個人事業主にホームページは必要?メリット・費用・作り方を丁寧に解説

個人で事業を始めると、まず悩むのが「どうやってお客さんに見つけてもらうか」です。
SNSを頑張っても、紹介を頼っても、限界はすぐに来ます。そんなとき、案外見落とされがちなのがホームページの存在です。「いまどきホームページなんて古いのでは?」という声もありますが、実際には、地味ながら着実に効果を発揮する集客と信頼の基盤になっています。
本記事では、なぜ個人事業主にホームページが必要なのか、そのメリットや費用感、作り方まで、わかりやすく丁寧に解説します。「とりあえずSNSでいい」と思っていた方も、読み終える頃には考えが変わっているかもしれません。

目次
個人事業主がホームページを持つべき理由を解説
個人で事業を行っていると、仕事のクオリティだけではなかなか選ばれない場面が出てきます。
どれだけ腕に自信があっても、「この人に頼んで大丈夫なのか」という不安を持たれれば、依頼にはつながりません。とくに初めてのお客様との接点では、何よりも「信頼」が大切になります。
ここで強い味方となるのが、ホームページの存在です。
事業内容や代表者の思い、これまでの実績などを可視化しておくことで、言葉では伝わりづらい「安心感」や「誠実さ」を届けられます。
SNSでつぶやくだけでは埋もれてしまう個性や理念も、ホームページという専用の場があれば、じっくりと届けることが可能になります。
新規顧客からの信頼性を高める最も手軽な方法がホームページ
個人事業主が新規顧客を獲得しようとしたとき、最初にぶつかるのが「信頼されるかどうか」という壁です。名前も顔も知られていない段階では、どれほど経験や技術があっても、相手にはそれが伝わりません。
そこで活躍するのがホームページです。営業活動をしなくても、自分の考えや実績を代弁してくれる場所があるというのは、想像以上に大きな武器になります。
特に現代のユーザーは、何かを依頼しようとする前にまず「検索」します。
SNSで見つけたサービスであっても、気になれば「屋号+名前」で検索し、そこで出てきたホームページを見て信頼できるかを判断するのは、もはや日常的な行動です。
そこで適切な情報が整理されており、事業者の顔や理念、実績がしっかりと掲載されていれば、「この人なら大丈夫そうだ」と感じてもらえる可能性がぐっと高まります。
たとえば、代表者の写真が自然な笑顔で掲載されているだけでも、訪問者は安心感を覚えます。事業を始めたきっかけや、過去に対応した案件の概要、お客様の声なども添えられていれば、初対面でも人柄を想像することができます。
また、紙の名刺と異なり、ホームページは自分がいないところでも自分を語ってくれます。夜中でも休日でも、誰かがあなたの名前を検索すれば、そこにはしっかりと事業の全貌が掲載されている。
これほど効率的で、手間のかからない営業ツールは他にありません。ホームページは、いわば「24時間稼働する営業スタッフ」でもあるのです。
信頼の構築には時間がかかると思われがちですが、実際には「顔が見える」「実績がある」「思いが伝わる」だけで、初回接触の心理的ハードルは大きく下がります。そしてその三つを、最も自然に、過不足なく届けてくれる手段がホームページなのです。
SNSや紹介に依存しない集客チャネルとして機能する
個人事業主の多くは、開業当初から「知り合いの紹介」や「SNS発信」を頼りに顧客を獲得していきます。それらは伝統的で有効な手段であり、実際にリピーターにつながるケースも多いでしょう。
しかし問題は、それだけに依存していると、いつか限界が来るという点にあります。紹介の輪が広がらなければ、新たな顧客との出会いも頭打ちになりますし、SNSも常に発信を続けなければ埋もれてしまいます。アルゴリズムに左右されて、せっかくの投稿がほとんどのフォロワーに届かないという経験をした方も少なくないでしょう。
そうした中で重要となるのがホームページの集客です。ホームページは安定した集客チャネルとして大きな意味を持ちます。ホームページはSNSと違って、アルゴリズムや流行に左右されることなく、検索エンジンを通じて一定のニーズを持った人々にアクセスされます。
「○○市 整体」「□□駅 ネイルサロン」など、地域名と業種を組み合わせた検索ワードで調べてくる人は、既にそのサービスを利用したいと考えている“顕在層”です。そうした見込み客に見つけてもらえる仕組みを作ることが、安定した集客には欠かせません。
さらに、ホームページには「自分のペースで情報を発信し、整えられる」という利点もあります。SNSでは流れるタイムラインに埋もれてしまう投稿も、ホームページなら固定されたページとして、常に見てもらえる状態に保てます。
たとえば、サービスの詳細、料金、営業時間、場所、問い合わせ方法など、基本情報を整理しておくことで、「自分に合っているかどうか」を見極めてもらいやすくなります。
これにより、事前に情報が伝わっている分、問い合わせや面談の段階でも話がスムーズに進みやすくなるのです。
また、リスティング広告やMEO(Googleマップ対策)と連携することで、ホームページを起点にしたさらなる集客施策も展開可能です。
たとえば、Googleマイビジネスにホームページを連携しておけば、マップ上の検索結果から直接サイトを見てもらえるようになり、信頼感や来店率の向上にもつながります。
広告についても、ホームページがあればランディングページ(LP)として活用でき、成約率の高い動線設計が可能になります。SNSや紹介だけに頼らず、検索や広告といった多角的なチャネルからの集客を考えるなら、ホームページはその土台となる存在です。
しかも、一度しっかり作り込めば、あとは定期的な更新だけで、半自動的に新しい顧客を呼び込んでくれる資産となります。集客の幅を広げたいと考える個人事業主にとって、ホームページは“地に足のついた営業担当”とも言える、非常に頼もしい存在なのです。
名刺・ポートフォリオ・営業ツールとして活用できる
ホームページは単なる情報掲示板ではありません。使い方次第では、名刺としても、ポートフォリオとしても、そして何より営業ツールとしても活用できる、極めて多機能なメディアです。
紙の名刺には限られた情報しか載せられませんし、渡した相手がすぐに捨ててしまうことも少なくありません。その点、ホームページのURLを伝えれば、相手が好きなタイミングでアクセスでき、そこには詳細な情報がしっかりと掲載されています。名刺交換の場でURLを一言添えるだけで、ビジネスチャンスの広がりが大きく変わってくるのです。
また、クリエイティブ系の仕事や講師業、専門職の方にとっては、ホームページがポートフォリオの役割を果たします。
これまでに手がけた作品や事例、実際の使用シーンを写真や動画で紹介することができ、閲覧者に対して説得力のある情報提供が可能です。PDFの資料をメールで送るよりも、視覚的に訴えるオンラインポートフォリオの方が、圧倒的に印象に残ります。
さらに、時系列に沿って実績を整理したり、カテゴリごとに分けたりと、構成の自由度が高いため、見る人の理解を助ける工夫も自在に施せます。そして、何より大きいのが営業ツールとしての機能です。サービス内容、料金体系、対応可能なエリアや時間帯、過去のお客様の声などを掲載しておけば、初対面の相手に対しても「この人にお願いしてみようかな」と思ってもらえる確率が格段に高まります。
たとえば、Zoomでの商談時に画面共有で自サイトを見せながら説明すれば、資料を用意しなくても内容を視覚的に伝えることができます。
また、ブログやニュース欄で定期的に情報を発信すれば、「最近もちゃんと稼働している」「この分野に強そうだ」といった印象を持ってもらえることにもつながります。
印刷物と違って、ホームページは常に最新の情報に更新できるというメリットもあります。新しい実績を掲載したり、期間限定のキャンペーンを案内したりと、柔軟な情報発信が可能です。
さらに、訪問者の行動をGoogleアナリティクスなどのツールで分析すれば、「どのページがよく見られているのか」「どこで離脱されているのか」といったマーケティング的な視点での改善も進められます。これは紙の営業資料にはない、デジタルならではの強みです。
個人事業主にとってホームページは、単なる“おまけ”ではなく、名刺・ポートフォリオ・営業資料を一体化した、最前線の営業装備といえます。自身の強みをまとめて提示できる場を持つことは、ビジネスにおいて信用と機会を同時に得ることにつながるのです。
個人事業主がホームページを持つメリットを解説
ホームページを持つべき理由をお伝えしてきましたが、ここでは実際に持つことでどのようなメリットがあるのかを具体的に紹介します。
業種によって活用の仕方や効果の出方は異なりますが、共通して言えるのは、「信用されやすくなる」「選ばれやすくなる」「情報発信の自由度が高まる」という点です。
士業やコンサル業、美容や医療、教室ビジネス、さらにはクリエイティブ職まで、それぞれの立場でどのように活かせるのかを見ていきましょう。
士業やコンサル業は信頼の証明として強く機能する
税理士、行政書士、司法書士、社会保険労務士などの士業や、経営・人事・ITなど各分野のコンサルタント業は、いずれも「信頼」を前提としたサービスです。依頼者の機密性が高い情報を扱うからこそ、「この人なら安心して任せられる」と思ってもらえるかどうかが契約の可否に直結します。
この信頼を築くうえで、ホームページは非常に効果的なツールです。自分の専門分野やサービス内容を明確に示し、経歴や資格、対応実績を開示することで、訪問者に対して“安心材料”を提供できます。
単に「〇〇士事務所」と掲げるだけでは伝わらない人柄や価値観も、代表者の挨拶文や自己紹介ページを通じて自然に伝えることができます。
また、相談者がよく抱える悩みや質問と、それに対する対応事例を紹介することで、「この人は自分と同じような状況を理解してくれる」と感じてもらいやすくなります。
たとえば「相続対策でこんな手続きを行いました」「人事制度設計でこういった成果が出ました」といった事例を紹介すれば、具体性を持って伝わるのです。
さらに、顧客の声や推薦文を掲載すれば、第三者の評価として信頼感が一層強まります。「話しやすかった」「的確なアドバイスをもらえた」「何でも相談できた」など、実際のクライアントの声があることで、初めての相談を検討している人の背中を押す材料になります。
士業・コンサル業は“比較検討”されやすい業種でもあります。検索エンジンやポータルサイトで複数の候補者を調べる中で、内容が整理されたホームページがあることは、大きな差別化ポイントになります。
逆に、情報が古かったり、スマートフォンでの閲覧に適していなかったりするページは、「きちんと仕事していなさそう」「時代遅れなのでは」といったマイナスイメージにもつながりかねません。
信頼を売る職業である士業・コンサルタントだからこそ、オンラインでの第一印象が契約を大きく左右します。「相談したくなる空気感」や「この人にお願いしたいという直感」は、情報の出し方一つで変わります。
その意味でも、ホームページは単なる連絡先の掲載場所ではなく、信頼を形にする最前線の営業拠点なのです。
美容・医療・建設・教室業などでは検索からの集客に直結
地域密着型の業種——たとえば美容室、歯科医院、整骨院、リフォーム業者、塾や教室業などにおいて、ホームページの果たす役割は非常に大きなものがあります。これらの業種に共通しているのは、「探されやすい」という特性です。
ユーザーが新しいサービスを利用したいと考えるとき、まずスマートフォンやPCで「〇〇駅 ネイルサロン」「□□市 リフォーム会社」「△△区 ピアノ教室」などのキーワードで検索をかけます。その検索結果に、きちんと情報の整理された自社のホームページが表示されるかどうかで、集客数は大きく左右されます。
たとえば、美容室であれば、「どんな雰囲気のお店なのか」「担当者はどんな人か」「料金はいくらか」「施術事例はあるか」などの情報を、事前に確認してから予約したいという人が多くいます。
医療機関であれば、「保険適用かどうか」「混雑状況」「診療時間」「先生の顔写真」などが判断材料になります。リフォームや工事業者なら、「これまでの施工事例」「対応エリア」「見積もり無料の有無」「アフターフォローの体制」が問われますし、学習塾や教室業であれば、「教材の種類」「講師の経歴」「合格実績」「保護者の声」などが比較されます。
こうした情報をSNSの投稿だけで網羅的に伝えるのは難しいですが、ホームページであれば必要な項目を体系的に整理して伝えることができます。しかも、SNSと異なり、過去の投稿をさかのぼる必要がないため、訪問者にとっても非常に利便性が高くなります。また、GoogleマップやMEO(Map Engine Optimization)との連携で、地図検索からホームページへの流入も増やすことができ、スマホ利用が主流の現代において極めて有効です。
さらに、地域名と業種を含めたキーワードで検索上位を狙うために、SEO対策を意識したコンテンツ制作も重要です。たとえば、「〇〇駅から徒歩5分の美容室」や「□□市で実績多数の学習塾」といった表現を自然にページ内にちりばめることで、検索エンジンからの評価が高まり、アクセス数の増加につながります。
検索に強いホームページを持っているかどうかで、日々の問い合わせ数や来店予約に明らかな差が生まれる——これはもはや統計的にも明らかになっている傾向です。特に地方都市では、「選択肢が少ない」分、1ページ目に出てきた店舗や医院がそのまま来店候補になることが多く、上位表示されるだけで優位に立てるのです。
地域で長く続く事業にしたいなら、まずは見つけてもらうことが不可欠です。そしてその第一歩として、信頼感のあるホームページを整えることが、あらゆる集客の基盤になります。
クリエイターや講師業では作品・実績の見せ方で差がつく
デザイナー、イラストレーター、フォトグラファー、動画編集者、ライターといったクリエイターや、英会話講師、ピアノ教師、ビジネス研修講師などの講師業において、ホームページは「実績と人柄を伝える場所」として欠かせない存在です。これらの職種は、技術や知識だけでなく、「どんな雰囲気で仕事をしているのか」「どんな思いで教えているのか」といった“個人の魅力”が大きな判断材料になります。
たとえば、イラストレーターであれば作品ギャラリーをスライド形式で紹介したり、フォトグラファーであれば撮影ジャンルごとにポートフォリオを整理したりすることで、自分の表現スタイルや世界観をしっかりと伝えることができます。また、ライターや講師であれば、これまでに担当したテーマやメディア、企業研修の実績、受講者の声などを掲載しておくことで、閲覧者に具体的なイメージを与えることが可能になります。
講師業においては、とくに「親しみやすさ」や「信頼感」が求められます。写真付きで自己紹介を載せたり、実際の授業風景を動画で紹介したりすることで、「この人に教えてもらいたい」と思ってもらえる確率は格段に上がります。さらに、生徒や保護者の声を掲載することで第三者の視点が加わり、客観的な信頼の裏付けにもなります。たとえば「初心者にも丁寧に対応してくれる」「子どもが毎回楽しみにしている」といったコメントがあれば、新規の問い合わせにつながりやすくなります。
加えて、価格設定やコース紹介も重要です。1回あたりの料金、回数制、内容のレベル分け、キャンセルポリシーなどを明示しておくと、検討している側にとって非常に親切です。これは、問い合わせのハードルを下げる効果もあります。問い合わせ前に不安を取り除いておくことが、コンバージョン率(サイトを訪問した人のうち、実際に商品購入など目標とされるアクションを起こした人の割合)を高める鍵となります。
クリエイターや講師業の特徴として、「人対人」の関係性が前提となる点が挙げられます。そのため、いくら高いスキルがあっても、「どんな人なのか」が伝わらなければ依頼にはつながりません。だからこそ、ホームページでは単なる実績の列挙ではなく、自分の考えやスタンス、仕事の背景なども含めて語ることが大切です。
また、SNSとの連携も効果的です。ホームページ上にInstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどのリンクを設けておけば、日々の活動や作品の更新、受講の様子などを補完的に伝えることができます。一方で、SNSは流れが早く、過去の情報が埋もれやすいため、全体を整理し見せたい情報を固定的に提示できるホームページは、ブランディングの拠点として不可欠です。
「選ばれる理由」を伝えるには、ただスキルを並べるだけでは不十分です。「この人にお願いしたい」と思ってもらえるようなストーリー性や視覚表現の積み重ねが求められます。その舞台として、ホームページはきわめて有効なのです。
参考になる業種別ホームページ事例も多数存在
たとえば中小企業基盤整備機構が運営する「J-Net21」には、業種別に参考になる成功事例が掲載されており、自分の業種にあった見せ方や導線設計のヒントが得られます。
自治体の商工会議所サイトにも地元事業者の事例が掲載されており、実務に直結する情報が豊富です。先人の知恵を活かすことで、自分にとって最適なサイト構成を見つけやすくなります。
個人事業主のホームページ制作にかかる費用相場を解説
ホームページは無料では作れません。とはいえ、やみくもに高額な費用を払えば効果が出るわけでもありません。個人事業主にとって、費用対効果のバランスを見極めることは極めて重要です。
ここでは、ホームページ制作の費用がどのくらいかかるのか、そしてその内訳や特徴について、自作と外注のケースに分けて解説します。予算に応じてどの手段が適しているのかを判断する参考にしていただければと思います。
自作の場合は初期5,000〜10,000円程度・月額1,000円前後
「なるべくお金をかけずに始めたい」と考える個人事業主にとって、自作は魅力的な選択肢です。
WordPressを活用すれば、比較的簡単にホームページを立ち上げることができます。必要な初期費用としては、ドメイン取得(年間1,000円前後)とレンタルサーバー契約(月額500〜1,000円程度)が主なものです。サーバーによっては初期費用が別途発生する場合もありますが、それを加味しても合計で5,000〜10,000円程度が一般的です。
また、無料テーマでもある程度のクオリティは出せますが、よりデザイン性の高い有料テーマを購入する場合は、5,000〜15,000円程度の出費となります。
画像素材やアイコンも無料で手に入るものがある一方、オリジナリティを追求するなら有料素材を使うことも検討しましょう。
自作の場合の最大の利点は「自由度の高さ」です。いつでも自分で内容を更新できるため、フットワーク軽く情報発信ができます。
外注の場合は10万〜50万円・継続的な管理費がかかる場合も
「プロに任せて、しっかりしたものを作りたい」という方には外注がおすすめです。
制作会社やフリーランスに依頼した場合、10万円から50万円が相場となっています。簡単なランディングページ型のサイトであれば10万〜20万円、本格的な複数ページ構成のコーポレートサイトであれば30万〜50万円というイメージです。
費用には、デザイン設計、HTML/CSSコーディング、スマホ対応(レスポンシブデザイン)、SEO基本設定、問い合わせフォーム設置などが含まれます。場合によっては、撮影やライティングも別料金で提供されることもあります。
さらに、納品後の保守管理費用として月額5,000〜10,000円ほどを別途契約するケースもあります。これにはセキュリティ更新、バックアップ、簡単な修正対応などが含まれ、忙しい個人事業主にとっては安心材料にもなります。
費用だけでなく運用のしやすさも重視するのが成功の鍵
制作費用の安さばかりに目を奪われてしまうと、後々「更新が難しい」「スマホで見にくい」「問い合わせが来ない」といった問題が発生することがあります。
特に、自作の場合は制作時に細部の設計が甘くなりがちです。問い合わせフォームの設置やGoogleマップの埋め込み、SNSとの連携など、ユーザーの行動を促す導線が確保されているかどうかも重要なチェックポイントです。
また、外注する場合でも、「納品後に自分で更新できるようにCMSを導入してもらえるか」「運用マニュアルは用意されているか」といった点を確認しておきましょう。サイトは作って終わりではありません。
更新を続け、情報を蓄積していくことで、ようやく“資産”としての価値を持つようになります。その意味でも、初期費用だけでなく、長期的な運用のしやすさを見据えた設計が、ホームページ運用の成功を左右します。
個人事業主のホームページ作成は自作か外注どちらがいい?
ホームページを作る方法は大きく分けて二つ、自作するか、外部に依頼するかです。
それぞれにメリットとデメリットがあり、予算や目的、作業に割ける時間によって最適な選択は変わります。ここでは「どちらが自分に合っているのか」を判断するためのポイントを整理しながら、自作と外注、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
自作すれば初期費用を抑えつつ自由に運用できる
自作の最大の魅力は、やはり費用を抑えられる点にあります。とくに開業初期で資金に余裕がない場合、自分の力で立ち上げる選択は理にかなっています。また、自分自身で編集や更新ができるため、サービス内容の変更やキャンペーンの告知などにもスピーディーに対応できます。
何といってもすべて自分の作りたいものを思い通りに作れるのはなによりも強みになります。外注先との打ち合わせには外注先の意図が混ざってしまいますのでどこか他人の考えに妥協せざるを得なくなることが出てきます。
自作の場合、自分のやりたいことが自分の知識でできなくても時間さえかければ勉強してできるようになりますので、一切の妥協なく徹底的に作りこむことも可能です。
とはいえ、まったくの初心者がゼロから作ろうとすると、時間と労力が思いのほかかかるのも事実です。テンプレートを活用する、最低限のHTMLやCSSを学ぶ、画像編集の基本を押さえるなど、事前の準備も必要になります。
自作を選ぶ場合は、「多少の学習コストも含めて楽しめるかどうか」が分かれ道になるでしょう。
自作派にはWordPressとレンタルサーバーの組み合わせが定番
自作をするうえでおすすめされるのが、WordPressとレンタルサーバーの組み合わせです。WordPressは世界中で使われているCMS(コンテンツ管理システム)で、無料で使える上にテーマやプラグインが非常に豊富です。
たとえば「店舗向け」「ポートフォリオ向け」「予約フォーム対応」など、目的別のテンプレートを使えば、デザインや構造を一から考える必要がありません。
加えて、問い合わせフォームの設置、SEO対策、SNSとの連携など、実用性の高い機能がすぐに導入できる点も強みです。これに、安定したレンタルサーバーを組み合わせれば、初心者でも一定の品質があるホームページを作ることができます。
ABLENETレンタルサーバーなら初心者向け機能も充実

WordPressの導入は簡単とはいえ、やはりサーバー選びでつまずく人も少なくありません。そこでおすすめしたいのが、ABLENETのレンタルサーバーです。ABLENETでは、WordPressの簡単インストール機能や、無料SSL(https化)対応、独自ドメインの設定、メールアカウントの発行など、ホームページ運営に欠かせない機能が標準で揃っています。
また、ユーザー向けマニュアルやメールサポートも充実しており、初心者でも安心して始められる環境が整っています。コストを抑えながら、実用的なホームページを自作したい方には、特に相性の良い選択肢と言えるでしょう。
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外注なら短期間でプロ品質のサイトを作れるが費用は高め
一方、時間が取れない、デザインにこだわりたい、ブランディングを強く意識したい、という場合には外注が向いています。制作会社やフリーランスに依頼すれば、プロの視点で構成やデザインを設計してくれるため、見た目も内容も洗練されたサイトが完成します。
また、サイト全体の設計から運用・保守まで一貫してサポートしてくれるケースもあり、「ホームページに詳しくないからこそ任せたい」という方には非常に心強い存在です。ただし、費用は10万円以上が一般的で、こだわればこだわるほどコストも上がります。
「納期までに絶対に公開したい」「ブランドイメージを崩したくない」「集客に直結するデザインが欲しい」など、明確な目的があるなら、無理に自作にこだわるよりも外注した方が、結果的に得られる価値は大きくなることもあります。
個人事業主のホームページに最低限掲載しておくべき情報とは?
ホームページは見た目の美しさや更新頻度だけで評価されるものではありません。どんなにデザインが優れていても、訪れた人が必要な情報を見つけられなければ、問い合わせにも契約にもつながらないのです。
ここでは、個人事業主がホームページに必ず掲載すべき情報について整理します。「何を書けばいいかわからない」という方も、この章を参考にすれば必要最低限の骨組みが整うはずです。
代表者の経歴や事業にかける想いが伝わるプロフィール
「誰がやっているのか」がわからないサービスには、なかなか安心して依頼できません。プロフィール欄では、代表者の氏名、経歴、資格、これまでの活動内容を具体的に記載しましょう。
さらに、「なぜこの仕事をしているのか」「どんな思いで取り組んでいるのか」といった“事業にかける想い”も添えることで、共感を呼びやすくなります。顔写真を掲載することも、信頼構築には効果的です。無機質な文字情報だけでなく、人柄が伝わる構成を意識すると良いでしょう。
ホームページを確認に来る人たちは、この事業をやっている人がどのような人なのかに興味があります。「個人事業主がホームページを持つべき理由」のセクションで「何よりも「信頼」が大切になります」と書きましたが、ホームページから感じられる人柄や考え方に人々は共感を覚えて信頼が生まれるものです。
お金をかけた広告というものは、売上という目的のために手段を選ばないものだと人々は理解しています。本当の信頼とは事業主の考え方や熱意や能力が伝わった後に生まれるのであって、これが伝わるように内容を書くべきなのです。
提供しているサービス内容をわかりやすく記載
サービス紹介は、ホームページのなかでも特に重視されるエリアです。「どんな悩みを解決してくれるのか」「どのような人が対象か」「どういった手順で進むのか」を簡潔に説明しましょう。
よくある勘違いとして、専門用語を多用してしまい、かえって読み手に伝わらない構成になっているケースがあります。専門的な内容であっても、できるだけ噛み砕いた表現を心がけると、読みやすさが格段に上がります。サービスごとに内容を分けて記載するのも効果的です。
また、単にサービスの紹介のみにとどまらないように気を付けましょう。最も大事なのは商品・サービスの名称ではなく、顧客にとってどのような「ベネフィット」(商品やサービスを利用することで得られる利益や恩恵)があるのかを理解させることです。
モデルを使った着用、使用例や、ビフォーアフターの提示などが一つの例ですが、事業主しか考えつかないようなアイデアを紹介するのもよいでしょう。
これには、自分の顧客とはどのような人たちなのかを理解している必要があります。自分のお客さんの顔が見えない状態でホームページを作ったとしても伝わるものは少ないでしょう。それを受け取る人は自分に向けたメッセージであるとわからないからです。
安心して依頼してもらえるよう料金やプランを具体的に表示
「料金が不明なサービスには問い合わせしづらい」というのは消費者心理として自然な反応です。特に初めて利用する場合、予算感がわからないまま連絡を取るのは大きなハードルになります。
プラン別に料金を明示する、あるいは「○○円〜」と最低料金を提示しておくだけでも、印象は大きく異なります。オプション料金、出張費の有無、キャンセルポリシーなども記載しておくと、トラブルの防止にもつながります。
経営の神様と言われる元京セラ会長稲森和夫氏の経営12か条の中に「値決めは経営」という言葉があります。安ければよいというものではなく、商品・サービスの値段に「値ごろ感」が感じられるかどうかが大切です。
顧客はなぜこのような値段なのかを考えるものです。そこには事業主の姿勢や熱意が見え隠れしています。「高いと思われるのはいや」だからといって価格を提示しない例がありますがかえって信頼を損なう場合もあります。
高い、安いだけではなく、何故その価格なのか納得できるかどうかが勝負なのです。
これまでの実績や利用者の声を紹介して信頼性を高める
サービスの実力を示す一番の方法は、実績の紹介です。施工事例、作品紹介、クライアント一覧、導入事例など、自分の仕事がどのように活用されているかを具体的に見せることで、訪問者に安心感を与えられます。
加えて、実際にサービスを利用した顧客からの声を掲載すると、説得力が一段と増します。文章だけでなく、写真や動画、ビフォーアフターの比較なども有効です。
一から始めたばかりで実績がない場合でも、少しずつ積み上げていけば右肩上がりに信頼は積み重なっていきます。最初から多くの成功事例があるのもいいのですが、顧客と一緒に成長する過程を見せるのも大きな信頼なのです。
問い合わせにつながる導線としてフォームや連絡先を必ず設置
いくら良い印象を持ってもらっても、「どうやって連絡すればいいかわからない」となれば、商機を逃してしまいます。電話番号、メールアドレス、LINEやSNSのリンク、そして問い合わせフォームを必ず掲載しましょう。
できれば、複数の手段を提示しておくと、ユーザーの利便性が高まります。問い合わせフォームでは、名前・連絡先・問い合わせ内容などの入力項目を最小限に絞ることが、送信率を高めるポイントです。
プライバシーポリシーや特定商取引法に基づく表記を記載
情報を扱う業種では、プライバシーポリシーの掲載が不可欠です。特に問い合わせフォームで個人情報を取得する場合には、個人情報の取り扱いに関する方針を明記しておく必要があります。
また、物販や有料サービスを提供している場合には、特定商取引法に基づく表記も法律上の義務です。事業者名、所在地、連絡先、販売価格、支払方法、返品対応などを記載しましょう。経済産業省の公式ガイドラインを参考に、抜け漏れのない記載を心がけてください。
個人事業主のホームページに関するよくある質問
ここでは、個人事業主の方々がホームページを運営する際によく抱く疑問に答えていきます。
はじめてのホームページ運用では「無料サービスで十分なのか」「SNSだけで足りるのではないか」「ブログを書く必要はあるのか」といった不安がつきものです。そうした声に対し、実務的な観点から明快にお応えしていきます。
確かに無料のホームページ作成ツールは、手軽さという点では優れています。登録すればすぐにページが作れ、テンプレートも豊富で、パソコンが苦手な方でもある程度見栄えのするサイトが作れます。
しかしながら、無料プランでは独自ドメインが使えなかったり、ページ上に他社の広告が強制的に表示されたりと、信頼性を損なう要素も少なくありません。SEO(検索エンジン最適化)やセキュリティの面でも制約が多く、ビジネス用途で継続的に活用するには不向きです。
名刺代わりとして割り切るなら選択肢の一つですが、顧客獲得を見据えるなら有料プランやWordPressでの構築をおすすめします。
結論から言えば、ホームページとSNS・広告は相互補完の関係にあります。
ホームページは「情報の保管庫」としての役割を担い、SNSや広告は「人を呼び込む装置」として機能します。
ホームページ単体では発見されるまでに時間がかかることもありますが、SNSで日々の活動を発信し、広告で認知を広げることで、多くの人を自サイトへ誘導することができます。
また、SNSでのやりとりは短期的な接点にとどまりやすい一方で、ホームページには詳細な情報を体系的に掲載できるため、信頼構築や成約の場として非常に有効です。両者をバランスよく使い分けることで、集客の効率は格段に向上します。
検索エンジンからの流入を狙ううえで、オウンドメディアと呼ばれるブログやコラムは大きな武器になります。
とくに「専門知識を持っている」「情報発信を通じて信頼を得たい」と考える方には有効です。たとえば、税理士であれば「インボイス制度の対応方法」、美容師であれば「髪質別のヘアケア方法」といったテーマで定期的に記事を書くことで、検索される機会が増え、サイト全体の評価も高まります。
加えて、ブログには「人柄」がにじみ出るという利点もあります。事業者の考え方やお客様とのエピソードなどを綴ることで、読み手に親近感を持ってもらいやすくなります。とはいえ、無理に更新頻度を上げる必要はありません。質を意識しながら、月に1回でもよいので継続することが、長期的には信頼と集客の礎となります。

ABLENET
運営者情報
ABLENET®は株式会社ケイアンドケイコーポレーションが提供するホスティングサービスです。レンタルサーバー(共用サーバー)、VPS(仮想サーバー)、GPUサーバーを提供しています。
個人事業主にホームページは必要?メリット・費用・作り方を丁寧に解説

個人で事業を始めると、まず悩むのが「どうやってお客さんに見つけてもらうか」です。
SNSを頑張っても、紹介を頼っても、限界はすぐに来ます。そんなとき、案外見落とされがちなのがホームページの存在です。「いまどきホームページなんて古いのでは?」という声もありますが、実際には、地味ながら着実に効果を発揮する集客と信頼の基盤になっています。
本記事では、なぜ個人事業主にホームページが必要なのか、そのメリットや費用感、作り方まで、わかりやすく丁寧に解説します。「とりあえずSNSでいい」と思っていた方も、読み終える頃には考えが変わっているかもしれません。

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個人事業主がホームページを持つべき理由を解説
個人で事業を行っていると、仕事のクオリティだけではなかなか選ばれない場面が出てきます。
どれだけ腕に自信があっても、「この人に頼んで大丈夫なのか」という不安を持たれれば、依頼にはつながりません。とくに初めてのお客様との接点では、何よりも「信頼」が大切になります。
ここで強い味方となるのが、ホームページの存在です。
事業内容や代表者の思い、これまでの実績などを可視化しておくことで、言葉では伝わりづらい「安心感」や「誠実さ」を届けられます。
SNSでつぶやくだけでは埋もれてしまう個性や理念も、ホームページという専用の場があれば、じっくりと届けることが可能になります。
新規顧客からの信頼性を高める最も手軽な方法がホームページ
個人事業主が新規顧客を獲得しようとしたとき、最初にぶつかるのが「信頼されるかどうか」という壁です。名前も顔も知られていない段階では、どれほど経験や技術があっても、相手にはそれが伝わりません。
そこで活躍するのがホームページです。営業活動をしなくても、自分の考えや実績を代弁してくれる場所があるというのは、想像以上に大きな武器になります。
特に現代のユーザーは、何かを依頼しようとする前にまず「検索」します。
SNSで見つけたサービスであっても、気になれば「屋号+名前」で検索し、そこで出てきたホームページを見て信頼できるかを判断するのは、もはや日常的な行動です。
そこで適切な情報が整理されており、事業者の顔や理念、実績がしっかりと掲載されていれば、「この人なら大丈夫そうだ」と感じてもらえる可能性がぐっと高まります。
たとえば、代表者の写真が自然な笑顔で掲載されているだけでも、訪問者は安心感を覚えます。事業を始めたきっかけや、過去に対応した案件の概要、お客様の声なども添えられていれば、初対面でも人柄を想像することができます。
また、紙の名刺と異なり、ホームページは自分がいないところでも自分を語ってくれます。夜中でも休日でも、誰かがあなたの名前を検索すれば、そこにはしっかりと事業の全貌が掲載されている。
これほど効率的で、手間のかからない営業ツールは他にありません。ホームページは、いわば「24時間稼働する営業スタッフ」でもあるのです。
信頼の構築には時間がかかると思われがちですが、実際には「顔が見える」「実績がある」「思いが伝わる」だけで、初回接触の心理的ハードルは大きく下がります。そしてその三つを、最も自然に、過不足なく届けてくれる手段がホームページなのです。
SNSや紹介に依存しない集客チャネルとして機能する
個人事業主の多くは、開業当初から「知り合いの紹介」や「SNS発信」を頼りに顧客を獲得していきます。それらは伝統的で有効な手段であり、実際にリピーターにつながるケースも多いでしょう。
しかし問題は、それだけに依存していると、いつか限界が来るという点にあります。紹介の輪が広がらなければ、新たな顧客との出会いも頭打ちになりますし、SNSも常に発信を続けなければ埋もれてしまいます。アルゴリズムに左右されて、せっかくの投稿がほとんどのフォロワーに届かないという経験をした方も少なくないでしょう。
そうした中で重要となるのがホームページの集客です。ホームページは安定した集客チャネルとして大きな意味を持ちます。ホームページはSNSと違って、アルゴリズムや流行に左右されることなく、検索エンジンを通じて一定のニーズを持った人々にアクセスされます。
「○○市 整体」「□□駅 ネイルサロン」など、地域名と業種を組み合わせた検索ワードで調べてくる人は、既にそのサービスを利用したいと考えている“顕在層”です。そうした見込み客に見つけてもらえる仕組みを作ることが、安定した集客には欠かせません。
さらに、ホームページには「自分のペースで情報を発信し、整えられる」という利点もあります。SNSでは流れるタイムラインに埋もれてしまう投稿も、ホームページなら固定されたページとして、常に見てもらえる状態に保てます。
たとえば、サービスの詳細、料金、営業時間、場所、問い合わせ方法など、基本情報を整理しておくことで、「自分に合っているかどうか」を見極めてもらいやすくなります。
これにより、事前に情報が伝わっている分、問い合わせや面談の段階でも話がスムーズに進みやすくなるのです。
また、リスティング広告やMEO(Googleマップ対策)と連携することで、ホームページを起点にしたさらなる集客施策も展開可能です。
たとえば、Googleマイビジネスにホームページを連携しておけば、マップ上の検索結果から直接サイトを見てもらえるようになり、信頼感や来店率の向上にもつながります。
広告についても、ホームページがあればランディングページ(LP)として活用でき、成約率の高い動線設計が可能になります。SNSや紹介だけに頼らず、検索や広告といった多角的なチャネルからの集客を考えるなら、ホームページはその土台となる存在です。
しかも、一度しっかり作り込めば、あとは定期的な更新だけで、半自動的に新しい顧客を呼び込んでくれる資産となります。集客の幅を広げたいと考える個人事業主にとって、ホームページは“地に足のついた営業担当”とも言える、非常に頼もしい存在なのです。
名刺・ポートフォリオ・営業ツールとして活用できる
ホームページは単なる情報掲示板ではありません。使い方次第では、名刺としても、ポートフォリオとしても、そして何より営業ツールとしても活用できる、極めて多機能なメディアです。
紙の名刺には限られた情報しか載せられませんし、渡した相手がすぐに捨ててしまうことも少なくありません。その点、ホームページのURLを伝えれば、相手が好きなタイミングでアクセスでき、そこには詳細な情報がしっかりと掲載されています。名刺交換の場でURLを一言添えるだけで、ビジネスチャンスの広がりが大きく変わってくるのです。
また、クリエイティブ系の仕事や講師業、専門職の方にとっては、ホームページがポートフォリオの役割を果たします。
これまでに手がけた作品や事例、実際の使用シーンを写真や動画で紹介することができ、閲覧者に対して説得力のある情報提供が可能です。PDFの資料をメールで送るよりも、視覚的に訴えるオンラインポートフォリオの方が、圧倒的に印象に残ります。
さらに、時系列に沿って実績を整理したり、カテゴリごとに分けたりと、構成の自由度が高いため、見る人の理解を助ける工夫も自在に施せます。そして、何より大きいのが営業ツールとしての機能です。サービス内容、料金体系、対応可能なエリアや時間帯、過去のお客様の声などを掲載しておけば、初対面の相手に対しても「この人にお願いしてみようかな」と思ってもらえる確率が格段に高まります。
たとえば、Zoomでの商談時に画面共有で自サイトを見せながら説明すれば、資料を用意しなくても内容を視覚的に伝えることができます。
また、ブログやニュース欄で定期的に情報を発信すれば、「最近もちゃんと稼働している」「この分野に強そうだ」といった印象を持ってもらえることにもつながります。
印刷物と違って、ホームページは常に最新の情報に更新できるというメリットもあります。新しい実績を掲載したり、期間限定のキャンペーンを案内したりと、柔軟な情報発信が可能です。
さらに、訪問者の行動をGoogleアナリティクスなどのツールで分析すれば、「どのページがよく見られているのか」「どこで離脱されているのか」といったマーケティング的な視点での改善も進められます。これは紙の営業資料にはない、デジタルならではの強みです。
個人事業主にとってホームページは、単なる“おまけ”ではなく、名刺・ポートフォリオ・営業資料を一体化した、最前線の営業装備といえます。自身の強みをまとめて提示できる場を持つことは、ビジネスにおいて信用と機会を同時に得ることにつながるのです。
個人事業主がホームページを持つメリットを解説
ホームページを持つべき理由をお伝えしてきましたが、ここでは実際に持つことでどのようなメリットがあるのかを具体的に紹介します。
業種によって活用の仕方や効果の出方は異なりますが、共通して言えるのは、「信用されやすくなる」「選ばれやすくなる」「情報発信の自由度が高まる」という点です。
士業やコンサル業、美容や医療、教室ビジネス、さらにはクリエイティブ職まで、それぞれの立場でどのように活かせるのかを見ていきましょう。
士業やコンサル業は信頼の証明として強く機能する
税理士、行政書士、司法書士、社会保険労務士などの士業や、経営・人事・ITなど各分野のコンサルタント業は、いずれも「信頼」を前提としたサービスです。依頼者の機密性が高い情報を扱うからこそ、「この人なら安心して任せられる」と思ってもらえるかどうかが契約の可否に直結します。
この信頼を築くうえで、ホームページは非常に効果的なツールです。自分の専門分野やサービス内容を明確に示し、経歴や資格、対応実績を開示することで、訪問者に対して“安心材料”を提供できます。
単に「〇〇士事務所」と掲げるだけでは伝わらない人柄や価値観も、代表者の挨拶文や自己紹介ページを通じて自然に伝えることができます。
また、相談者がよく抱える悩みや質問と、それに対する対応事例を紹介することで、「この人は自分と同じような状況を理解してくれる」と感じてもらいやすくなります。
たとえば「相続対策でこんな手続きを行いました」「人事制度設計でこういった成果が出ました」といった事例を紹介すれば、具体性を持って伝わるのです。
さらに、顧客の声や推薦文を掲載すれば、第三者の評価として信頼感が一層強まります。「話しやすかった」「的確なアドバイスをもらえた」「何でも相談できた」など、実際のクライアントの声があることで、初めての相談を検討している人の背中を押す材料になります。
士業・コンサル業は“比較検討”されやすい業種でもあります。検索エンジンやポータルサイトで複数の候補者を調べる中で、内容が整理されたホームページがあることは、大きな差別化ポイントになります。
逆に、情報が古かったり、スマートフォンでの閲覧に適していなかったりするページは、「きちんと仕事していなさそう」「時代遅れなのでは」といったマイナスイメージにもつながりかねません。
信頼を売る職業である士業・コンサルタントだからこそ、オンラインでの第一印象が契約を大きく左右します。「相談したくなる空気感」や「この人にお願いしたいという直感」は、情報の出し方一つで変わります。
その意味でも、ホームページは単なる連絡先の掲載場所ではなく、信頼を形にする最前線の営業拠点なのです。
美容・医療・建設・教室業などでは検索からの集客に直結
地域密着型の業種——たとえば美容室、歯科医院、整骨院、リフォーム業者、塾や教室業などにおいて、ホームページの果たす役割は非常に大きなものがあります。これらの業種に共通しているのは、「探されやすい」という特性です。
ユーザーが新しいサービスを利用したいと考えるとき、まずスマートフォンやPCで「〇〇駅 ネイルサロン」「□□市 リフォーム会社」「△△区 ピアノ教室」などのキーワードで検索をかけます。その検索結果に、きちんと情報の整理された自社のホームページが表示されるかどうかで、集客数は大きく左右されます。
たとえば、美容室であれば、「どんな雰囲気のお店なのか」「担当者はどんな人か」「料金はいくらか」「施術事例はあるか」などの情報を、事前に確認してから予約したいという人が多くいます。
医療機関であれば、「保険適用かどうか」「混雑状況」「診療時間」「先生の顔写真」などが判断材料になります。リフォームや工事業者なら、「これまでの施工事例」「対応エリア」「見積もり無料の有無」「アフターフォローの体制」が問われますし、学習塾や教室業であれば、「教材の種類」「講師の経歴」「合格実績」「保護者の声」などが比較されます。
こうした情報をSNSの投稿だけで網羅的に伝えるのは難しいですが、ホームページであれば必要な項目を体系的に整理して伝えることができます。しかも、SNSと異なり、過去の投稿をさかのぼる必要がないため、訪問者にとっても非常に利便性が高くなります。また、GoogleマップやMEO(Map Engine Optimization)との連携で、地図検索からホームページへの流入も増やすことができ、スマホ利用が主流の現代において極めて有効です。
さらに、地域名と業種を含めたキーワードで検索上位を狙うために、SEO対策を意識したコンテンツ制作も重要です。たとえば、「〇〇駅から徒歩5分の美容室」や「□□市で実績多数の学習塾」といった表現を自然にページ内にちりばめることで、検索エンジンからの評価が高まり、アクセス数の増加につながります。
検索に強いホームページを持っているかどうかで、日々の問い合わせ数や来店予約に明らかな差が生まれる——これはもはや統計的にも明らかになっている傾向です。特に地方都市では、「選択肢が少ない」分、1ページ目に出てきた店舗や医院がそのまま来店候補になることが多く、上位表示されるだけで優位に立てるのです。
地域で長く続く事業にしたいなら、まずは見つけてもらうことが不可欠です。そしてその第一歩として、信頼感のあるホームページを整えることが、あらゆる集客の基盤になります。
クリエイターや講師業では作品・実績の見せ方で差がつく
デザイナー、イラストレーター、フォトグラファー、動画編集者、ライターといったクリエイターや、英会話講師、ピアノ教師、ビジネス研修講師などの講師業において、ホームページは「実績と人柄を伝える場所」として欠かせない存在です。これらの職種は、技術や知識だけでなく、「どんな雰囲気で仕事をしているのか」「どんな思いで教えているのか」といった“個人の魅力”が大きな判断材料になります。
たとえば、イラストレーターであれば作品ギャラリーをスライド形式で紹介したり、フォトグラファーであれば撮影ジャンルごとにポートフォリオを整理したりすることで、自分の表現スタイルや世界観をしっかりと伝えることができます。また、ライターや講師であれば、これまでに担当したテーマやメディア、企業研修の実績、受講者の声などを掲載しておくことで、閲覧者に具体的なイメージを与えることが可能になります。
講師業においては、とくに「親しみやすさ」や「信頼感」が求められます。写真付きで自己紹介を載せたり、実際の授業風景を動画で紹介したりすることで、「この人に教えてもらいたい」と思ってもらえる確率は格段に上がります。さらに、生徒や保護者の声を掲載することで第三者の視点が加わり、客観的な信頼の裏付けにもなります。たとえば「初心者にも丁寧に対応してくれる」「子どもが毎回楽しみにしている」といったコメントがあれば、新規の問い合わせにつながりやすくなります。
加えて、価格設定やコース紹介も重要です。1回あたりの料金、回数制、内容のレベル分け、キャンセルポリシーなどを明示しておくと、検討している側にとって非常に親切です。これは、問い合わせのハードルを下げる効果もあります。問い合わせ前に不安を取り除いておくことが、コンバージョン率(サイトを訪問した人のうち、実際に商品購入など目標とされるアクションを起こした人の割合)を高める鍵となります。
クリエイターや講師業の特徴として、「人対人」の関係性が前提となる点が挙げられます。そのため、いくら高いスキルがあっても、「どんな人なのか」が伝わらなければ依頼にはつながりません。だからこそ、ホームページでは単なる実績の列挙ではなく、自分の考えやスタンス、仕事の背景なども含めて語ることが大切です。
また、SNSとの連携も効果的です。ホームページ上にInstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどのリンクを設けておけば、日々の活動や作品の更新、受講の様子などを補完的に伝えることができます。一方で、SNSは流れが早く、過去の情報が埋もれやすいため、全体を整理し見せたい情報を固定的に提示できるホームページは、ブランディングの拠点として不可欠です。
「選ばれる理由」を伝えるには、ただスキルを並べるだけでは不十分です。「この人にお願いしたい」と思ってもらえるようなストーリー性や視覚表現の積み重ねが求められます。その舞台として、ホームページはきわめて有効なのです。
参考になる業種別ホームページ事例も多数存在
たとえば中小企業基盤整備機構が運営する「J-Net21」には、業種別に参考になる成功事例が掲載されており、自分の業種にあった見せ方や導線設計のヒントが得られます。
自治体の商工会議所サイトにも地元事業者の事例が掲載されており、実務に直結する情報が豊富です。先人の知恵を活かすことで、自分にとって最適なサイト構成を見つけやすくなります。
個人事業主のホームページ制作にかかる費用相場を解説
ホームページは無料では作れません。とはいえ、やみくもに高額な費用を払えば効果が出るわけでもありません。個人事業主にとって、費用対効果のバランスを見極めることは極めて重要です。
ここでは、ホームページ制作の費用がどのくらいかかるのか、そしてその内訳や特徴について、自作と外注のケースに分けて解説します。予算に応じてどの手段が適しているのかを判断する参考にしていただければと思います。
自作の場合は初期5,000〜10,000円程度・月額1,000円前後
「なるべくお金をかけずに始めたい」と考える個人事業主にとって、自作は魅力的な選択肢です。
WordPressを活用すれば、比較的簡単にホームページを立ち上げることができます。必要な初期費用としては、ドメイン取得(年間1,000円前後)とレンタルサーバー契約(月額500〜1,000円程度)が主なものです。サーバーによっては初期費用が別途発生する場合もありますが、それを加味しても合計で5,000〜10,000円程度が一般的です。
また、無料テーマでもある程度のクオリティは出せますが、よりデザイン性の高い有料テーマを購入する場合は、5,000〜15,000円程度の出費となります。
画像素材やアイコンも無料で手に入るものがある一方、オリジナリティを追求するなら有料素材を使うことも検討しましょう。
自作の場合の最大の利点は「自由度の高さ」です。いつでも自分で内容を更新できるため、フットワーク軽く情報発信ができます。
外注の場合は10万〜50万円・継続的な管理費がかかる場合も
「プロに任せて、しっかりしたものを作りたい」という方には外注がおすすめです。
制作会社やフリーランスに依頼した場合、10万円から50万円が相場となっています。簡単なランディングページ型のサイトであれば10万〜20万円、本格的な複数ページ構成のコーポレートサイトであれば30万〜50万円というイメージです。
費用には、デザイン設計、HTML/CSSコーディング、スマホ対応(レスポンシブデザイン)、SEO基本設定、問い合わせフォーム設置などが含まれます。場合によっては、撮影やライティングも別料金で提供されることもあります。
さらに、納品後の保守管理費用として月額5,000〜10,000円ほどを別途契約するケースもあります。これにはセキュリティ更新、バックアップ、簡単な修正対応などが含まれ、忙しい個人事業主にとっては安心材料にもなります。
費用だけでなく運用のしやすさも重視するのが成功の鍵
制作費用の安さばかりに目を奪われてしまうと、後々「更新が難しい」「スマホで見にくい」「問い合わせが来ない」といった問題が発生することがあります。
特に、自作の場合は制作時に細部の設計が甘くなりがちです。問い合わせフォームの設置やGoogleマップの埋め込み、SNSとの連携など、ユーザーの行動を促す導線が確保されているかどうかも重要なチェックポイントです。
また、外注する場合でも、「納品後に自分で更新できるようにCMSを導入してもらえるか」「運用マニュアルは用意されているか」といった点を確認しておきましょう。サイトは作って終わりではありません。
更新を続け、情報を蓄積していくことで、ようやく“資産”としての価値を持つようになります。その意味でも、初期費用だけでなく、長期的な運用のしやすさを見据えた設計が、ホームページ運用の成功を左右します。
個人事業主のホームページ作成は自作か外注どちらがいい?
ホームページを作る方法は大きく分けて二つ、自作するか、外部に依頼するかです。
それぞれにメリットとデメリットがあり、予算や目的、作業に割ける時間によって最適な選択は変わります。ここでは「どちらが自分に合っているのか」を判断するためのポイントを整理しながら、自作と外注、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
自作すれば初期費用を抑えつつ自由に運用できる
自作の最大の魅力は、やはり費用を抑えられる点にあります。とくに開業初期で資金に余裕がない場合、自分の力で立ち上げる選択は理にかなっています。また、自分自身で編集や更新ができるため、サービス内容の変更やキャンペーンの告知などにもスピーディーに対応できます。
何といってもすべて自分の作りたいものを思い通りに作れるのはなによりも強みになります。外注先との打ち合わせには外注先の意図が混ざってしまいますのでどこか他人の考えに妥協せざるを得なくなることが出てきます。
自作の場合、自分のやりたいことが自分の知識でできなくても時間さえかければ勉強してできるようになりますので、一切の妥協なく徹底的に作りこむことも可能です。
とはいえ、まったくの初心者がゼロから作ろうとすると、時間と労力が思いのほかかかるのも事実です。テンプレートを活用する、最低限のHTMLやCSSを学ぶ、画像編集の基本を押さえるなど、事前の準備も必要になります。
自作を選ぶ場合は、「多少の学習コストも含めて楽しめるかどうか」が分かれ道になるでしょう。
自作派にはWordPressとレンタルサーバーの組み合わせが定番
自作をするうえでおすすめされるのが、WordPressとレンタルサーバーの組み合わせです。WordPressは世界中で使われているCMS(コンテンツ管理システム)で、無料で使える上にテーマやプラグインが非常に豊富です。
たとえば「店舗向け」「ポートフォリオ向け」「予約フォーム対応」など、目的別のテンプレートを使えば、デザインや構造を一から考える必要がありません。
加えて、問い合わせフォームの設置、SEO対策、SNSとの連携など、実用性の高い機能がすぐに導入できる点も強みです。これに、安定したレンタルサーバーを組み合わせれば、初心者でも一定の品質があるホームページを作ることができます。
ABLENETレンタルサーバーなら初心者向け機能も充実

WordPressの導入は簡単とはいえ、やはりサーバー選びでつまずく人も少なくありません。そこでおすすめしたいのが、ABLENETのレンタルサーバーです。ABLENETでは、WordPressの簡単インストール機能や、無料SSL(https化)対応、独自ドメインの設定、メールアカウントの発行など、ホームページ運営に欠かせない機能が標準で揃っています。
また、ユーザー向けマニュアルやメールサポートも充実しており、初心者でも安心して始められる環境が整っています。コストを抑えながら、実用的なホームページを自作したい方には、特に相性の良い選択肢と言えるでしょう。
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外注なら短期間でプロ品質のサイトを作れるが費用は高め
一方、時間が取れない、デザインにこだわりたい、ブランディングを強く意識したい、という場合には外注が向いています。制作会社やフリーランスに依頼すれば、プロの視点で構成やデザインを設計してくれるため、見た目も内容も洗練されたサイトが完成します。
また、サイト全体の設計から運用・保守まで一貫してサポートしてくれるケースもあり、「ホームページに詳しくないからこそ任せたい」という方には非常に心強い存在です。ただし、費用は10万円以上が一般的で、こだわればこだわるほどコストも上がります。
「納期までに絶対に公開したい」「ブランドイメージを崩したくない」「集客に直結するデザインが欲しい」など、明確な目的があるなら、無理に自作にこだわるよりも外注した方が、結果的に得られる価値は大きくなることもあります。
個人事業主のホームページに最低限掲載しておくべき情報とは?
ホームページは見た目の美しさや更新頻度だけで評価されるものではありません。どんなにデザインが優れていても、訪れた人が必要な情報を見つけられなければ、問い合わせにも契約にもつながらないのです。
ここでは、個人事業主がホームページに必ず掲載すべき情報について整理します。「何を書けばいいかわからない」という方も、この章を参考にすれば必要最低限の骨組みが整うはずです。
代表者の経歴や事業にかける想いが伝わるプロフィール
「誰がやっているのか」がわからないサービスには、なかなか安心して依頼できません。プロフィール欄では、代表者の氏名、経歴、資格、これまでの活動内容を具体的に記載しましょう。
さらに、「なぜこの仕事をしているのか」「どんな思いで取り組んでいるのか」といった“事業にかける想い”も添えることで、共感を呼びやすくなります。顔写真を掲載することも、信頼構築には効果的です。無機質な文字情報だけでなく、人柄が伝わる構成を意識すると良いでしょう。
ホームページを確認に来る人たちは、この事業をやっている人がどのような人なのかに興味があります。「個人事業主がホームページを持つべき理由」のセクションで「何よりも「信頼」が大切になります」と書きましたが、ホームページから感じられる人柄や考え方に人々は共感を覚えて信頼が生まれるものです。
お金をかけた広告というものは、売上という目的のために手段を選ばないものだと人々は理解しています。本当の信頼とは事業主の考え方や熱意や能力が伝わった後に生まれるのであって、これが伝わるように内容を書くべきなのです。
提供しているサービス内容をわかりやすく記載
サービス紹介は、ホームページのなかでも特に重視されるエリアです。「どんな悩みを解決してくれるのか」「どのような人が対象か」「どういった手順で進むのか」を簡潔に説明しましょう。
よくある勘違いとして、専門用語を多用してしまい、かえって読み手に伝わらない構成になっているケースがあります。専門的な内容であっても、できるだけ噛み砕いた表現を心がけると、読みやすさが格段に上がります。サービスごとに内容を分けて記載するのも効果的です。
また、単にサービスの紹介のみにとどまらないように気を付けましょう。最も大事なのは商品・サービスの名称ではなく、顧客にとってどのような「ベネフィット」(商品やサービスを利用することで得られる利益や恩恵)があるのかを理解させることです。
モデルを使った着用、使用例や、ビフォーアフターの提示などが一つの例ですが、事業主しか考えつかないようなアイデアを紹介するのもよいでしょう。
これには、自分の顧客とはどのような人たちなのかを理解している必要があります。自分のお客さんの顔が見えない状態でホームページを作ったとしても伝わるものは少ないでしょう。それを受け取る人は自分に向けたメッセージであるとわからないからです。
安心して依頼してもらえるよう料金やプランを具体的に表示
「料金が不明なサービスには問い合わせしづらい」というのは消費者心理として自然な反応です。特に初めて利用する場合、予算感がわからないまま連絡を取るのは大きなハードルになります。
プラン別に料金を明示する、あるいは「○○円〜」と最低料金を提示しておくだけでも、印象は大きく異なります。オプション料金、出張費の有無、キャンセルポリシーなども記載しておくと、トラブルの防止にもつながります。
経営の神様と言われる元京セラ会長稲森和夫氏の経営12か条の中に「値決めは経営」という言葉があります。安ければよいというものではなく、商品・サービスの値段に「値ごろ感」が感じられるかどうかが大切です。
顧客はなぜこのような値段なのかを考えるものです。そこには事業主の姿勢や熱意が見え隠れしています。「高いと思われるのはいや」だからといって価格を提示しない例がありますがかえって信頼を損なう場合もあります。
高い、安いだけではなく、何故その価格なのか納得できるかどうかが勝負なのです。
これまでの実績や利用者の声を紹介して信頼性を高める
サービスの実力を示す一番の方法は、実績の紹介です。施工事例、作品紹介、クライアント一覧、導入事例など、自分の仕事がどのように活用されているかを具体的に見せることで、訪問者に安心感を与えられます。
加えて、実際にサービスを利用した顧客からの声を掲載すると、説得力が一段と増します。文章だけでなく、写真や動画、ビフォーアフターの比較なども有効です。
一から始めたばかりで実績がない場合でも、少しずつ積み上げていけば右肩上がりに信頼は積み重なっていきます。最初から多くの成功事例があるのもいいのですが、顧客と一緒に成長する過程を見せるのも大きな信頼なのです。
問い合わせにつながる導線としてフォームや連絡先を必ず設置
いくら良い印象を持ってもらっても、「どうやって連絡すればいいかわからない」となれば、商機を逃してしまいます。電話番号、メールアドレス、LINEやSNSのリンク、そして問い合わせフォームを必ず掲載しましょう。
できれば、複数の手段を提示しておくと、ユーザーの利便性が高まります。問い合わせフォームでは、名前・連絡先・問い合わせ内容などの入力項目を最小限に絞ることが、送信率を高めるポイントです。
プライバシーポリシーや特定商取引法に基づく表記を記載
情報を扱う業種では、プライバシーポリシーの掲載が不可欠です。特に問い合わせフォームで個人情報を取得する場合には、個人情報の取り扱いに関する方針を明記しておく必要があります。
また、物販や有料サービスを提供している場合には、特定商取引法に基づく表記も法律上の義務です。事業者名、所在地、連絡先、販売価格、支払方法、返品対応などを記載しましょう。経済産業省の公式ガイドラインを参考に、抜け漏れのない記載を心がけてください。
個人事業主のホームページに関するよくある質問
ここでは、個人事業主の方々がホームページを運営する際によく抱く疑問に答えていきます。
はじめてのホームページ運用では「無料サービスで十分なのか」「SNSだけで足りるのではないか」「ブログを書く必要はあるのか」といった不安がつきものです。そうした声に対し、実務的な観点から明快にお応えしていきます。
確かに無料のホームページ作成ツールは、手軽さという点では優れています。登録すればすぐにページが作れ、テンプレートも豊富で、パソコンが苦手な方でもある程度見栄えのするサイトが作れます。
しかしながら、無料プランでは独自ドメインが使えなかったり、ページ上に他社の広告が強制的に表示されたりと、信頼性を損なう要素も少なくありません。SEO(検索エンジン最適化)やセキュリティの面でも制約が多く、ビジネス用途で継続的に活用するには不向きです。
名刺代わりとして割り切るなら選択肢の一つですが、顧客獲得を見据えるなら有料プランやWordPressでの構築をおすすめします。
結論から言えば、ホームページとSNS・広告は相互補完の関係にあります。
ホームページは「情報の保管庫」としての役割を担い、SNSや広告は「人を呼び込む装置」として機能します。
ホームページ単体では発見されるまでに時間がかかることもありますが、SNSで日々の活動を発信し、広告で認知を広げることで、多くの人を自サイトへ誘導することができます。
また、SNSでのやりとりは短期的な接点にとどまりやすい一方で、ホームページには詳細な情報を体系的に掲載できるため、信頼構築や成約の場として非常に有効です。両者をバランスよく使い分けることで、集客の効率は格段に向上します。
検索エンジンからの流入を狙ううえで、オウンドメディアと呼ばれるブログやコラムは大きな武器になります。
とくに「専門知識を持っている」「情報発信を通じて信頼を得たい」と考える方には有効です。たとえば、税理士であれば「インボイス制度の対応方法」、美容師であれば「髪質別のヘアケア方法」といったテーマで定期的に記事を書くことで、検索される機会が増え、サイト全体の評価も高まります。
加えて、ブログには「人柄」がにじみ出るという利点もあります。事業者の考え方やお客様とのエピソードなどを綴ることで、読み手に親近感を持ってもらいやすくなります。とはいえ、無理に更新頻度を上げる必要はありません。質を意識しながら、月に1回でもよいので継続することが、長期的には信頼と集客の礎となります。