実させたり、ビジネスの成長に集中したりできるでしょう。
ホスティングサービスは、あなたのWebサイトを裏側でしっかりと支え、トラブルから守る、頼れる番人のような存在です。
ホスティングサービスの選び方で確認するポイントを4つ紹介
ホスティングサービスを選ぶ際、何を基準にすればよいか迷うかもしれません。ここでは、失敗しないサービス選びをするためにチェックしたい、4つのポイントを紹介します。
- 目的に合った使い方でホスティングサービスを選ぶ
- アクセス増や負荷にも対応できる拡張性と安定稼働
- 技術サポートや運用支援の体制を事前に確認しておく
- 月額費用と初期費用の総額で選ぶ
それぞれ順に解説します。
目的に合った使い方でホスティングサービスを選ぶ
先にも紹介したように、ホスティングサービスには、共有サーバー、VPS(仮想専用サーバー)、専用サーバーなど様々な種類があります。
ブログやシンプルなホームページなどであれば、共有サーバーで十分なケースがほとんどです。共有サーバーなら、費用も抑えられます。
もしアクセスが非常に多い大規模サイトや、特殊なシステムを動かしたい場合は、より自由度の高いVPSや専用サーバーを検討しましょう。
Webのサイト規模や目的に最適なタイプを選ぶことが大切です。
アクセス増や負荷にも対応できる拡張性と安定稼働
Webサイトの成長に合わせて、サーバーの性能を柔軟に変えられるかどうかは、重要なチェックポイントです。将来的にアクセスが増えた際に、スムーズにプランをアップグレードできる拡張性があるか、確認しましょう。
また、サーバーが常に安定して稼働しているか、ホスティングサービスの公式サイトや公式のSNSで、過去の障害情報などをチェックすることが大切です。安定性の高いサービスを選ぶことが、サイトの信頼性に直結します。
技術サポートや運用支援の体制を事前に確認しておく
サーバー運用中に、予期せぬトラブルが起きる可能性はゼロではありません。そんな時に、迅速かつ的確なサポートを受けられるかは非常に重要です。
24時間365日のサポート体制があるか、メールや電話、チャットなど、どのような手段でサポートを受けられるかを確認しましょう。
特に初心者の方は、専門知識がなくても管理を任せられるマネージドサービスも選択肢に入れると安心です。
月額費用と初期費用の総額で選ぶ
ホスティングサービスの料金は、月額費用だけでなく、契約時に一度だけ発生する初期費用も考慮に入れる必要があります。
一見すると月額料金は安くても、初期費用が高額な場合があるので、ご注意ください。その一方で、契約期間によって、月額料金が割引されるケースもあります。
年間や複数年で利用する際の総額で比較し、予算に合った、かつ最もコストパフォーマンスのよいホスティングサービスを選びましょう。
ホスティングサービスを利用するメリットと注意点
ホスティングサービスは、Webサイトを公開する上で便利なので、多くの方に利用されています。
ここでは、ホスティングサービスを利用することで期待できるメリットと共に、注意点についても紹介します。強みと弱点の両方を知ることで、メリットを最大化できるでしょう。
サーバーを自前で持たなくても安定運用できる手軽さが魅力
ホスティングサービス最大のメリットは、専門知識がなくても手軽にWebサイトを公開・安定運用できる点です。
自分で高価なサーバー機器を用意したり、設置場所を確保したりする必要がありません。また、サーバーの保守やセキュリティ対策、24時間365日の監視といった専門的な作業も、基本的にホスティング事業者が行います。これにより、あなたは技術的な心配をすることなく、Webサイトのコンテンツ作成やビジネスの成長に集中できます。
初期費用や月額費用も、自分でサーバーを持つ場合に比べて大幅に抑えられることが多く、コスト面でも魅力的です。
共用環境で起きる制限や他ユーザーの影響に注意
ホスティングサービスのうち、手軽さが魅力の共有サーバーは、コストを抑えながら利用できるメリットがあります。ただし一つの物理サーバーを複数のユーザーで共有する仕組みを採用していることから、いくつか注意しなければなりません。
まず、利用できる機能や設定が、制限される場合があります。例えば、特定のソフトウェアのインストールができなかったり、サーバーの根幹に関わる設定変更ができなかったりといったことが考えられるでしょう。
また、同じサーバーを利用している他のユーザーの活動が、あなたのWebサイトに影響を与える可能性もゼロではありません。もし他のユーザーのWebサイトに急激なアクセス集中があったり、セキュリティ上の問題が発生したりすると、一時的にあなたのWebサイトの表示速度が遅くなったり、不安定になったりするリスクがある点を、理解する必要があります。
障害時のBCP(事業継続計画)対策を事前に確認
Webサイトの運用において、サーバーの障害は避けられないリスクの一つです。そのためホスティングサービスを契約する前に、万が一のトラブル時にBCP(事業継続計画)対策をどのようにサポートするか、事前に確認することが重要です。
具体的には、データの自動バックアップ機能が提供されているか、そしてそのバックアップがどのくらいの頻度で行われ、どれくらいの期間保存されるのか、をチェックしましょう。
また、障害発生時の復旧にかかる時間(RTO:目標復旧時間)や、データ損失の許容範囲(RPO:目標復旧時点)がどの程度であるか、サービスレベルアグリーメント(SLA)などで明示されているかを確認すると安心です。
もちろん一概に、この数値なら安心、といい切ることはできません。Webサイトの種類やビジネスの重要度によって、安心といえる目安の数値は、大きく異なります。
参考までに、収益に直結しない一般的なブログや個人サイト、情報提供サイトの場合で、RTOは、数時間〜24時間以内とされています。
SLAは、稼働率の数値が高いことが、安定の判断基準です。さらに自動バックアップが毎日行われていること、そのデータが何日分(または何世代分)保存されるのか、といった点を確認しましょう。
ホスティングサービス導入の際によくある質問
ホスティングサービス導入の際によくある質問に回答します。ぜひサービス選びの参考にしてください。
ホスティングは、Webサイトをインターネットで公開するためのサーバー環境を提供するサービスの総称です。
一方のレンタルサーバーは、そのホスティングサービスの一種であり、物理サーバーの一部を借りる最も一般的な形式を指します。レンタルサーバーは、ホスティングサービスに含まれる、と考えるとわかりやすいでしょう。
主な基準は、Webサイトの規模と目的、そして予算です。
- ブログや小規模サイト:手軽で費用が安い共有サーバーがおすすめ
- 大規模サイトや特殊なシステム:より高い自由度と性能を持つVPS(仮想専用サーバー)や専用サーバーを検討
- 専門知識に自信がない:共用サーバーか、サーバー管理を任せられるマネージド型サービスが安心
上記を参考に、ご自身に最適のサービスを選びましょう。
ホスティングサービスでは、SSL/TLS通信、ファイアウォール、ウイルス・スパム対策、改ざん検知など、多くのセキュリティ対策を提供しています。
これらに加えてご自身で行う必要があるのは、以下の対策です。
- パスワードの強化
- OSや利用するアプリケーション(WordPressなど)の定期的なアップデート
- 不審なメールやファイルを開かない
契約までに、次の点を確認しましょう。
- 必要なディスク容量や転送量:サイトの規模やアクセス数に合うか
- 対応するプログラミング言語やデータベース:制作予定のサイトが動作するか
- WordPressなどのCMS対応:ワンクリックインストール機能の有無
- SSL証明書の提供:無料で簡単に導入できるか
- バックアップ機能:自動バックアップの頻度や保存期間
これらをあらかじめ確認することで、後々のトラブルを防げます。
基本的には可能です。
多くのホスティングサービスは、Webサイトのファイルやデータベースを新しいサーバーへ移すための移行ツールやマニュアルを提供しています。中には、専門スタッフが移行作業を代行するオプションもあるので、不安があれば利用を検討しましょう。
またサイトの移行中は、Webサイトが一時的に見られなくなる時間(ダウンタイム)が発生します。このダウンタイムを最小限に抑えるために、あらかじめ準備することが重要です。